同床異夢 社長と社員のコミュニケーション術(その1)

 

【目次】

 

 「同床異夢」とは、国語辞典によると「同じ寝床に寝ても、それぞれ違った夢を見ること。転じて、同じ立場にありながら、考え方や目的とするものが違うことのたとえ」とあります。社長と社員が同じ船に乗り合わせていても、船を漕ぐベクトルが合っていないと、暴風雨に遭遇した場合は難破してしまいます。社長と社員は同じ会社の中で、同じ環境でそれぞれの業務をこなしているにも関わらず、お互いのことを理解することが、なかなか出来ないでいると感じていませんか?

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 それには以下の3つの原因があります。

(1)社長と社員の間には、絶対に超えることが出来ない「立場の差」がある

 社長にはこのミゾを狭くしていく努力が求められます。ミゾを狭くするには、日常のコミュニケーションが重要なのです。  例えば物事を伝えるには、最低でも同じことを3回繰り返すこと。また、山本五十六元帥の言葉通りで、「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」です。

(2)社長と社員とでは、ビジネスに対する価値観に違いがある

  社長は、社員との価値観の違いを十分把握しておく必要があります。価値観の差は、立場の差と人生経験からとの二方向からやってきます。

(3)人間には性格の違いがある

  性格の違いは先ず「男女」の違い、次いで「持って生まれた性格の違い」の2面があります。「性格により行動や意思決定の思考方法が違うのだ」ということを12種類のパターンに整理して理解することができます。これについては別項で説明しましょう。

 

◆ワンポイント ヒント

 会社の業務には「作業」と「仕事」の2種類あることをご存知でしょうか?

「作業」:すでに決められている行動の繰り返しです。日常業務でマニュアル化、標準化、自動化などで効率化を図ることができます。

「仕事」:自ら考え、決めて、行動することで、その量と質が高いほど良い仕事です。 決...

める力と行動する力が重要で、タイミングが良いことも必要です。

 業績が低迷している会社は、この「作業」と「仕事」の区別がついていない場合が多いものです。作業は現場の業務であり、職位が上がるに従って、「仕事」の割合が増えていかねばなりません。社長の業務はほぼ100%「仕事」です。社長が「作業」をしているようでは、おさき真っ暗と言えましょう。

 一方、当然ながら社員側にも種々の問題があります。これについては次回取り上げることとします。

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