☆ 流路の破断・閉塞を防ぐ、装置の選定や条件設定での留意点とは?
☆ スケールアップでのトラブル事例・対策、ナンバリングアップ時の運転状態推定・監視の手法

セミナープログラム

【10:30~12:30】
【第1部】 フローマイクロリアクターのスケールアップと流路破断・閉塞対策

 味の素(株) アミノサイエンス事業本部 バイオ・ファイン研究所 バイオソリューション研究所
 バイオソリューション工業化室アミノ酸グループ 研究員 遠藤裕太 氏
 
【講座主旨】
フローマイクロリアクターは、混合、温度制御、精密な滞留時間制御に優れたデバイスであり、従来のバッチ式反応器では困難だった反応や制御を可能にしてきた。ラボスケールでは、多様な反応について多くの報告がある一方で、実用化へ向けたスケールアップについては、情報が少ないのが現状である。
フローマイクロリアクターの基本的な特徴 (高速混合、高速伝熱、滞留時間精密制御) についての説明、適用先の例や異相系への適用、演者が実施した実例での経験を交えながら、装置や各種パーツの選定や検討時に注意すべきこと、さらによく起こるトラブルや、ソフト面およびハード面からの解決策についても紹介したい。
特に、フローマイクロリアクターでは細い流路や複雑な形状のミキサーを用いる事が多くあるがゆえに、主たるトラブルの一つが流路の閉塞である。本セミナーでは、閉塞の生じやすい禁水性試薬を用いるアニオン重合反応の実例などを通じ、ソフト面・ハード面で行った対策、設備選定、オペレーションを実施したか、紹介する。

【講座内容】
1.フローマイクロリアクターとは
 1.1 フローマイクロリアクターの基礎知識
 1.2 マイクロ空間での混合、熱交換、物質移動
 1.3 フローマイクロリアクター技術の適用先
  ・合成、乳化、微粒子、抽出など
  ・異相系への適用
 1.4 当社の連続製造へ向けた取り組み

2.ラボからパイロット・製造への展開
 2.1. フロー合成で起こりやすい不具合
 2.2. 制御パラメータの多さ
 2.3. 送液不良
 2.4. 混合不良
 2.5. 除熱不良
 2.6. ミキサ、リアクタの閉塞

3.フロー合成プロセスの構築とトラブル対策
 3.1. フロー合成で起こりやすい不具合と対策
 3.2. フローリアクターでの製造に向けた留意事項
 3.3. ポンプの選定
 3.4. ミキサ、リアクタの選定
 3.5. センサ、計装類の選定
 3.6. 運転システムの概要
 3.7. 洗浄の重要性
 3.8. 数値流体力学 (CFD) によるシミュレーション

4.フローマイクロリアクタ適用の事例紹介
 4.1. リビングアニオン重合プロセススケールアップ

5.ラボ検討時のTips
6.今後の展望および装置や設備のサプライヤー紹介

【質疑応答】



【13:15~14:45】
【第2部】 インライン・センシング技術と状態推定・異常検知技術

 京都大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 助教 殿村 修 氏
 
【講座主旨】
マイクロメートルやミリメートルの流路(空間)を活用したフロー合成/分離プロセスの開発において,流体の動きや温度,圧力,流量,濃度などの状態量を計測・制御することが重要である。本講演では,フロー合成/分離プロセスで用いられる計測・制御器や検出器を紹介しながら,それらを用いた,流体混合システム設計,固定床コンパクトリアクタ内流動様式推定,T字流路内セグメント流のセグメント長さ予測のためのモデリング,といった研究成果を紹介する。また,数値流体力学(CFD)モデルに基づく流動予測とその高速化,カルマンフィルタ理論の応用による管型リアクタの状態推定に関する研究成果を紹介する。さらに,プロセスの量産化を図るために採用されるナンバリングアップ(並列化)にも着目する。その際,全ての装置を計測し制御することは非現実的であると考え,少ない計測・制御器を用いた流体分配制御,運転状態推定・監視の手法について研究した成果を紹介する。

