製造現場における暗黙知の言語化と技能伝承の進め方

 〜熟練技能者のコツ・カンを認知科学と生成AIでどう残すか〜
☆熟練技能者の高齢化や若手育成の難しさを背景に、製造現場では属人化した技能やコツ・カンをいかに引き継ぐかが課題となっています。
 本セミナーでは、暗黙知を引き出して言語化するための考え方と、認知科学・生成AIを活用した形式知化・マニュアル化の進め方を、実証事例を交えて解説します。 
【アーカイブ配信受講:8/17~8/24】での受講もお選びいただけます。

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    セミナー趣旨

     日本の少子高齢化を背景に、製造業においては熟練技能者の高齢化や若手人材の離職により、技能伝承が困難となっている。こうした課題は全国的に見られるが、今回概念実証の対象とした富士市内の製造業においても例外ではなく、作業の属人化や外国人労働者との言語の壁が課題となっている。
     そこで本取り組みでは、認知科学の視座からインタビュー設計と生成AIを組み合わせ、熟練技能者の暗黙知を効率的に形式知化する概念実証を産学官連携で実施した。熟練技能者の音声データからマニュアルの下書きを自動生成した結果、従来は長時間を要していたマニュアル化を2〜3時間で実現でき、熟練技能者の「コツ」や「感覚」の可視化にも大きな進展が見られた。さらに、多言語翻訳機能により、外国人労働者の理解度向上と現場の負担軽減も示された。
     生成AIと認知科学を融合した本アプローチは、技能継承の在り方を大きく変える可能性を示しており、今後は他業種・他地域への展開も視野に入れている。
     本講演では、この概念実証を通じて得られた知見をもとに、暗黙知の抽出・形式知化の進め方と、生成AI活用の可能性・留意点について解説する。

    習得できる知識

    ・熟練技能者のコツ・カンを形式知化する際の基本的な考え方を理解できる
    ・認知科学と生成AIを活用した暗黙知抽出・マニュアル化の進め方を理解できる
    ・製造現場における技能伝承のデジタル化、多言語化の実践ポイントを理解できる

    セミナープログラム

    1 製造現場で技能伝承の必要性が高まっている背景
     1-1 わが国の製造業を取り巻く課題
     1-2 熟練技能者の高齢化、若手人材育成、外国人労働者対応
     1-3 技能伝承支援と製造現場DXへの期待
     1-4 技能マニュアルのデジタル化が求められる理由

    2 暗黙知をどう引き出し、形式知化するか
     2-1 暗黙知とは何か、なぜマニュアル化が難しいのか
     2-2 認知科学の視点からみた熟練技能者の「コツ」「感覚」
     2-3 暗黙知を引き出すためのインタビュー設計
     2-4 「コツ」「感覚」を言語化するための言葉の使い方

    3 生成AIを活用した暗黙知抽出・マニュアル化の進め方
     3-1 どのような業務から着手するとよいか
     3-2 誰に何を聞けばよいのか
     3-3 どのような問いかけで「コツ」「感覚」を引き出すか
     3-4 動画・音声・メモなど、活用する情報の選び方
     3-5 生成AIには何を入力し、どのように下書きを作るか
     3-6 AIで自動化できる部分と、人の確認が必要な部分
     3-7 下書きマニュアルを現場で使える形に整えるには
     3-8 多言語化や教育用途への展開可能性

    4 概念実証事例から見えた効果・課題・つまずきやすい点
     4-1 概念実証の概要と実施体制
     4-2 熟練技能者の暗黙知を形式知化した結果
     4-3 従来手法と比べた効率化・省力化の効果
     4-4 多言語翻訳による現場教育支援の可能性
     4-5 実際にやってみて分かったこと
     4-6 つまずきやすい点と、当初想定していなかった課題

    5 実務で進めるための留意点と今後の展開
     5-1 導入時に押さえるべき留意点
     5-2 適用しやすい業務と適用が難しい業務
     5-3 現場導入における限界と期待できる効果
     5-4 今後の展開と他業種への応用可能性

     【質疑応答】


    キーワード:
    暗黙知,技能,スキル,言語使用,無人称研究,セミナー

    セミナー講師

    常葉大学 経営学部 経営学科 准教授 博士(情報学) 山田 雅敏 氏

    【ご専門】人工知能,認知科学,感性情報学
    【ご略歴】
    静岡大学創造科学技術大学院を修了、博士(情報学)。現在は静岡大学デジタルソーシャルトラスト研究所の客員准教授も務める。専門は人工知能、認知科学、感性情報学。研究領域はスキルサイエンスで、技能・スキル、暗黙知、無人称的身体などを主なテーマとしている。約四半世紀にわたるスポーツ指導経験を背景に、人の技能獲得や効果的な言語使用、認知変容に関心を広げ、近年は生成AIと認知科学を活用した技能伝承DXの実証と現場応用にも取り組んでいる。人工知能学会、電子情報通信学会、日本認知科学会などに所属し、日本ビジネス・マネジメント学会、日本認知症福祉学会、日本経営実務研究学会、情報文化学会、日本保健医療学会では理事を務める。

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