選び方 【知って得するものづくり補助金】(その2)

【ものづくり補助金 連載目次】

◆知って得するものづくり補助金

 
  前回のその1に続いて解説します。
 

1. ものづくり補助金と選び方

 

(1) ものづくり補助金の概要

 
 続いて政府予算案の中でPRされている内容から、今回のものづくり補助金の概要を見ていきましょう。一言でいうと「1件当たりの補助金額は若干下がるものの、全体予算と支援企業数は大幅に増加」です。
 

【全体】

 
 ・予算額:1,000億(前回比 131%)
 ・支援企業予定数:10,000件(前回比 162% )
 

【1件当たり】

 
 ・補助上限:1,000万(前回 3,000万)
 ・補助率(通常):1/2(前回 2/3)
 ※条件によっては1,000万以上の金額、および補助率2/3の場合もありますが、概ね1件当たりの金額は減少する見通しです。
 

(2) ものづくり補助金対象事業について

 
 例えば平成28年度の公募要領では、Ⅰ.「革新的ものづくり開発支援」とⅡ.「高度生産性向上支援」の2つです。
 
 Ⅰの「革新的ものづくり開発支援」は、中小ものづくり高度化法で定められた、12種の特定ものづくり基盤技術を応用することが条件となっています。
 
 1.デザイン開発 2.情報処理 3.精密加工 4.製造環境 5.接合・実装 6.立体造形 7.表面処理 8.機械制御 9.複合・新機能材料 10.材料製造プロセス 11.バイオ 12.測定計測のうちのいずれかの技術を使い、革新的なサービスを提供することや、ものづくりの工程の改善を図ることが条件です。
 
 Ⅱの「高度生産性向上支援」は、Ⅰの「革新的ものづくり開発」の生産工程において、IoTなどを用いた設備投資を行ってその生産性を向上させ、投資利益率5%を達成するような取組みが補助対象とされています。
 
 このⅡでは、最終的な成果として、投資利益率5%という具体的な数字もあげられていますが、申請時点ではまだわかりませんね。ですから、この場合は、投資利益率5%が達成されるとジャッジを受けるような、具体的で実現可能な事業計画を立てましょう。
 
 補助金の審査では絶対的な技術の差は問われないので、必ずしも業界的に高度な技術である必要はありません。自社のアイデア、技術を使い、そこに技術的課題を12の分野の技術を用いて解決し、新しい製品を開発することが期待されています。自社の強みを活かした勝負をすればよいのです。
 
 
 
 

2. ものづくり補助金、3つの類型

 
 以上のとおり、ものづくり補助金の対象事業は、Ⅰ.「革新的ものづくり開発支援」とⅡ.「高度生産性向上支援」ですが、実際の申請にあたっては、これをさらに細分化した3つの類型から最適なものを選んで申請することになります。
 

【ものづくり補助金、3つの類型】

 
①「革新的ものづくり開発支援:一般型」
②「革新的ものづくり開発支援:小規模型」
③「企業間データ活用型」
 
 上記の類型となっており、それぞれ補助の上限金額や補助対象となる経費などが異なります。3つの類型については次回、その3でご説明いたします。
 
 これを参考に、自社...
がどのような類型にあてはまるのかを選び、最終的に補助金を使えそうだな、というGOサインが出ると思います。次回も目を通して下さい。
 
 ここまでざっと予算と補助金はどのような企業が使えるのか、ということを簡単に説明しました。自分の会社はどんなアイデアや技術が強みなのかがうっすらとは理解できても、どのように表現していいかわからないなど、お困りの方、また、自社の強みを「これだ!」と認識し、是非この制度を使いたい、という方は、どうぞお気軽にご相談下さい。
 
  

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