予測モデルの構築、記述子の検討、データ収集の工夫や実験研究者による配合設計との比較まで、高分子ならではの課題解決に役立ちます! 

セミナープログラム

【10:00-11:30 】1.ベイズ最適化など機械学習を用いた実験条件の探索と効率的なポリマー設計への応用 

 (株)レゾナック 計算情報科学研究センター 情報・インフォマティクスグループ チーフリサーチャー 博士(理学) 南 拓也 氏   

【習得できる知識】
 熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂における機械学習の適用方法
 予測モデル構築、ベイズ最適化、網羅探索など、試行回数の評価方法。                 

【講演趣旨】
 ポリマー系におけるマテリアルズインフォマティクス(MI)の活用事例として、ベイズ最適化による熱可塑ポリマー探索と、熱硬化性フィルムの原料配合の最適化の研究事例を紹介する。量子化学計算と機械学習との比較や、構築した予測モデルの適用限界、実験研究者による樹脂配合設計との比較についても言及する。


1.マテリアルズインフォマティクス(MI)について
 1.1 はじめに
 1.2 材料開発における課題

2.活用事例1:熱可塑性ポリマーの効率的設計
 2.1 予測モデル構築
 2.2 機械学習と計算科学との比較
 2.3 ポリマー物性予測と適用限界
 2.4 ベイズ最適化による効率的なポリマー設計

3.活用事例2:熱硬化性樹脂フィルムの設計
 3.1 原料配合系の予測モデル構築
 3.2 原料配合の探索
 3.3 熟練研究者と機械学習モデルとの比較

4.まとめ

 【質疑応答】



【12:10-13:40】2.機械学習による有機化合物の屈折率、誘電率等の予測モデル作成

 和歌山県工業技術センター 化学技術部長 博士(理学) 森 一 氏  

【習得できる知識】
 機械学習による各種物性値の予測モデル作成の流れ
 良いモデルが得られない場合の対応の基礎知識

【講演趣旨】
 既存ソフトウェアを活用した機械学習による学習モデル作成について、高分子材料に関連した物性値の作成例も含め解説させて頂きます。 また良いモデルが得られない場合の対応として、説明変数の検討やデータ収集の工夫などについても解説させていただきます。


1.はじめに (計算化学関連に関する取り組み等紹介)
2.機械学習の実施
 2-1 機械学習QSPRソフトウェアについて
 2-2 学習手法について(グラフ畳み込みネットワーク等)
 2-3 実際の操作の流れ

3.各種物性値の予測モデル作成
 3.1 沸点の予測モデル作成(一連の流れの紹介)
 3.2 引火点の予測モデル作成(データ追加による改善例)
 3.3 密度の予測モデル作成(記述子によるモデル作成例)
 3.4 屈折率の予測モデル作成(転移学習によるモデル作成例)
 3.5 比誘電率の予測モデル作成−1(データ分類の工夫)
 3.6 比誘電率の予測モデル作成−2(各種記述子の検討)
 3.7 比誘電率の予測モデル作成−3(計算化学の活用例)

4.物性データが揃わない際の検討例
 4.1 屈折率予測モデル
 4.2 高屈折率化合物のデータ予測
 4.3 理論計算を活用した追加データの作成
 4.4 追加データを活用した高屈折化合物対応予測モデル作成

【質疑応答】



【13:50-15:20】3.分子動力学シミュレーション自動化ライブラリRadonPyによる高分子物性データベースの開発とSim2Real転移学習

 情報・システム研究機構 統計数理研究所 先端データサイエンス系 マテリアルズインフォマティクス研究推進センター  助教  博士(工学)  林 慶浩 氏

【習得できる知識】
  マテリアルズインフォマティクス・分子動力学シミュレーション・機械学習・転移学習

【講座趣旨】
 分子動力学シミュレーションによる高分子物性自動計算ライブラリRadonPyを用いた高分子物性データベースの開発と、この大量のシミュレーションデータを少量の実験データへ転移させる機械学習の方法論であるsimulation-to-real(Sim2Real)転移学習について紹介する。高分子材料においてSim2Real転移学習を実践するためには、simulationデータを簡便に生産可能にする必要がある。このために、煩雑かつノウハウの多い高分子の分子動力学(MD)計算を完全自動化できるPythonライブラリRadonPyを開発した。このRadonPyを用い、産学連携により70,000件を超える計算データを生産し、PoLyInfoの実験データに対してSim2Real転移学習を行った。このSim2Real転移学習において、計算データ数に対する実験データの予測誤差のスケーリング則を観測した。このスケーリング則から、計算データ数の追加に対する予測性能改善の見積もりや、計算・実験データ双方のスケーリングカーブから計算と実験データの価値の比の定量化を行った。これらの結果は、データベースに必要なデータ数や、実験・計算データのどちらを優先して追加すべきかといった意思決定に活用する。

