プラスチック射出成形〜金型メンテナンス・オーバーホールおよび保管の基本と実務知識〜

セミナー趣旨

　連続で長期間成形を行うと、金型のキャビティ・コアに溶融したプラスチックから発生する『やに』成分やガスが凝集したデポジットが付着します。その結果、金型内からのガス逃げ不良により、射出成形品のショート、ウエルドなどの不良が発生しやすくなります。また、生産数ＵＰに伴い金型部品摩耗による成形品寸法不良などが発生します。良品率を向上させ、安定した品質の成形品を作るためには、定期的な金型メンテナンスを行う必要があります。
　セミナーでは、射出成形金型のメンテナンス、オーバーホールを取り上げます。ショート、ウエルド、ヒケや変形といった不良を抑制すべくメンテナンス、オーバーホール、さらに金型の保管を適切に行うための基本と実務知識についてトラブル事例を交えて解説します。

受講対象・レベル

量産中の成形品品質不良改善、長期間の安定した
生産性対策に取り組んでいる生産技術部門の方、
成形・金型保全部門の方、品質管理部門の方、生産管理部門の方にとって
必要なノウハウを解説します

必要な予備知識

射出成形金型の基本知識
射出成形、成形品設計の基本知識

習得できる知識

金型のメンテナンス、オーバーホール、保管の基礎知識、ノウハウ
成形品品質不良とメンテナンス、オーバーホール、保管の関係
メンテナンス、オーバーホール、保管の実務知識

セミナープログラム

1. メンテナンス、オーバーホールの立場から − 射出成形金型・成形の基本
   1. 金型の構造・メカニズム
   2. 使用樹脂の種類と特徴、金型材料
   3. 金型合せ確認設備、成形部品生産設備（射出成形機、温度調節機他)
   4. 射出成形の基本
   5. メンテナンス、オーバーホールの違い
2. メンテナンス
   1. メンテナンスで行うこと
   2. メンテナンスサイクル設定
   3. メンテナンスと予防保全
3. オーバーホール
   1. オーバーホールで行うこと −（動画：部品洗浄)
   2. オーバーホールサイクル設定
   3. オーバーホールと予防保全
4. 成形プロセスごとの金型メンテナンスのポイント
   1. 樹脂充填
   2. 冷却・固化
   3. 突出し
5. 金型保管のポイント
   1. 成形終了後に行うこと
   2. 成形保管時の留意点
6. 成形品トラブル事例と金型メンテナンス、オーバーホールとの関連
   1. ショート、焼け、バリ
   2. ウエルド
   3. ピンゲート凸（含む、ホットランナ−金型)
   4. ゲート欠け
   5. ヒケ、変形（そり、ネジレ)、他
7. 射出成形金型のメンテナンス、オーバーホールに必要な技術
   1. メンテナンス、オーバーホールで必要な備品
   2. 金型寸法、成形品寸法の保証
   3. 精度に影響する組立、ミガキ加工スキル
   4. 金型メンテナンス、オーバーホール容易性構造
   5. メンテナンス、オーバーホール終了時の確認事項
8. 良好な品質を実現するメンテナンス、オーバーホールおよび保管、標準化
   1. 金型の分解・組立バラツキの低減
   2. メンテナンス、オーバーホール完了時の品質評価
   3. 成形品品質と金型保管の関係
   4. 金型設計へのフィードバック・標準化
      
      ＜質疑応答・個別質問・講師との名刺交換＞

セミナー講師

大塚技術士事務所　所長　大塚 正彦 先生

■ご略歴：
　1980年 明治大学大学院工学研究科博士前期課程修了。
その後、NEC、山一電機などで約33年にわたりプラスチック製品の開発全般に関わる業務に従事（成形品設計、プラスチック材料実用化評価、製品設計、金型設計･製作、成形技術の先行開発など）。
　2012年 大塚技術士事務所設立。国内・海外企業のコンサルティングの傍ら書籍の執筆、技術誌投稿、セミナー講師として教育啓蒙活動に従事。
　主な著書に『初級設計者のための実例から学ぶプラスチック製品開発入門』、
『実践！射出成形金型設計ワンポイント改善ノウハウ集』がある。
　日本技術士会、プラスチック成形加工学会、型技術協会に所属。

■ご専門および得意な分野・研究：
・プラスチック製品設計（汎用部品〜超精密部品）
・ローコスト･超精密プラスチック・インサート成形金型設計、成形･加工技術開発
・コンカレントエンジニアリングによる製品開発
・品質工学・5Ｓによる生産性･品質改善

セミナー受講料

1名47,300円(税込（消費税10％）、資料・昼食付)
　＊1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
　＊学校法人割引；学生、教員のご参加は受講料50％割引。