請負費用の工場間比較

 同じような製品を作り、同じような作業を請負させている工場が複数
ある場合(セメント、紙業、建設資材などの複数工場持つ専業メーカー
が該当すると思います) 請負費用を工場間で比較するといろいろと興
味深いことが分かります。
 

1.比較の視点

(1)請負会社の所長や班長、事務員の費用の扱いに基準がありますか
    管理費は請負費用の○%と割合で決めていたり、作業員数に対し
    て管理者が何人で1人いくらと決めていたり、まちまちになって
    いませんか。
 
(2)発注会社主導の会議・実務などに請負会社を参加させる場合、支
   払基準がありますか
    管理費に含める人/含めない人、支払う時間/支払わない時間
    など、決めていますか。
 
(3)機材費の耐用年数の考え方の基準がありますか
    法定耐用年数、又は経済耐用年数であったり、燃料、点検費の扱い方がまちまちになっていませ
   んか。機材の稼働率は低すぎないですか。
 
(4)作業数量の確定は請負会社と発注会社でチェックできる仕組みになっていますか
    請負会社が発注会社のチェックなしで、数量を報告したり、発注会社のシステムで管理していた
   りしていて、実作業量とシステムで誤差がありませんか。
 
(5)作業の内容毎に労務単価が決まっていますか
    重労働、高い技術が要求される作業から清掃、包装作業といった軽作業まで作業の質に応じた労
   務単価を決めていますか。また、作業の範囲やフローは文書化されていますか。
 
(6)製品毎の単位作業当たりの標準時間が比較できますか
    これが最もマンパワーのいる作業です。比較できるように作業範囲を決め、標準時間を測定する
   必要があります。見える化した結果、早く安く作れる工場が分かったり、ムダな作業に気付いたり
   して、作業改善につながります。
 

2.比較の具体化

 請負費用を工場間比較は、工場としては、工場サイドに任せてほしいことですし、本社サイドとしてはぜひ進めるべきだとなりがちです。具体的に進めるには、工...
場を俯瞰して統括する強力なリーダーシップが必要になります。
 
 工場の請負作業を見える化することで、作業改善を図り、あるべき姿を決め、標準化を企業として進めていく。理想論かもしれませんが、請負費用が増大している今、これを現実に進めている企業は、コスト競争力が強化されているでしょう。工場間で比較しようと考えても、まず一つの工場で見える化する必要があります。上記の比較の視点を具体化出来る工場を、最初に一つ選定するところから、請負費用の工場間比較は始まります。
 

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