★プラスチックの燃焼メカニズム、難燃剤活用法、ブリード現象の解説

セミナー趣旨

本セミナーでは、プラスチック(熱可塑性樹脂)の難燃化に取り組む研究開発担当者や難燃剤の研究開発を手掛ける技術者に向けて、プラスチックの燃焼メカニズムや難燃剤の活用方法について解説する。
合わせて、難燃剤はプラスチックの難燃性を付与するという利点があるが,ブリードアウトする という問題点がある。現場での実際のブリードアウトによる問題,及びその対策についても解説する。
受講対象レベルは、はじめて難燃剤を取り扱う初級レベルから、難燃配合処方検討を行っている中級レベル、新しい難燃システムを開発する上級レベルまでと幅広く、得られる知識は、基礎的な難燃メカニズム及び国内で購入可能な難燃剤の特徴・配合処方例などであり、得られるスキルは、難燃化処方技術である。

セミナープログラム

1.プラスチックはなぜ燃える? 〜序論〜
 1.1 燃えるメカニズム
  1.1.1 ロウソクの例
  1.1.2 プラスチックの例
 1.2 分解ガスの燃焼反応

2.プラスチックを燃えにくくするには 〜序論〜
 2.1 難燃性試験方法
  2.1.1 UL94V試験
  2.1.2 酸素指数試験
  2.1.3 コーンカロリー試験
 2.2 各難燃剤の難燃メカニズム
  2.2.1 リン系難燃剤(固相リン炭化断熱層形成-難燃効果の例)
  2.2.2 臭素系難燃剤(気相ラジカル補足-難燃効果の例)
  2.2.3 金属水酸化物系難燃剤(固相吸熱-難燃効果の例)
  2.2.4 スルホン酸塩/シリコーン系難燃剤(固相樹脂架橋炭化断熱層形成-難燃効果の例)
  2.2.5 ラジカル発生剤・捕捉剤(ドリップ促進+気相ラジカル補足難燃効果の例)
 2.3 各難燃剤の特徴まとめ
 2.4 各難燃剤の用途例
 2.5 難燃コンパウンドの現状と課題
  2.5.1 難燃コンパウンドの生産量、特徴と用途
  2.5.2 各樹脂への難燃剤適応例と課題
 2.6 プラスチックの難燃化における難燃剤選定の基本的な考え方
  2.6.1 難燃性樹脂組成物の開発設計プロセス
  2.6.2 環境規制、用途、難燃性試験の観点からの難燃剤の選定
  2.6.3 樹脂と難燃剤の分解温度からの難燃剤の選定
  2.6.4 相溶性、分散性からの難燃剤の選定