1.高分子のマテリアルズインフォマティクスにおける課題
 1.1 高分子データベースの乏しさ
 1.2 高分子の分子動力学(MD)シミュレーションの困難さ

2.高分子物性自動計算システムRadonPyの開発

3.産学連合体による高分子物性データベースの開発
 3.1 オープンデータベースの意義
 3.2 高分子の大地図・物性同時分布
 3.3 データベースAPIの構想

4.シミュレーションと現実系を繋ぐSim2Real転移学習
 4.1 Sim2Real転移学習による計算-実験値のキャリブレーションモデル
 4.2 シミュレーションデータ数に対する汎化性能のスケーリング則の観測
 4.3 シミュレーション・実験データ数に対する二次元スケーリング則
 4.4 実験固有の因子を陽に考慮したアフィン転移学習

5.自動MD計算と多目的ベイズ最適化を組み合わせた分子設計アルゴリズム
 5.1 光学用高分子材料の自動探索

【質疑応答】

 



【15:30-17:00】4.マテリアルズ・インフォマティクスと生成AIを応用した高分子分離膜の設計

 工学院大学 先進工学部 環境化学科 教授 工学博士 高羽 洋充 氏

【講座趣旨】
 膜分離法は省エネルギーであることから、溶液分離やガス分離などへの応用が期待されている。しかしながら、実用化においては、用途や操作条件に適した膜材料を選定していくことが必要である。例えば、二酸化炭素分離膜では二酸化炭素選択性と透過性にはトレードオフの関係があり、その限界を超える分離性能をもつ膜の開発が目指されている。しかしながら、新しい高分子材料を膜化し試験を行うには時間が掛かる。そこで、機械学習法を活用し、膨大な実験データの網羅的な取り扱いから、効率的な材料探索を行うことが期待される。近年、機械学習を用いて所望の物性をもつ材料を逆設計するマテリアル・インフォマティクスが注目されている。本発表では、生成モデルなどの機械学習を利用した逆設計の手法を紹介し、分離膜構造の理論設計への応用例について紹介する。

1.膜分離におけるマテリアルズ・インフォマティクス
 1.1 膜分離工学とMIの概要
 1.2 データベース
 1.3 応用事例

2.生成AIによる膜構造の創製
 2.1 生成AIの原理
 2.2 高分子構造の生成モデル
 2.3 データベースと生成AI
 2.4 適応事例

3.二酸化炭素分離用の高分子膜構造の設計
 3.1 二酸化炭素膜分離の概論
 3.2 生成AIによる二酸化炭素分離用膜構造の創製
 3.3 二酸化炭素回収コスト計算への応用事例

4.ファウリング耐性をもつ高分子膜構造の設計
 4.1 膜分離におけるファウリング
 4.2 機械学習によるファウリング耐性の評価
 4.3 生成AIによるファウリング耐性をもつ高分子膜構造の提案

【質疑応答】

セミナー講師

1. (株)レゾナック 計算情報科学研究センター 情報・インフォマティクスグループ チーフリサーチャー 博士(理学) 南 拓也 氏

2.和歌山県工業技術センター 化学技術部長 博士(理学) 森 一 氏

3.情報・システム研究機構 統計数理研究所 先端データサイエンス系 マテリアルズインフォマティクス研究推進センター  助教  博士(工学)  林 慶浩 氏

4.工学院大学 先進工学部 環境化学科 教授 工学博士 高羽 洋充 氏

セミナー受講料

1名につき 66,000円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕

受講について

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開催日時


10:00

受講料

66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   マテリアルズインフォマティクス/ケモインフォマティクス   機械学習・ディープラーニング

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