金属材料を使用する製品・装置・設備の耐久設計や保守管理において、腐食損傷の予防と対策は重要な課題です。
腐食損傷について、基礎から現場での対応策までを解説します。
セミナー趣旨
金属材料を使用する製品・装置・設備の耐久設計や保守管理において、腐食損傷の予防と対策は重要な課題です。本講では、腐食損傷について、基礎から現場での対応策までを解説します。まず、金属腐食の基礎として、腐食の分類、基本的な損傷形態およびそれらの発生・進展メカニズムを解説し、次に、腐食損傷トラブルが発生した場合の原因調査と評価試験の方法を述べます。最後に、腐食損傷の予防・再発防止について、適用事例を含めて紹介してまとめとします。
受講対象・レベル
金属製品の開発、設計、製造、品質管理、運用保守管理を課題とする方
必要な予備知識
高校卒業程度の数学、物理、化学
習得できる知識
1)金属材料の腐食の基礎(腐食の分類、乾食と湿食の違い、全面腐食と局部腐食の違い)
2)腐食の発生メカニズムと予防・対策
(粒界腐食、孔食・すきま腐食、応力腐食、水素脆性、大気腐食、ガルバニック腐食、電気防食)
3)腐食の原因調査と評価試験(原因調査の流れと手法、腐食試験方法)
セミナープログラム
1.金属腐食のメカニズム
1-1. 金属の腐食形態(乾食と湿食、全面腐食と局部腐食)
1-2. 乾食と湿食のメカニズム
①乾食の反応(エリンガム図、ワグナー理論)
②湿食の反応(電位-pH図、電極反応速度と分極曲線、不動態)
③各種金属の湿食特性(鋼、アルミ、銅、ステンレス、チタン)
1-3. 湿食の種類とメカニズム
①全面腐食損傷
②孔食・すきま腐食
③粒界腐食
④応力腐食割れ(SCC)の要因
⑤水素脆性(HE)
⑥ガルバニック腐食(異種金属接触腐食、バイメタリック腐食)
⑦エロージョンコロージョン(摩耗腐食)
⑧大気腐食
2.腐食の分析・調査と評価試験
2-1. 腐食損傷の分析・調査
①形態観察
②腐食生成物分析
③破面解析
2-2. 腐食の評価試験
①腐食試験の目的と試験方法の選定
②腐食試験の種類
3.腐食予防技術
3-1. 耐食材料による予防・対策
①被覆防食・表面処理
②耐食鋼・ステンレス鋼
③非鉄合金
3-2. 環境制御
①温度
②化学成分
③流速など
3-3. その他
①応力軽減
②気防食
③防食設計・異種金属組合せ
■講演中のキーワード
金属腐食、錆、局部腐食、ガルバニック腐食、水素脆化、遅れ破壊、応力腐食割れ、孔食、すきま腐食、微生物腐食、電気防食
■受講された方の声【一部抜粋】
・金属腐食の要因解明に困っており、参加させていただきました。当日の質問にも丁寧にご対応頂き助かりました。
・金属腐食の基本の学習、分析方法の情報収集の為に参加させていただきました。金属腐食に関してまとまっていて良かったです。
・腐食のメカニズムについて、学ぶことが出来て良かったです。
・腐食の原因調査方法を知るために参加させていただきました。今日の内容を踏まえて、業務活用したいと思います。
などなど……ご好評の声を多数頂いております!
セミナー講師
独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)CCS・水素事業部 施設技術課 東 茂樹 氏
技術士(金属部門)
■ご略歴
1985年名古屋大学理学研究科化学修了、同年より住友金属工業㈱にて耐食鋼や防食技術等の研究、
2001年より住友金属テクノロジー㈱(現在日鉄テクノロジー㈱)にて金属材料の腐食試験・調査、に従事。2023年より現職。
■ご専門および得意な分野・ご研究
博士(工学)
■本テーマ関連学協会でのご活動
日本技術士会、日本鉄鋼協会、腐食防食学会の正会員。
セミナー受講料
1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料は、印刷物を郵送で1部送付致します。お申込の際はお受け取り可能な住所をご記入ください。
お申込みは4営業日前までを推奨します。
それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。
資料未達の場合などを除き、資料の再配布はご対応できかねますのでご了承ください。 - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
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