★2024年5月23日WEBでオンライン開講
★透明導電膜を利用した基地局アンテナの評価方法およびキャリア様への導入の経緯とは!?
セミナー趣旨
※現在講師の先生に最新のご講演主旨をご考案いただいております。完成次第本ページを更新いたします。
★第5世代移動通信システム(5G)で使用されるミリ波帯の電波は直進性が高く、回り込みにくい特性をもつため、遮蔽物がある場合に電波が受信アンテナに届かくなり、通信品質の大きく劣化する領域(不感地帯)が発生する問題があります。
→本講では、不感地帯における無線通信品質改善を目的としたメタマテリアル電波散乱シートについて設計方法や試作および実験による有効性について解説!
★金属天井のある場所での屋内用アンテナ設置において、金属天井用アンテナが目立つため設置が難しい問題がございます。
→この課題を解決する手段として透明導電性フィルムを用いた屋内移動通信基地局用アンテナを紹介!
■注目ポイント
★透明性・低吸湿性・低複屈折性・耐熱性を備え精密成形しやすい樹脂であるシクロオレフィンポリマーと透明アンテナ基板への応用事例を紹介!
★透明導電膜を利用した基地局アンテナの将来のロードマップを解説!
★次世代の無線通信技術に有用であると考えられているIntelligent Reflecting Surface (IRS)について将来的なシステム設計などの知見となり得る理論検討結果などを紹介!
セミナープログラム
【第1講】 シクロオレフィンポリマーの特性と透明アンテナ基板への応用(仮題)
【時間】 10:45-12:00
【講師】日本ゼオン株式会社 総合開発センターものづくりスタジオ/スタジオ長 摺出寺 浩成 氏
【講演主旨】
シクロオレフィンポリマーは透明性・低吸湿性・低複屈折性・耐熱性を備え精密成形しやすい樹脂である。用途展開例として、光学レンズ(スマホ、車載)、医療用途、LCD・OLED向け光学フィルムで既に上市しているものの紹介と、今後成長が期待されるフレキシブル用途や高周波用途向けの開発品について紹介する。
【講演のポイント】
光学・医療用途向けシクロオレフィンポリマーの重合、溶融押出、延伸、塗布、ナノインプリントなど、講演者はこれらの技術に直接従事した経験があり具体的な課題、展望についての紹介が可能。また、新テーマ創出活動中であり、様々な分野へ挑戦している。
【習得できる知識】
シクロオレフィンポリマーの基本特性と高周波特性
【プログラム】
1.日本ゼオンの会社概要と事業展開
2.非晶性シクロオレフィンポリマーについて(既存用途の説明)
2-1 特性
2-2 光学レンズ用途
2-3 医療用途
2-4 光学フィルム用途
3.結晶性シクロオレフィンポリマーについて
3-1 従来COPとの特性比較
3-2 高周波特性
3-3 高周波領域の伝送損失 基材比較
3-4 フレキシブル性
4.ものづくりスタジオについて(新テーマ創出活動)
4-1 スタジオの取り組み(他社との共創テーマ探索)
4-2 メタサーフェス反射板への取り組み
【質疑応答】
【第2講】 透明導電性フィルムを使用した基地局アンテナの開発
【時間】 14:25-15:40
【講師】日本電業工作株式会社 開発イノベーション本部 / 部長 萩原 弘樹 氏
【講演主旨】
金属天井のある場所での屋内用アンテナ設置において、金属天井用アンテナが目立つため設置が難しい問題がある。この課題を解決する手段として、透明導電性フィルムを用いた屋内移動通信基地局用アンテナを提案している。この「可視光透過アンテナ」は金属天井に設置しても外観を損なわず、複数の周波数帯域で使用が可能である。これにより、設置場所の制約や設置コストの問題を解決できる可能性がある。これらのアンテナを紹介し、その設計・解析について解説する。
【講演のポイント】
透明導電膜を利用した基地局アンテナをどのように評価し、キャリア様への導入までに至ったのか、また、透明導電膜を利用した基地局アンテナの将来のロードマップを解説します。
【習得できる知識】
・透明導電膜フィルムを用いた屋内アンテナの設計・解析手法
・透明導電膜フィルムの評価
【プログラム】
