
熱可塑性エポキシ樹脂のメカニズムと物性および応用例
■本セミナーの主題および状況
→エポキシ樹脂は、化学的に硬化する性質を持つ熱硬化性のポリマー材料であり、液体または粘土状の形態で提供され、特定の硬化剤と混合することで、堅固で耐久性のある固体材料に変化します。強度と耐久性に優れ、接着剤、コーティング材料、電子機器の封止や絶縁材料等に使用されます。また、硬化するまでの時間が調節でき、硬化剤の種類や配合によって異なる特性を持つ材料を作成できるため、多くの異なるアプリケーションに適した材料として広く利用されています。
■注目ポイント
★常識を覆した熱可塑性エポキシ樹脂のメカニズム・物性・多様性およびCFRP などへの応用例を詳解!
セミナー趣旨
~常識を覆した熱可塑性エポキシ樹脂のメカニズム・物性・多様性およびCFRP などへの応用例を詳解~
エポキシ樹脂、硬化前は液状あるいは半固形状態で存在し、硬化後は硬く固化する熱硬化性樹脂の代表格です。
使用時のハンドリングの良さ、硬化後の堅牢さなど、特徴的な特性を有するエポキシ樹脂は接着剤や半導体封止材、塗料など幅広い分野で活躍しております。
そのエポキシ樹脂が熱可塑性に?どうなっているのでしょうか?
ハンドリングはそのままに、それでいて、硬化後は脆くなく、高い靭性を有するのが熱可塑性エポキシ樹脂の特徴です。
この常識を覆した熱可塑性エポキシ樹脂について、そのメカニズム、特徴的な物性、多様性、そしてCFRPなどへの応用例、更には思わぬ展開になったこと、技術承継の大切さなどについて解説したいと考えております。
【キーワード】
熱可塑性 エポキシ樹脂、現場重合、CFRP、超強力接着剤、常識を覆す
【講演のポイント】
実験や試作、技術系社員の教育も行う技術コンサルタント
材料や素材の研究開発、製造工程、特許に関する企業の困りごとを丁寧にサポート。専用のラボラトリーで実証実験や試作も行っており、少量からでも対応が可能です。技術系社員の育成、技術承継も相談に応じます。
習得できる知識
・熱可塑性エポキシ樹脂とは?
・エポキシが熱可塑性となるメカニズム
・特徴的な熱可塑性エポキシ樹脂の物性
・CFRPなど熱可塑性エポキシ樹脂の応用について
・熱可塑性エポキシ樹脂の現在と今後について
・技術承継の大切さ
セミナープログラム
1.熱可塑性エポキシ樹脂の基礎
1-1 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
1-2 熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂の長所
1-3 従来の熱硬化性エポキシ樹脂について
1-4 エポキシ=熱硬化性樹脂のはずが…
1-5 新しい樹脂のコンセプト
1-6 熱可塑性エポキシ樹脂の形態
1-7 熱可塑性エポキシ樹脂の重合機構
1-8 熱可塑性エポキシ樹脂硬化物の分子量
1-9 原料樹脂の温度-粘度の関係
1-10 熱可塑性エポキシ樹脂の優れた機械的強度
1-11 接着試験
1-12 透明タイプ
1-13 着色試験
1-14 可塑剤の導入
1-15 熱可塑性エポキシ樹脂の歴史
2.熱可塑性エポキシ樹脂の応用
2-1 FRPへの応用
2-2 CFRPの曲げ強さ
2-3 カーボン繊維との優れた密着性
2-4 動的粘弾性
2-5 リサイクル・リユース性について
2-6 熱可塑性エポキシ樹脂の耐薬品性
2-7 FRPの二次加工性
2-8 ケース部品の試作
2-9 医療・福祉用品への展開
2-10 樹脂の高耐熱化
2-11 熱可塑性エポキシ樹脂、自動車メーカーに採用される!
2-12 自動車用安全部材として
2-13 UD方式の検討
2-14 高い繊維含有率
2-15 層間せん断試験
2-16 発展し続ける熱可塑性エポキシ樹脂
【質疑応答】
セミナー講師
合同会社 播羊化学研究所 代表社員 辻村 豊 氏
【経歴】
・大阪府枚方市出身
・1991年 京都工芸繊維大学 繊維学部高分子学科卒業
・1994年 大阪大学大学院 工学研究科 修士課程修了
・1997年 大阪大学大学院 工学研究科 博士課程修了 博士号取得(応用化学分野)
<職務経歴概略>
① 京都工芸繊維大学ベンチャーラボラトリー非常勤研究員(1997年1月~1998年2月)
コラーゲンフィルムの伸縮・回復挙動の研究。ゲル挙動の理論的な説明に成功。
② 大日本スクリーン製造株式会社 開発部員(1998年3月~1998年9月)
Siウェハー上に銅メッキ配線を施す開発に従事し特許も出願。
③ 産業技術総合研究所関西センター 科学技術特別研究員(1998年10月~2002年2月)
硝酸イオン等アニオンイオン選択性センサーの研究を行い、シルセスキオキサン膜を用いた構成のイオン官能膜半導体化学センサーの開発に成功し特許も出願。
④ 株式会社ナード研究所 研究員(2002年2月~2003年10月)
カルド型ポリイミド製造の高効率化を検討。生産工程を2/3に減らすことに成功。
紫外光硬化性導電性膜の開発、医療用超吸水性ポリマー微粒子の開発、カテキンを利用した天然素材利用毛染め剤の開発等に従事。
⑤ ナガセケムテックス株式会社 研究開発部員(2003年11月~2016年3月)
シルセスキオキサンを用いた透明封止材の開発で耐光性に優れた樹脂開発に成功。
熱可塑性エポキシ樹脂の研究において、衝撃特性やリサイクル性に優れた複合材の開発に成功し特許も出願。
チタン系高屈折材料の開発、イソシアネート系超高速重合性ポリマー、ポリ乳酸系高配向性ポリマーの開発、銀ナノインクの開発にも従事。
機器類の使用および管理方法を独自で検証し、質の高い運用方法を見出す。
⑥ 合同会社 播羊(ばんよう)化学研究所 代表社員(2017年3月~)
兵庫県相生市内の過疎地にあった古民家をリノベーションして実験室等を開設。
セミナー受講料
【1名の場合】39,600円(税込、資料作成費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。
受講料
39,600円(税込)/人