【講座内容】
1.はじめに

2.マイクロ流体デバイスのインライン・センシング技術
 2.1 計測・制御器(流体の動き,流量,温度,圧力など)
 2.2 検出器(紫外・可視,赤外,蛍光など)
 2.3 応用例
  2.3.1 送液ポンプ脈動性計測と混合システム設計
  2.3.2 固定床コンパクトリアクタ内流動様式推定
  2.3.3 気液セグメント長さ予測モデリング
  2.3.4 その他

3.状態推定・異常検知技術
 3.1 状態推定
  3.1.1 CFDに基づく流動予測とその高速化
  3.1.2 カルマンフィルタ理論の応用
  3.1.3 その他
 3.2 並列化と異常検知
  3.2.1 流量シフトの検出・診断
  3.2.2 液液/気液セグメント長さの推定
  3.2.3 その他

4.まとめ

【質疑応答】



【15:00~16:30】
【第3部】 3Dプリンタ・シミュレーション・機械学習を活用したフローリアクター

国士舘大学 理工学部 教授 博士 (工学) 富樫 盛典 氏
 
【講座主旨】
フローマイクロリアクターの基礎知識と実験方法、およびマイクロリアクター適用のポイントとその最新動向だけではなく、3Dプリンタによるデバイス作成、プロセス革新の具体的事例、さらにはシミュレーション、機械学習を活用した最新技術についての知識を得ることができる。企業での実用研究と大学での教育の経験を生かして、フローマイクロリアクター技術の基本をわかりやすく紹介します。

【講座内容】
1.フローマイクロリアクターを用いたフロー合成の基礎知識

 1.1 フローマイクロリアクターの種類と特徴
 1.2 マイクロ化のメリット・デメリット
 1.3 フローマイクロリアクターを用いた実験方法
 1.4 フローマイクロリアクターが適用可能なプロセス

2.3Dプリンタを活用したフローマイクロリアクターの製作
 2.1 流路の加工方法
 2.2 接合方法
 2.3 3Dプリンタを活用したフローマイクロリアクターの製作

3.シミュレーションを活用したプロセス革新の予測技術
 3.1 シミュレーション活用の重要性
 3.2 液相反応プロセスのシミュレーション
 3.3 液相反応プロセスでのプロセス革新事例
 3.4 乳化プロセスのシミュレーション
 3.5 乳化プロセスでのプロセス革新事例

4.機械学習を活用したプロセス革新の予測技術
 4.1 機械学習の基本
 4.2 パーセプトロン
 4.3 ニューラルネットワーク
 4.4 機械学習を活用した反応速度定数の予測

【質疑応答】

セミナー講師

【第1部】味の素(株) アミノサイエンス事業本部バイオ・ファイン研究所 バイオソリューション研究所
     バイオソリューション工業化室 アミノ酸グループ 研究員 博士 (薬科学) 遠藤 裕太 氏

≪略歴・活動など≫

専門分野
プロセス化学、天然物化学

略歴
2013年 味の素株式会社入社
2013年 同 バイオ・ファイン研究所配属

活動
近畿化学協会 合成部会 フロー・マイクロ合成研究会 幹事 (2023年1月~)

著書
1)「化学プロセスの設計とスケールアップ、連続化技術」内第8章第4節、技術情報協会, 2019, 515-526.
永木愛一郎, 中原祐一, 遠藤裕太 (共著)
2)「撹拌技術とスケールアップ、シミュレーションの活用」内第2章19節、技術情報協会, 2021, 189-195.
遠藤裕太


【第2部】 京都大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 助教 殿村 修 氏 
【第3部】 国士舘大学 理工学部 教授 博士 (工学) 富樫 盛典 氏

セミナー受講料

聴講料 1名につき60,500円(消費税込/資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円〕

受講について

  • 本講座はZoomを利用したLive配信セミナーです。セミナー会場での受講はできません。
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    お申込みが直前の場合には、開催日までに資料の到着が間に合わないことがあります。ご了承ください。
  • 当日は講師への質問をすることができます。可能な範囲で個別質問にも対応いたします。
  • 本講座で使用される資料や配信動画は著作物であり、
    録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止いたします。
  • 本講座はお申し込みいただいた方のみ受講いただけます。
  • 複数端末から同時に視聴することや複数人での視聴は禁止いたします。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。
  • 部外者の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

60,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   ナノマイクロシステム   CAE/シミュレーション

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

60,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

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全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   ナノマイクロシステム   CAE/シミュレーション

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