1.開発背景
2.透明導電性フィルム
3.アンテナ
3-1 素子設計とシミュレーション
3-2 構成・構造
4.シミュレーション
4-1解析モデル
4-2解析結果
5.実験
5-1試作モデル
5-2実験結果
6.今後の予定・まとめ
【質疑応答】
【第3講】 メタマテリアル電波散乱シートの開発
【時間】 14:25-15:40
【講師】国立大学法人 電気通信大学 情報理工学研究科/助教 村上 靖宜 氏
【講演主旨】
第5世代移動通信システム(5G)では28GHz帯のミリ波と呼ばれる電波が使用される。ミリ波帯の電波は直進性が高く,回り込みにくい特性をもつため、例えば、送受信アンテナの間にパーティションや什器等の遮蔽物がある場合、電波は受信アンテナに届かくなり、通信品質の大きく劣化する領域(不感地帯)が発生する問題がある。本講では不感地帯における無線通信品質改善を目的としたメタマテリアル電波散乱シートについて設計方法や試作および実験による有効性について解説する。
【講演のポイント】
講演では5Gの無線通信における問題を解決するための、電波伝搬制御に関する技術を解説する。また、講演者は5Gの電波伝搬制御に関する具体的な課題・展望について紹介ができる。
【習得できる知識】
メタマテリアル技術を用いた通信における不感地帯問題の解決方法に関する知識
【プログラム】
1.通信品質改善のためのメタマテリアル電波散乱シートの開発
1.1 背景
1.2 メタマテリアル電波散乱シートの構成と設計法
1.3 設計法に基づいたメタマテリアル電波散乱シートの散乱特性
1.4 実験によるメタマテリアル電波散乱シートの通信品質改善効果
【質疑応答】
【第4講】 Intelligent Reflecting Surface(IRS)/ Reconfigurable Intelligent Surface(RIS)の研究動向と課題
【時間】 15:50-17:05
【講師】東北大学 大学院情報科学研究科 川本 雄一 氏
【講演主旨】
Beyond5Gに向けた技術要素の一つとして注目を集めているIntelligent Reflecting Surface (IRS) に関する研究開発について紹介します。IRSを利用した新たな移動通信システムの実現に向けて世界中で様々な取り組みが成されており、本講演では具体的な研究開発事例を紹介しつつその重要性や実現に向けた課題などについてお話しします。
【講演のポイント】
本講演では,次世代の無線通信技術,特にミリ波やサブテラヘルツ帯通信の実現に有用であると考えられているIntelligent Reflecting Surface (IRS)について,試作機を用いた検証実験を中心としつつ,将来的なシステム設計などの知見となり得る理論検討結果などを紹介する.
【習得できる知識】
B5GにおけるIRSの利用に向けた展望,基礎評価データ等
【プログラム】
1. Intelligent Reflecting Surface (IRS) とは
2. 近年のIRS関連研究開発の動向
3. IRSに関する研究開発事例紹介
3.1 60GHz帯対応IRS試作機を用いた検証実験
3.2 透明反射フィルムによる静的反射板の検証実験
3.3 その他いくつか理論検討
3.3.1 IRSの分割によるマルチユーザ対応
3.3.2 IRS複数事業者共用
3.3.3 対空通信のためのIRS配置
3.3.4 etc.
4. まとめ~今後のIRS活用に向けた期待~
セミナー講師
第1部 日本ゼオン株式会社 総合開発センターものづくりスタジオ/スタジオ長 摺出寺 浩成 氏
第2部 日本電業工作株式会社 開発イノベーション本部 / 部長 萩原 弘樹 氏
第3部 国立大学法人 電気通信大学 情報理工学研究科/助教 村上 靖宜 氏
第4部 東北大学 大学院情報科学研究科 川本 雄一 氏
セミナー受講料
【1名の場合】60,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
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