
ブルーカーボンの基礎知識・国内外の取組と今後の可能性
・転機を迎えるブルーカーボン:政策や社会実装面でも
・最新動向をお届けします
セミナー趣旨
「脱炭素」あるいは「カーボンニュートラル」が、世界、日本、自治体、企業等の共通の目標となった現在、ブルーカーボンを活用した吸収源対策にこれまで以上の注目が集まってきました。これは、カーボンニュートラルを達成する上で、どうしても排出をゼロにできない(残余排出)CO2を、自然系あるいは工学系の除去技術を用いて打ち消す必要があるためです。様々な除去技術が提案されるなか、ブルーカーボンの活用は、社会実装のしやすさ(コスト、適地、環境リスク)から最も有効な技術として評価されつつあります。藻場(海藻、海草)に代表されるブルーカーボン生態系による炭素吸収量が2024年より我が国のGHGインベントリに吸収源として計上されるようになったり、あるいはブルーカーボンクレジット(Jブルークレジット)が国の排出量取引(GX-ETS)の適格化になるなど、政策や社会実装面でもブルーカーボンは転機を迎えております。
本講演では、ブルーカーボンに関する科学、技術、政策、そして社会実装のすべての側面に現在深く関わっている経験を活かして最新情報を解説するとともに、ブルーカーボンクレジットなどの将来展望についても触れたいと思います。
受講対象・レベル
・ブルーカーボンやそれに関連する国内外の取り組みについて学びたい方
・海洋生態系を活用したビジネス、ブルーエコノミーに関心のある方
・カーボンオフセットクレジットに関心のある方
・ESG投資、非財務情報、統合報告書、環境報告書に関心のある方
・TCFD、GHGプロトコル、SBT、CDP対応に関心のある方
など
習得できる知識
・ブルーカーボンの特徴・基礎知識
・ブルーカーボンを巡る国内外の動向・事例
・ブルーカーボンを活用したカーボンクレジット制度「Jブルークレジット」の解説、調査・申請方法
など
セミナープログラム
1.ブルーカーボンの基礎
1.1 ブルーカーボンとは
1.2 ブルーカーボン生態系や浅海域の特徴
~炭素フローやストックと、森林等との違い~
1.3 日本や世界全体の浅海域によるCO2吸収ポテンシャルの最新情報
1.4 海洋における様々な気候変動緩和策のポテンシャル、ブルーカーボンの位置づけや役割
2.ブルーカーボンに関する国内外の動向
2.1 気候変動による経済損失の最新研究例
2.2 他の炭素除去技術(自然系、工学系)との比較
2.2.1 自然系(森林によるCO2吸収)との比較
2.2.2 工学系(CCS、CCUS)との比較
2.3 海域におけるCO2吸収ポテンシャル
2.4 ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)と、研究開発課題(ヒト、モノ、カネ、シクミ)について
3.ブルーカーボンを活用したカーボンクレジット制度
3.1 国内外のカーボンクレジットの現状
3.2 ブルーカーボンを活用したクレジット制度の概要
3.3 JBEが創設した「Jブルークレジット」について
3.4 Jブルークレジットの手引書の内容とその解説
~対象プロジェクト、調査、計測、申請方法など~
3.5 Jブルークレジットの認証実例とその解説
3.6 Jブルークレジットの購入企業の動機とクレジットの活用実例
4.ブルーカーボンの将来展望
4.1 海洋をどう活用していくか、新たな事業の可能性は
4.2 ブルーカーボンという吸収源をどう拡大するか
4.3 クレジット制度をどう活用していくか
4.4 GHGインベントリや炭素除去に対する日本政府の対応
<質疑応答>
*途中、小休憩を挟みます。
■受講者からの声(アンケートにて)
「ブルーカーボンを体系的に学べ、また最新動向も把握できました。大変有益でした」(商社)
「海草と海藻の固定量の考え方(科学的な根拠)から知ることができ、大変勉強になりました。都市部の湾のCo2の吸収・
排出の実態も興味深く、自社で脱炭素に関するどのような取り組みができるか、検討する材料をいただけたと思っております」
(脱炭素対応)
「ブルーカーボンにどの程度ポテンシャルがあるか知りたくて参加しました。ありがとうございました」
(カーボンニュートラル戦略・企画)
「Jブルークレジットの実情や将来像について聴けたのがよかったです」(商社)
「新たなビジネスを考える上で非常に参考になりました」(新規事業創出)
セミナー講師
ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 理事長 博士(農学) 桑江 朝比呂 氏
■ご略歴
1995年3月 京都大学大学院 農学研究科修了
1995年4月 運輸省港湾技術研究所研究官
2001年10月 (独)港湾空港技術研究所主任研究官
2001年11月 博士(農学)取得
2016年4月 港湾空港技術研究所 沿岸環境研究グループ長
2022年10月-現在 港湾空港技術研究所 沿岸環境研究領域長
2020年7月-現在 ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 理事長兼任
・国内におけるブルーカーボンの先駆者として,論文,書籍や新聞等紙上掲載多数.
・専門はブルーカーボンに関する科学、政策、実践に加え、沿岸生態系、環境工学、気候変動対策、環境価値の定量化、など
・活動の一端
『新たなCO2吸収源“海の森”海洋植物に秘められた力【SDGs】』
『海藻もCO2吸収 ブルーカーボンの海 / IN FOCUS 環境アップデート』(日本経済新聞)
セミナー受講料
【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 36,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき25,300円
【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
36,300円(税込)/人