自動車室内環境の快適性評価と快適化技術動向

自動車室内環境の “快適さ” とは何を指すのか?
快適にするにはどうすれば良いのか?
快適にするための技術はどのようなものがあるのか?
またその技術動向は?


3名の講師がそれぞれの立場から語ります。


セミナー講師


第1部  東京都市大学 名誉教授 郡 逸平 氏

【専門分野】
熱・流体工学・数値流体工学

【研究活動など】

◆車両の空調関係の研究
 ・車両の室内空調快適性の予測計算法の開発
 ・温熱快適性評価手法の開発
◆車両の空気力学関係の研究
 ・車両の空力性能向上手法の開発
 ・冷却ファン性能の数値計算予測手法の開発
◆車両空調省エネ化関係の研究
 ・ゾーン空調制御システムの開発
 ・次世代車両の空調省エネ化の研究



第2部  明治大学 理工学部 准教授 小林 健一 氏

【専門分野】 伝熱工学、エネルギーシミュレーション、熱と流れの計測

【略歴】
 慶応義塾大学大学院修了後、東京工業大学工学部 助手、明治大学理工学部 専任講師を得て、同学理工学部准教授に就任。現在に至る。

【所属学会】 日本伝熱学会、日本設計工学会



第3部  原 潤一郎 氏 (元 カルソニックカンセイ)

【略歴】
 1981年、日産自動車(株)に入社。車両研究所にて電気自動車用エアコン、変動風気流(ともに採用済)の開発に従事。1995年、カルソニックカンセイ(株)に入社。先行開発技術開発部に所属し、CO2冷媒エアコンや燃料電池自動車用冷却装置、エンジン冷却系(コンパクト型冷却装置 SLIM,VG-FIN付きEGRクーラ)(いずれも採用済)等の開発に従事。2019年に同社を退職し、現在に至る。

【表彰】
2013年 自動車技術会 自動車技術会論文賞(共著) (SLIM-COOLⓇ)
2014年 自動車技術会 部門貢献賞(車室内環境委員会、1Dシミュレーションによる解析)


受講料


54,000円 ( S&T会員受講料 51,300円 )
(まだS&T会員未登録の方は、申込みフォームの通信欄に「会員登録情報希望」と記入してください。詳しい情報を送付します。ご登録いただくと、今回から会員受講料が適用可能です。)


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2名で54,000円 (2名ともS&T会員登録必須/1名あたり定価半額27,000円) 

【1名分無料適用条件】
※2名様ともS&T会員登録が必須です。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※3名様以上のお申込みの場合、1名あたり定価半額で追加受講できます。
※受講券、請求書は、代表者に郵送いたします。
※請求書および領収証は1名様ごとに発行可能です。
 (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
※他の割引は併用できません。


得られる知識


【第1部】
 専門知識を前提にしておりませんが、下記の工学的な素養があると内容の理解が深まると思われます。
・流体力学、流体工学
・熱力学、熱工学
・伝熱工学
・物質移動論
・温熱生理学

【第2部】
・駐車中の自動車内の温熱環境
・ふく射伝熱やウィーンの変位則の理解
・温室効果の理解
・ガラスの光学特性の把握

【第3部】
・自動車の駆動源の変遷
・駆動源変遷にともなう熱マネジメント技術
・特に空調技術の変遷
・自動運転にともなう空調技術の変化


セミナー講演内容


第1部 温熱的快適性を予測する人体熱平衡モデルと自動車室内における温熱快適指標
 (10:30~12:30)

 自動車などの輸送機器において、複雑で非定常な温熱環境下に置かれた乗員の温熱的な快適性を評価するためには、温熱環境の物理的なパラメータを適切に把握したうえで、人体の温熱生理反応を把握する必要がある。しかし、それらを実験的に計測するためには、多種にわたる項目の計測と多くの被験者が必要となるため、工業製品の開発に適さない。このため、人体の温熱生理反応を予測する人体熱平衡モデルは、そうした問題点を解決する有効な手段であり、これにより初めて開発に寄与できる評価が可能となる。
 本講座では、そうした予測を用いて設計開発を行う技術者にとって不可欠となる基礎知識の習得を狙いとしている。

1.人体熱平衡モデルの基礎理論
 1.1 人体の温熱生理反応と人体熱平衡計算                 
 1.2 集中定数系に基づく人体熱平衡モデル(二層モデル)         

2.温熱評価指標と開発設計への適用                     
 2.1 様々な温熱指標                                 
 2.2 二層モデルを用いた温熱環境評価指標:SET*
 2.3 快適方程式を用いた温熱環境評価指標:PMV
 2.4 SET*とPMVの比較と温熱指標の選択
  
 □ 質疑応答 □



第2部 日射による自動車室内温熱環境の変化とその制御のための考え方
 (13:20~14:50)

 夏は涼しく冬は温かい、快適な移動空間を提供してくれる自動車であるが、空調が作動していないとその車内は過酷な環境となる。真夏の炎天下に駐車された自動車内に残された子供やペットが車内温度の上昇により熱中症を引き起こし、それが原因となり死亡する事故が多発している。
 本講座では、日射をうけた自動車車内の温度が日中に高くなる機構を解説し、車内温度上昇の原因であるウィンドウカラスから入射する赤外線を反射することによる温熱環境の改善について解説する。

1.伝熱の基礎
 1.1 伝導・対流・ふく射
 1.2 ふく射伝熱
 1.3 ウィーンの変位則
 1.4 光の透過・吸収・反射
 1.5 日射スペクトル
 1.6 黒球温度
 1.7 ガラスの光学特性
 1.8 温室効果

2.駐車した車内の温度変化
 2.1 季節・時間毎の温度変化

3.熱線反射フィルムによる日射制御
 3.1 熱線反射フィルムの特性
 3.2 模型および実車での計測結果
 
 □ 質疑応答 □



第3部  自動車における熱マネジメントと室内温熱環境の制御技術動向
 (15:00~17:00)

 電気自動車や48ボルトマイルドハイブリッド車などの出現による駆動源がダイナミックに変遷にともない、自動車の熱マネジメントも大きく変貌しようとしている。特に空調関係は、暖房熱源が不足することにより、変化せざるを得ない状況になっている。このため駆動源の変遷および空調関係の技術の変化について説明する。
 また、自動運転が徐々に実用化しており、運転負荷が小さくなることで、空調快適性の重要度がますます高まりつつある。このため自動運転にともなう必要技術の解説をおこなう。
 
1.規制
 
2.PHV,EV,FCV

 
3.EVの普及

 
4.EVの課題

 
5.電池の進展

 
6.48Vハイブリッドとは

 
7.駆動源変遷と冷却系の変化

 
8.駆動源変遷とエアコンの変化

 
9.駆動源による冷却系とエアコンの変化のまとめ


10.EV用,ハイブリッド社用エアコン


11.クリーン・ディーゼル車の補助暖房


12.CO2冷媒によるエアコン


13.熱マネジメント


14.エアコンの改善


15.調光ガラス


16.自動運転


17.今後の熱交換器の改善


18.駆動用電池の温度管理


19.参考)自動車用空調装置


20.人体温熱快適性からみた最適化部位

 
 □ 質疑応答 □