クオリティカルチャーの醸成にむけた活動事例と作業者のマインドセット・定着化・教育訓練への方策

形骸化させないクオリティカルチャーはどう醸成すべきかを考える

 上司から不正の指示をされても、不正をしない人もいます。
『する人、しない人』、『魔が差しやすい現場、さしにくい現場』
違いはなにか?品質文化をどう醸成するか?企業はどのように落とし込んでいるのか?
経営陣・現場作業者のそれぞれの目線でクオリティカルチャーはどう醸成すべきか?

本セミナーでは、近年の製薬業界における行政処分を背景に、「クオリティカルチャー」の定義や重要性、
具体的な醸成方法について深く掘り下げます。
品質文化の定義や評価方法を学び、企業事例から実践的な活動を共有します。
さらに、教育訓練システムやGMP文書への落とし込み方、現場での不正を防ぐための
マインドセットと教育方法まで、企業全体の品質向上に向けた包括的な知識を解説いたします。


開催日時

 【アーカイブ受講】 2025年12月12日(金)  まで受付(配信期間:12/12~12/25)

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    セミナープログラム

    冒頭(30分)
    『品質を重視する企業風土を目指して』
      東京理科大学 薬学部 薬学科 教授 櫻井 信豪 先生

    [趣旨]
    2021年以降に、ジェネリック医薬品企業を中心に行政処分が多発しており、その理由として“承認書と異なる手順”と“虚偽の記録の作成”があげられます。前者については日本特有の製造販売承認申請書の記載に関する課題もありますが、後者についての根本的な問題として、組織体制の不備や品質文化の醸成不足が考えられます。医薬品として品質確保は絶対的なものであり、まずは品質や品質文化の定義を考えましょう。そのうえで、企業に求められる品質文化の醸成について、東京理科大学の当研究室が検討した評価方法やこれからの課題等を解説します。

    [得られる知識]
    なぜ今、品質文化の醸成が企業に求められるのか?その評価方法やどのような取り組みが有効なのかを学ぶことが出来ます。

    [講演項目]

    1.最近の業務停止命令から“品質”を考える
     (1)製造販売承認申請書
     (2)承認書との齟齬
     (3)“品質”とは

    2.品質文化とは
     (1)品質文化の定義
     (2)なぜ今、品質文化なのか

    3.品質文化醸成度の評価
     (1)東京理科大学とジェネリック製薬協会が作成した評価ツールについて
     (2)評価ツールの改良について

    4.どう醸成するか、求めるところ

    5.まとめ、課題


      第1部(1時間30分)
    『クオリティカルチャー醸成に向けた活動事例の紹介』
      
    株式会社ツムラ 信頼性保証本部 品質保証部 コーポレートQA課 課長 中村 美登里 氏

    [趣旨]
    当社では、お客様にお約束した品質の製商品を安定的に供給するための活動の一環として、「ツムラ クオリティカルチャー」を醸成し、全役職員があらゆる場面でお客様にとって何が最善か自律的に考えることができる組織へとさらに変革していくための活動を行っております。本講演では、その活動の実例をご紹介いたします。
     
    [得られる知識]
    ・企業でのクオリティカルチャー醸成活動の実例
    ・クオリティカルチャー醸成活動の実践に関するヒント
     
    [講演項目]

    1.はじめに
    (1)    ツムラの経営理念
    (2)    経営理念とクオリティカルチャー

    2.ツムラにおけるクオリティカルチャー醸成活動の実例紹介
    (1)    活動の始まり
    (2)    生産現場での活動展開
    (3)    今年度より開始した全社での活動展開

    3.今後の予定
    (1)更なる活動の展開へ

    □質疑応答□


      第2部(1時間30分)
    『クオリティカルチャー醸成にむけたGMP文書への落とし込みとICH-Q要素への対応』
      
    医薬品GMP教育支援センター  代表 髙木 肇 氏
    [趣旨]
    適切なクオリティカルチャーとは何か。本講では成長を実感できる教育訓練システムを有する企業、すなわち人財を育成する企業風土という見解に立ち、教育訓練のスタートでまず必要となるSOPの留意点などを中心に解説する。

    [得られる知識]
    ・実効性のあるPQSのために必要なこと
    ・リスクベースGMPに対応した教育訓練
    ・SOP作成時の留意点

    [講演項目]

    1.適切なQuality cultureとは
     1.1 医薬品の「品質保証」に必要なこと
     1.2 PQS(医薬品品質システム)とは
     1.3 適切なQuality Culture、不適切なQuality Cultureの例
     1.4 ロボット人間で良しとする企業だと人は離反
     1.5 守れだけでなく、意図を説明しないと
     1.6 あるべき教育訓練
     1.7 PQSは全員参加で実施するもの
     1.8 「小さい異常」の顕在化と記録は重要