3. 各樹脂の難燃化方法 〜第1部〜
 3.1 ポリオレフィン(PP、PE)
  3.1.1 ポリオレフィンの燃焼挙動、熱分解挙動
  3.1.2 ポリオレフィンに合った難燃剤の選定
  3.1.3 ポリリン酸アンモニウム/助剤 系
  3.1.4 リン酸アミン塩 複合 系
  3.1.5 リン酸エステル/助剤 系
  3.1.6 ホスホネート型リン系難燃剤/窒素系ラジカル発生剤 系
  3.1.7 水酸化マグネシウム又はアルミニウム/助剤(タルク、赤リン、ナノクレイなど) 系
  3.1.8 PP/リン系難燃剤/珪酸マグネシウム(新規ドリップ防止剤)
  3.1.9 臭素系難燃剤 系
 3.2 ポリスチレン(GPPS、HIPS、ABS)
  3.2.1 ポリスチレンの燃焼挙動、熱分解挙動
  3.2.2 ポリスチレンに合った難燃剤の選定
  3.2.2 HIPS/PPE/リン酸エステル系
  3.2.3 HIPS/PPE/ホスホネート型リン系難燃剤系
  3.2.4 HIPS/フェノール樹脂/赤リン系
  3.2.5 HIPS、ABS/赤リン/膨張黒鉛系
  3.2.6 ABS/リン酸エステル系
  3.2.7 ABS(共重合)/リン酸エステル系
  3.2.8 ABS、HIPS/リン酸エステル/次亜リン酸アルミニウム塩系
  3.2.9 HIPS、GPPS/NOR型HALS系難燃剤/リン系難燃剤系
  3.2.10 HIPS/St-不飽和カルボン酸共重合体/リン系難燃剤系
  3.2.11 HIPS、ABS/臭素系難燃剤系
 3.3 ポリカーボネート(PC、PC/ABS)
  3.3.1 ポリカーボネートの燃焼挙動、熱分解挙動
  3.3.2 ポリカーボネートに合った難燃剤の選定
  3.3.3 PC/シリコーン系難燃剤/有機スルホン酸塩 系
  3.3.4 PC、PC/ABS/リン酸エステル 系
  3.3.5 ポリホスホネート系難燃剤系
 3.4 ポリアミド(ナイロン6、66、6T)
  3.4.1 ポリアミドの燃焼挙動、熱分解挙動
  3.4.2 ポリアミドに合った難燃剤の選定
  3.4.3 ナイロン6、66/メラミンシアヌレート 系
  3.4.4 ナイロン66/ポリリン酸メラミン/GF 系
  3.4.5 ナイロン66/有機ホスフィン酸金属塩/GF 系
  3.4.6 ナイロン66/有機ホスフィン酸金属塩/ポリリン酸メラミン・亜鉛/GF 系
  3.4.7 ナイロン6、66/赤燐 系
  3.4.8 ナイロン6、66、6T/ポリマー型臭素系難燃剤 系
 3.5 ポリエステル(PET、PBT、PLA)
  3.5.1 ポリエステルの燃焼挙動、熱分解挙動
  3.5.2 ポリエステルに合った難燃剤の選定
  3.5.3 PET、PBT/メラミンシアヌレート 系
  3.5.4 PET、PBT/赤燐 系
  3.5.5 PBT/有機ホスフィン酸金属塩/GF 系
  3.5.6 PBT/有機リン系難燃剤 系
  3.5.7 PLA/SiO2-MgO
  3.5.6 PET、PBT/ポリマー型臭素系難燃剤

4.難燃剤のブリードアウト現象と処方による対策 〜第2部〜
 4.1 ハロゲン系難燃剤のブリード現象と対策
  4.1.1 ハロゲン系難燃剤のブリードアウト現象
  4.1.2 ハロゲン系難燃剤の化学構造とブリードアウト性の関係(PPの例)
   ・化学構造とブリードアウトによる難燃性の経時変化の関係
   ・化学構造と拡散・透失性の関係
  4.1.3 ハロゲン系難燃剤のブリード対策(PPの例)
     ・第三成分によるブルーミング対策と考察
 4.2 ノンハロ難燃剤のブリード現象と対策
  4.2.1 ノンハロ難燃剤のブリードアウト現象
  4.2.2 ノンハロ難燃剤のブリード対策法
  4.2.3 各ノンハロ難燃剤のブリード現象と対策
     ・ポリリン酸アンモニウム(PPの例)
        ポリリン酸アンモニウムの熱分解反応、加水分解反応によるリン酸成分のブリード熱分解反応・加水分解による混練・加工時及び成型品
        使用時のブリード問題点
        ブリード抑制対策(結晶系、被覆処理、助剤選定、ブリード防止剤、混練条件)
     ・リン酸アミン塩(PPの例)
        リン酸アミン塩の耐熱性、耐熱老化性及び耐水性の改善によるブリード防止例
     ・リン酸エステル(PC/ABS、PPの例)
        PC/ABS向けリン酸エステルの耐熱性・耐加水分解性と、化学構造からの考察
        PP向けリン酸エステル系難燃剤の耐加水分解性改善によるブリード防止例
        サンドウィッチ構造(多層構造)によるリン酸エステルのブリード防止例(PPの例)
     ・赤燐(PSの例)
        赤燐の耐熱性・耐水性改善事例
     ・ホスファゼン(PC/ABSの例)
        ホスファゼンの良好な耐熱性・耐水性の例、その分子構造からの考察
     ・水酸化マグネシウム(PPの例)
        水酸化マグネシウムの白化現象と、特定の表面処理による改良事例
        
5.添付資料
 5.1 各難燃剤の御紹介
 5.2 各難燃剤のお問合せ先

【質疑応答】

セミナー講師

 林 難燃技術研究所 代表 工学博士 林 日出夫 氏

セミナー受講料

1名につき55,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき49,500円(税込)〕

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開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

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開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   安全工学一般   安全規格

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