マイクロプラスチック問題の現状と関連企業の対応策及び解決策

マイクロプラスチックの課題は,生分解性プラスチックへの変更だけでは解決できません。
現況から学会,企業の対応策をまとめ,解決策を模索し,進むべき道を解説します!

セミナー趣旨

プラスチックは紫外線,波などの影響で劣化,微小化し,マイクロプラスチック,ナノプラスチックと変化します。極微小化したマイクロプラスチック,ナノプラスチックは空中に浮遊したり,生物に取り込まれたり,様々な動きをすることがわかってきました。本講義では,マイクロプラスチック,ナノプラスチック問題の現状と世界各国の動向からアカデミア,企業の対応策をまとめ,解決策を模索し,進むべき方向を解説します。

受講対象・レベル

プラスチック製造企業人
プラスチックを使用している企業人
プラスチック処理業者
環境管理,保全に携わっている企業
化学物質管理責任者
自治体職員
マイクロプラスチックの本質と怖さを理解しようとする人と,その処理法を開発しようとする人
SDGsに関心のある人

習得できる知識

知識:マイクロプラスチックの基礎知識,本質,現状,対処法,代替手段,環境化学
考え方:プラスチックについてこれからなすべき考え方

セミナープログラム

1.はじめに
・人類が生産したプラスチックは83億トン以上
・環境中に捨てられたプラスチックはマイクロ化(微小化),ナノ化する
・海に流れ出たプラスチックごみは推定年間800万トンで,それが外的要因(波や紫外線)で劣化,崩壊して微小化,陸から海に放出される時点で小さい細片状になっている問題(2017年国際環境保護連合報告書)と海底のマイクロプラスチック

2.マイクロプラスチックの定義
・公式の定義はないが,多くの場合5mm以下,マイクロは10-6m,さらに微小なナノメートルサイズのプラスチックも存在する

3.マイクロプラスチックの種類
・一次マイクロプラスチック(研磨剤,レジンペレット等)
・二次マイクロプラスチック(大きなプラスチックが微小化)

4.マイクロプラスチックの発生源
・一次マイクロプラスチックの量は年間150万トン(推定)
 35% 合成繊維が洗濯などで小さく裁断されたもの
 28% タイヤが摩耗したくず(タイヤのマイクロプラスチック摩耗粉塵は有毒物質,例えばPCBを吸着しやすい)これが今後の大問題
・人工芝,都市塵,織物の摩耗
・スラッジの使用からの農業流出,排水,処理プラントのプラスチック部品
・カトラリー,歯ブラシ,カップ等の日常の家庭用品

5.マイクロプラスチックの分析
・FT-IRにより成分測定
・成分測定後,吸着している有毒物質の分析は,溶媒抽出し,シリカゲルカラムに通して不純物を取り除き,GC-MS分析
・添加剤を測定する場合は,溶出溶媒で抽出し,GC-MS分析
・起因物質に特定元素が含まれる場合は蛍光X線やSEM-EDS

6.マイクロプラスチックの問題点
・各国の事情
・マイクロプラスチックの有害物質吸着
・マイクロプラスチック中の有害添加物

7.マイクロプラスチックのリサイクルと課題
・マテリアルリサイクルとサーマルリカバリー
・3R(Reduce,Reuse,Recycle)
・生分解性プラスチックは分解に要する時間をコントロールでき難い

8.企業の対応
・化粧品業界(洗顔スクラブのマイクロプラスチック使用禁止→梅の種を粉砕し代替)等の対策
・タイヤ業界(海に流れ込むタイヤ摩耗粉塵)
・産業機械,電気電子メーカーにおける対応
・他

9.新たな挑戦
・酵素内包生分解性マイクロプラスチックの開発など
・植物由来繊維

10.最後に
・持続可能な環境のために(SDGs)

◎ 質疑応答

セミナー講師

林 誠一 氏
林技術士事務所 所長
技術士:化学部門

略歴
1972年 東京工業大学大学院博士課程修了(工学博士)
1972年 東京工業大学工学部助教(~1982年)
1973年 アメリカ オハイオ州立大学博士研究員(~1975年)
1982年 日本化薬(株)入社(~2004年)
1993年 技術士(化学部門)登録
2004年 林技術士事務所開設 所長 現在に至る
2011年 日本技術士会化学部会長(~2014年)
2016年 NITE(製品評価技術基盤機構)客員調査員(~2017年)
2017年 化学物質管理士登録
現 日本技術士会化学部門 化学物質管理研究会 会長
(一般社団法人)化学物質管理士協会 代表理事

著書
これからの化学物質管理~広がりゆく化学物質管理の裾野~
化学工業日報社(2020年9月発行)
製造業における化学物質の環境・安全管理の手引
新日本法規出版(2023年6月発行)共著

セミナー受講料

25,000円(消費税込)※テキスト代を含みます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

25,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   環境マネジメント   分析・環境化学

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