    2.SOPと製造指図記録書で留意すべきこと
     2.1 GMPの基本は文書化
     2.2 上位の文書だけでは作業できない
     2.3 どこまでSOP化されているか
     2.4 SOPと指図記録書の関係
     2.5 ミスが発生したときの確認事項
     2.6 再教育はミスの根本対策にならない
     2.7 事実は「現物」、「現場」、「現実」に
     2.8 ALCOA+は5ゲン(3現+原理、原則)で確認

    □質疑応答□


      第3部(1時間45分)
    『作業者のマインドやスキルアップと教育方法』
      
    (株)ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 氏

    [趣旨]
    現場の不正などあり、クオリティカルチャーというと、現場の人にクオリティカルチャーを持って欲しいとの視点でお話される方が多いです。
    ちょっと待った!
    なぜ現場が不正をしてしまうのでしょうか?
    日本電産の創業者永守重信氏ははっきりと「社員のマインドが悪くなるのは経営者のマインドが悪いから」と明言されています。ただ、経営陣のマインドが悪くても、上司から不正の指示をされても、不正をしない人もいます。
    上司からの不正指示に従うのは、左遷やボーナス減給、職場環境悪化、パワハラなど、つい負けてしまう「性弱説」があるからです。
    ただ、不正なことをすると自分が苦しみます。ではどうするか、なども紹介します。
    そして上司のからの不正な指示に従わない人が会社の未来に貢献している人なのです。
    あなたはどうしますか?が問われています。そのためにはいろいろ学び考えておくことがその場になった時により良い判断ができるように思います。

    [得られる知識]
    ・作業者のスキルアップ
    ・SOP違反や記録の偽造を防止するためには
    ・作業者・新人への教育方法
    ・作業者におけるマインドの再認識

    [講演項目]

    1.    作業者のマインドは経営者のマインドの具現化
     1)    経営者が品質より利益優先
     2)    歴代の名経営者から学ぶ
     3)    経営者への要望

    2.    不正なことをしない
     1)GMPの不正事例
     2)意図しないGMP不正

    3.    SOPを知り守る
     1)    SOPを間違えたブラインドコンプライアンス
     2)    COAの確認の意味を知らず 

    4.    具体的な事例から学ぶ
     1)    課長の指示でSOP違反
     2)    SOPより先輩の指示でSOP違反
     3)    職場の慣習でSOP違反と記録の偽造

    5.    マンガGMP
     1)    指差し呼称
     2)    レ点
     3)    ステイタス表記

    6.    スキルアップ 
     1)    SOPをまず理解する
     2)    自ら考える力を持つ 
     3)    福井県の小林化工から学ぶ

    7.    教育(OJTで学ぶ)
     1)    話し合う場を設ける
     2)    自工程の問題点を挙げる
     3)    その対策を幹部が支援する
     4)    生産に配属された新人に伝えること
       ①    ミスを報告
       ②    先輩のSOP違反に従わない
     
    8.    マインド
     1)    何のために医薬品を製造、試験、製造管理しているか
     2)    患者さん、医療関係者に胸を張って自分が造っている/試験している/製造管理している製品を薦められるか
     3)    人が創る品質

       □質疑応答□

    セミナー講師

    冒頭(30分)『品質を重視する企業風土を目指して』
    東京理科大学 薬学部 薬学科 教授 櫻井 信豪 先生

    <主なご研究・ご業務>
    レギュラトリーサイエンス、GMP、品質文化、知識管理、欧州のQP制度、QP制度を支えるQP育成コースの調査等


    第1部(1時間30分)『クオリティカルチャー醸成に向けた活動事例の紹介』

    株式会社ツムラ 信頼性保証本部 品質保証部 コーポレートQA課 課長
    中村 美登里 氏

    <ご略歴>
    2009~ ツムラ入社 茨城工場にてQA/QC業務を担当
    2019~ 生産本部生産企画部にて本部のQMSに関する企画立案、運営を担当
    2020~ 信頼性保証本部品質保証部にて全社のQMSに関する企画立案、運営を担当

    <主なご研究・ご業務>>
    全社のQMSおよびクオリティカルチャー醸成に関する企画立案、運営


    第2部(1時間30分)『クオリティカルチャー醸成にむけたGMP文書への落とし込みとICH-Q要素への対応』
    医薬品GMP教育支援センター  代表 髙木 肇 氏
    (元) 塩野義製薬(株) 製造管理責任者

    <ご略歴>
    塩野義製薬株式会社にて、経口剤や凍結乾燥注射剤などの工業化検討、無菌製剤製造棟の構築プロジェクト遂行、国内外関連会社への技術指導、無菌製剤棟の製造管理責任者など、製剤開発から工場運営に渡る幅広い任務を実施。順天堂大学 医学部 生体防御学教室 非常勤講師


    第3部(1時間45分)『作業者のマインドやスキルアップと教育方法』
    (株)ミノファーゲン製薬 顧問
    脇坂 盛雄 氏

    <ご略歴>
    エーザイ株式会社入社後、品質企画部 統括部長、品質薬事部 統括部長、品質保証責任者など30数年に渡り従事し、2013年9月に退職、現在に至る。

    <主なご研究・ご業務>
    医薬品の品質管理/品質保証

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