【中止】<プラスチックの廃棄物/再資源化処理を踏まえた>生分解性プラスチックの基礎と材料設計・製品設計のポイント

持続的な資源循環型社会に向け、いよいよ本格的な実用化時代を迎える生分解性プラスチック!
技術・市場開発・法規制等の現状を展望しながら、具体的な製品設計・成形加工や用途展開の指針を提示します! 

セミナー趣旨

  石油由来の非生分解性プラスチックが本格的に使用され始めて60有余年、その生産量は開発途上国を含めて年々増大し、今やその廃棄物物処理能力は限界に達する一方、自然生態系を破壊する海洋プラスチック汚染問題などの深刻な事態を招来している。
  しかるに、生分解性プラスチックは1980年代の黎明期から40年以上が経過しているにもかかわらず、その普及は遅々としているかのように見受けられる。
  その主たる要因の一つに、生分解性プラスチックが関係する地球環境・資源・廃棄物問題における幾多の誤解や偏見、虚偽やミスリード等々が未だ巷に横行していることが背景にあるように思われる。
  今後、いよいよ本格的な生分解性プラスチック実用化時代を迎える中で、本講では先ず地球環境・資源・廃棄物問題における正しい理解を出発点とし、その上で持続可能な開発目標(SDGs)としての生分解性プラスチックの意義と果たす役割を再確認し、今後期待される応用展開を技術・市場開発の現状と将来を展望しながら実際の具体的な製品設計の指針を提示する。
  産学両分野で約35年間、基礎研究から技術・事業開発までの実績を有する世界的第一人者による渾身のセミナーである。

受講対象・レベル

・生分解性プラスチックの基礎知識を習得したい初級者から
・最先端技術を駆使して製品開発に繋げたい上級者まで

習得できる知識

・海洋プラスチック汚染の実態、正しい理解とその抜本的解決策
・地球環境保全と資源循環型社会に向けての世界の法規制動向
・生分解性プラスチックの分類、基本特性と様々な環境下における生分解挙動/機構
・生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計と成形加工技術
・生分解性プラスチックの製品設計と用途・市場開発動向

