ナノメートルサイズのシリコン(ケイ素)粒子をわずか1層塗るだけで、角度を変えても色が変わらず安定して見える 世界最軽量クラスの塗装「構造色インキ」 とは?
研究の第一人者である 神戸大学 杉本 泰 先生より解説いただきます!
セミナー趣旨
昨今、インキや塗料などの色材において退色しない安定性や製品の意匠性の向上という観点から「構造色」が注目されており、様々な材料と発色メカニズム、塗装・印刷技術が開発されている。本セミナーでは、構造色の発色メカニズムの基礎知識から、見る角度によって色が変化する特徴と活用事例まで解説する。さらに、従来の構造色では実現できなかった、印刷できる、見る角度によって色が変化しないなどの特長を持つ「構造色インキ」の開発についても紹介する。
セミナープログラム
1. 構造色の基礎
1-1 構造色とは
a) 色とは
b) 光の干渉、回折
c) (多層)膜による干渉
d) 周期構造による回折
e) 散乱
1-2 さまざまな構造色
a) 自然界の例(昆虫や鳥類などの構造色と実用例まで)
b) 構造色の偏光特性
c) フォトニック結晶、コロイド結晶
2. 構造色研究の現状と課題
2-1 集合体を用いた構造色
a) コロイド粒子を用いた構造色(長周期から短周期、角度依存性の抑制)
b) 吸収性材料を用いた構造色制御
c) その他の技術(様々な材料と構造からなる構造色)
d) 塗料としての応用展開と課題
2-2 ナノ粒子の光学共鳴を用いた構造色
a) ナノ粒子の光学共鳴(原理と計算手法・ツールまで)
b) 表面プラズモン共鳴を用いた構造色(ステンドグラスから超微細印刷)
c) ミー共鳴を用いた構造色(誘電体ナノ構造の発色)
d) センサやディスプレイなどへの応用技術と課題
2-3 ナノ粒子構造色インキの開発
a) 結晶ケイ素ナノ粒子コロイド溶液の作製
b) 色彩制御と軽量化、薄膜化技術(ナノ粒子1層だけで着色する技術)
c) 構造色インキによるフルカラーインクジェット印刷
d) 応用展開
3. まとめと今後の展望
3-1 構造色研究の海外の動向
3-2 課題と展望のまとめ
セミナー講師
神戸大学 工学研究科 准教授(高等学術研究院 卓越准教授) 杉本 泰 氏
■ご経歴
2012年神戸大学工学部卒
2016年神戸大学 大学院工学研究科博士課程後期課程修了、博士(工学)。
2014-2016年に日本学術振興会特別研究員(DC1)
2014-2015年にボストン大学フォトニクスセンター訪問研究員。
2016年より神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻で助教を経て、
2022年〜准教授(高等学術研究院 卓越准教授)。
令和5年度 文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞。
■ご専門および得意な分野・ご研究
新機能性ナノ材料・ナノデバイスの開発、特にシリコンナノ構造の合成と光分野への応用に関する研究に従事し、
現在は「ケイ素ナノ粒子からなる耐候性に優れた構造色インキ」の開発を行っている。
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
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