
構造用接着接合のメカニズムと強度・耐久性評価 ~実験・実務に役立つ基礎知識から研究の動向まで~【LIVE配信・WEBセミナー】
★2025年12月22日開講。【産総研:北條 恵司 氏】による接着・接合の基礎と接合強度・耐久性の評価、最新の研究事例を解説する講座です。
■本講座の注目ポイント
構造用の接着接合技術は、軽量化・異種材料接合を支える重要技術として注目されていますが、耐久性や信頼性の確立は依然として課題があります。本講演では、接着メカニズムと接着剤の基礎、代表的な試験方法や評価技術を解説した上で、劣化や疲労、水分影響などのメカニズムを明らかにします。さらに、接着界面の評価や最新研究事例を紹介し、接着接合の信頼性設計に必要な知識を整理します。
※講演日以降でも録画視聴可能です。
セミナー趣旨
構造用の接着接合技術は決して完成した技術ではありません。急速に普及が進んでいるにもかかわらず耐久性、信頼性を保証する方法はいまだに十分に確立されていません。
本講座では、まず接着接合に関して学ぶべき基本事項を説明します。続いて接着接合部の劣化のメカニズムを説明し、それを正確に評価する方法 (試験片の作製、試験方法) を解説します。さらに最新の研究事例を紹介しながら、接着接合部の耐久性がどこまでわかっていて、何が課題として残っているのかについても言及します。また「わかりやすい」に心がけており、なるべく概念的理解から実現象に移して説明します。接着接合の評価を初めて学ぶ方、これから始める方およびすでに始めているが接着研究がどこまで進んでいるのかを知りたい方にもお聞きいただける内容です。
質疑の時間を多くとっています。普段業務で課題になっていることなどをお聞かせいただけたら幸いです。
【講演のポイント】
本セミナーでは、「わかりやすい」を主眼において現象を理解しながら進めます。接着の基礎から解説し、接着のメカニズム、接着剤の強度評価のノウハウ、観察・分析方法、試験データの正確な読み方、接着接合のトラブル対処法について詳解いたします。また質疑に多くの時間を使います.遠慮のないご質問をお待ちしています。
習得できる知識
①接着接合の基礎知識 (接着のメカニズムから接着剤の種類)
②接着剤の強度評価のノウハウ
③試験片の作製方法
④試験データの正確な読み方
⑤接着接合の観察分析からトラブル対処法
⑥接着接合研究の動向、研究論文
セミナープログラム
【講演キーワード】
接着接合、接着剤の疲労、接着剤の水分劣化、接着剤の強度低下、接着接合部の強度評価、DCB試験、ラップジョイント強度、クリープ試験、接着接合の耐久性、接着のメカニズム、接着剤疲労破壊のメカニズム
【プログラム】
Ⅰ. 接着接合の基礎
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1. なぜ接着接合なのか
1.1 接着の普及と構造物軽量化
1.2 接着の役割 (長所と短所)
1.3 接着の短所の改善例
2. 接着剤の種類と特徴
2.1「構造用接着剤」とは
2.2 代表的接着剤の種類と特徴と用途 (エポキシ系ウレタン系アクリル系シリコン系)
3. 被着体は表面処理が重要=種類と目的
3.1 接着のメカニズムと
・機械的結合
・物理的結合
・化学的結合
3.2 重要な表面処理の種類と目的
・表面除去法
・物理的表面改質
4. 接合強度試験片の種類
4.1 重ね合わせ剪断試験片
・SLJ (Single Lap Joint) JIS 6850
・SLJの引張試験の評価の注意点、データの意味
4.2 層間破壊靭性試験片
・DCB (Double Cantilever Beam) JIS K7086、 ASTM D3433
・エネルギー開放率G1C測定
4.3 接着硬化材試験片;Bulk JIS K6878
・試験から得られる情報
・ポアソン比の体積変化
・真ひずみと公称ひずみ、その使い分け
4.4 T形剥離試験片:T-Peel JIS6854
5. 破断面の分析技術
6. 強度評価試験に用いる試験片+試験機とその目的
Ⅱ. 実際の耐久性強度評価
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1. 考慮すべき環境負荷、劣化に及ぼす影響因子破壊の形態3種類および破面観察と分析方法
2. 標本数と分散の精度(ワイブル分布)
3. 繰返しひずみ (疲労) による強度低下
3.1 疲労試験方法,粘弾性体の疲労,応力比とは
3.2 疲労線図の読み方、得られる情報
3.3 疲労のメカニズム
3.4 引張強さと疲労強さの関係
4. 最も深刻な水分による強度低下
4.1 接着剤の吸水挙動と強度低下
4.2 FTIRよる高分子材料の構造分析と強度
Ⅲ.接着接合の課題
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1. 接着接合の4大不具合(表面処理,硬化不良,劣化,クリープ)
2. 解体,再利用の動向
Ⅳ. 研究事例
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1. 表面処理が耐久性に与える影響(レーザー加工)
2. 繰り返しひずみを受けた重ね合わせ継手の残存強度
3. 高分子材料 (接着硬化材) の広範囲速度依存性 (クリープから衝撃まで)
4.吸水/感想を繰り返した試験片の強度
5.接着界面の水分拡散係数の測定
【質疑応答】
※当日以外のアーカイブ視聴をご希望の方は、お申込みの備考欄に『当日以外のアーカイブ視聴希望』をご記入ください
※受講料のお振込は、セミナー開催月の翌月末までで問題ありません
セミナー講師
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 材料基盤研究部門 接着界面グループ 北條 恵司 氏
セミナー受講料
●1名様 :49,500円(税込、資料作成費用を含む)
●2名様以上:16,500円(お一人につき)
※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません
受講料
49,500円(税込)/人