セミナープログラム

1.地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
 1.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  1) 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
   ・国連環境計画「生分解性プラスチックは役に立たない」、それウソ?or ホント?
   ・海水中の分解速度が速い生分解性素材ほど海洋資材に適していない!?
   ・紙製ストローもマイクロチップの塊り!?
  2) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
  3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
   ・目先のPETボトルのリサイクルより地球的規模での物質循環に目を向けよ!
 1.2 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
  1) 日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
  2) カーボン・フットプリント―ライフサイクルアセスメント(LCA)による環境負荷の客観的・定量的評価
   ・LCAに基づかない感覚的・恣意的な「環境に優しい」はもはや通用しない!
 1.3 持続的な資源循環型社会の建設のために
  1) 欧米グリーンガイド指針
   ・欧米の環境先進諸国では、ポイ捨てを助長する生分解性表示は禁止!?
  2) 使用済生分解性プラスチックの再資源化(リサイクル)方法
   ①バイオリサイクル
   ・堆肥化(好気性下)…肥料、土壌改良剤
   ・バイオガス化(嫌気性下)…ボイラー、生ごみ発電
   ②マテリアルリサイクル…耐久性タイプは既存石油系プラと同様に可能
   ・生分解性プラスチックは廃棄物処理ではなくて、再資源化処理である!
  3) プラスチックのCompostable(堆肥化可能)認証基準
    ―EN13432 by OK Compost or Din Certco, ASTM D6400 by BPI
 1.4 世界の法規制動向
   ・欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、
            仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を生分解性に切り替える法規制を制定!
 1.5 プラスチック廃棄物処理問題の基本的な考え方
   ・ごみ問題の原点は発生源抑制、生分解性プラも使用環境下での
            製品寿命(使用・奉仕期間)の確保が第一義的に重要、分解速度の速いものはごみの拡大再生産!
2.生分解性プラスチックの基本特性と生分解挙動/機構から導かれる製品設計
 2.1 代表的な生分解性プラスチックの分類と基本特性
  1) 硬質タイプ―ポリ乳酸(PLA):Tg/Tm≒58℃/175℃
   ・生分解性が求められるバイオリサイクル材と長期耐久性構造材料の両面展開可能
   ・生分解性プラスチックの基幹素材PLA、世界的に新設・増産計画が相次ぐ、2年後には約50万トン/年の生産能力へ
  2) 軟質タイプ
   ①ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT):Tg/Tm≒-35℃/115℃
   ②ポリブチレンサクシネート(PBS、PBSA):Tg/Tm≒-47~-35℃/84~115℃
  3)その他…微生物ポリエステル(PHBV、PHBH)、PGA、デンプン系
   ・過去40年間、数多くの企業が微生物産生ポリエステルへの参入と撤退を繰り返し、
            未だ本格的に工業化されない核心的理由とは?
 2.2 生分解機構の分類
  1) 酵素分解型―surface erosion(表面から溶かされていく)
  2) 非酵素分解型―bulk degradation(全体的に壊されていく)
 2.3 PLAの特異的な2段階2様式の生分解機構…分解制御機構内臓
   ・PLAが生分解性と耐久性の両面展開が可能な理由を生分解機構から理解する!
 2.4 様々な環境下における生分解挙動
  1) 自然環境下―土壌中、海水中
  2) 再資源化(バイオリサイクル)工程…堆肥化又はバイオガス化
   ・理想の分解速度は使用過程の自然環境下では遅く再資源化工程では速いこと!
 2.5 安全衛生性と抗菌・防カビ性
   ・生分解性プラでありながら、卓越した抗菌・防カビ性を発現する奇跡の素材PLA!
 2.6 目的・用途別の製品設計―素材の選択と材料設計
  1) 自然環境下で短期間(1年前後)使用の農林・園芸資材
  2) 自然環境下で長期間(3~5年)使用の農林・園芸・土木・水産資材
  3) 使い捨て食器具、食品容器・包装材、生活雑貨・衛生資材
  4) 通常環境下で長期間(3~5年)使用の生活雑貨、産業資材
  5) 通常環境下で超長期間(5~10年)使用の耐久性構造材料
   ・先ず、製品寿命(使用・奉仕期間)の確保が第一義的に重要、その上で・・・。
3.生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計技術
 3.1 基幹素材としての第二世代ポリ乳酸―高L組成PLA (high %L PLA)、%D<0.5%
  1) D体共重合比(%D)が結晶化速度や熱的・機械的特性に及ぼす影響
  2) 高L組成PLAの改良効果―耐熱性、寸法安定性、強度、成形加工性
   ・ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(sc-PLA)が実用化されない理由とは?
 3.2 高性能・高機能化材料設計技術の進展
  1) 耐衝撃性―可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
  2) 耐熱性(透明耐熱性)―分散型核剤(溶解型核剤)や結晶化促進剤
  3) 耐久性(耐湿熱性)―加水分解抑制剤による分解速度の制御
   ・PLAの熱的・機械的特性は既に汎用プラスチックと同等以上のレベルを達成!
  4) 成形加工性…マルチ機能改質剤ほか
4.生分解性プラスチックの成形加工技術と用途・製品・市場開発動向
 4.1 成形加工分野
   ―繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、
            真空成形、射出成形、発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)、ブロー成形
 4.2 用途・製品・市場開発動向<多数の製品写真で説明>
  1) 食品容器・包装材
     ―青果物容器、使い捨て食器具、インスタントラーメン容器、紙コップ、ティバッグ、生ゴミ袋、生ごみ水切りネット
  2) 農林・土木・園芸・水産資材
     ―農業用マルチフィルム、防草・植栽シート、
              バーチカルドレインシート、植樹ポット、シェ-ルガス採掘目止材、養殖筏浮き
  3) 生活・衛生・雑貨
     ―レジ袋、エコバッグ、タオル、ワイパー、インテリア、シュリンク包装・ラベル、封筒窓貼り、ブリスターパック
  4) 長期使用耐久性製品
     ―電子機器筐体・部品、自動車内装材、リターナブル食器具、ヘルメットライナー、3Dプリンター用モノフィラメント
5.質疑応答

セミナー講師

 元 京都工芸繊維大学 特任教授 高分子学会フェロー 工学博士  望月 政嗣 先生

■ご専門
高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、
繊維・不織布の構造と物性
■ご略歴
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、
             京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。
             この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。
             繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。
■主な著書
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)
「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)
「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)
「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数。

セミナー受講料

【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名49,500円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき38,500円

【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】1名55,000円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき44,000円

*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

  • 配布資料は、印刷物を郵送で送付致します。お申込の際はお受け取り可能な住所をご記入ください。
    お申込みは4営業日前までを推奨します。
    それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
    テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。
  • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
  • Zoomを使用したオンラインセミナーです
    →環境の確認についてこちらからご確認ください
  • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
    →こちらをご確認ください

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開催日時


10:00

受講料

49,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   高分子・樹脂加工/成形   汚染物質排出抑制技術

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