
セミナー趣旨
コーデックス委員会という組織をご存じでしょうか。コーデックス委員会は、1963年に国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)によって設立された食品の国際規格を作成している政府間組織で、現在180か国以上が加盟しています。コーデックス委員会の目的は、消費者の健康を保護することだけでなく、食品の公正な国際貿易を確保することです。例えば、微生物規格で考えると、食中毒の発生を防止するために食品の中にはサルモネラや黄色ブドウ球菌などの食中毒菌が陰性であることなどの規格が設定されているものがあります。確かに食品が食中毒菌に汚染されていないことは良いことですが、そのことを確認するためには検査を行う必要がありますし、少量摂取したぐらいでは食中毒にならない食中毒菌もあります。つまり、一見すると食品安全上必要と思われる規格でも、実は自国の農業や食品産業を守るために作成されたもの(国際貿易の障壁)である可能性があります。
食品の国際貿易は、今後一層盛んになると予想され、コーデックス委員会による国際規格作成の実態を理解することは、国内の農業及び食品産業の発展に役立つものと思います。本セミナーでは、国産畜産物の食中毒菌汚染状況を含め、食品の国際規格(特に微生物規格)の作成状況についてご紹介します。
受講対象・レベル
食品メーカーの品質管理部門の方、輸出入関連業務に携わる部門の方、食品安全・衛生に関わる研究者や技術者の方など
セミナープログラム
1.はじめに
①コーデックス委員会の役割
・組織の概要と規格の作成手順
・規格の具体例
②食品の国際規格と国際貿易機関(WTO)との関係
・SPS協定との関係
2.微生物規格
①指標菌と病原体
・一般細菌数、大腸菌、腸内細菌科菌群、サルモネラなど
②微生物検査法
・国内法とISO法
③畜産物の食中菌汚染状況
・鶏肉のカンピロバクターとサルモネラ汚染
3.まとめ
①科学的根拠の重要性
②国際規格作成への参加意義
※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影・お申込者以外のご視聴はご遠慮ください。
セミナー講師
帯広畜産大学 獣医学研究部門 教授
佐々木貴正 氏
1996年に農林水産省に採用され、動物用医薬品の承認業務及び動物衛生行政に従事。2006年から食品安全に関する微生物リスク管理担当官として畜産農場や食肉製品の食中毒菌汚染実態調査を実施するとともに、その成果を生産衛生管理ハンドブック(鶏卵、鶏肉、牛肉など)として公表。この間、コーデックス委員会食品衛生部会にも参加。2017年に国立医薬品食品衛生研究所に採用され、食肉製品の食中毒菌汚染低減策に関する研究に従事。2023年に国立大学法人北海道国立大学機構帯広畜産大学獣医学研究部門(教授)に採用され、現在、獣医公衆衛生学及び食品衛生学の教育・研究に従事。
セミナー受講料
1名につき
会員 27,500円(本体 25,000円) 一般 29,700円(本体 27,000円)
※会員価格適用については、企業研究会会員が対象となります。
(所属先の会員登録有無がわからない場合、お申込みの際に備考欄へ「会員登録確認希望」とご記入ください。)
※最少催行人数に満たない場合には、開催を中止させて頂く場合がございます。
※お申込後のキャンセルは原則としてお受けしかねます。お申込者がご出席いただけない際は、代理の方のご出席をお願い申し上げます。
受講について
視聴用アカウント・セミナー資料は、原則として開催1営業日前までにメールでお送りいたします。
※最新事例を用いて作成する等の理由により、資料送付が直前になる場合がございます。
受講料
29,700円(税込)/人
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