透明アンテナの作成技術・設計・解析および各種部材の開発動向

~ 透明導電性フィルム、グラフェン、シクロオレフィンポリマーの応用と活用~

★透明導電性フィルムの種類とその作成方法などを説明し、それらが透明アンテナ等に応用可能であることを説明!

★タッチパネルに設置する透明アンテナを紹介するとともに、その設計・解析について解説!
★グラフェンの光学的透過率と電気伝導特性の評価法などを解説した上で、透明アンテナ材料としてのグラフェンの魅力と既存の透明導電膜との違いについて解説!

★透明性・低吸湿性・低複屈折性・耐熱性を備え精密成形しやすい樹脂である「シクロオレフィンポリマー」を紹介!

★また、「シクロオレフィンポリマー」の用途展開例として、光学レンズ(スマホ、車載)、医療用途、LCD・OLED向け光学フィルム、今後成長が期待されるフレキシブル用途や高周波用途向けの開発品について紹介!

セミナープログラム

【第1講】 透明導電性フィルムの開発と透明アンテナへの応用

【時間】 11:00-12:00

【講師】NRI / 静岡大学 代表 / 客員教授(元㈱タッチパネル研究所 開発部長 工学博士) 中谷 健司 氏

【講演主旨】
透明導電性フィルムの用途ではタッチパネル用途が最大だが、静電容量用タッチパネル向けの導電性フィルムでは低抵抗化が要求され、新しい導電性フィルムが提案されている。
これらの低抵抗のフィルムは透明アンテナ用途へ使用可能である。本講座では透明導電性フィルムの種類とその作成方法などを説明し、それらが透明アンテナ等に応用可能であることを説明する。

【プログラム】

  1. 透明導電性フィルムの種類と用途
    1. 透明導電性フィルムの種類
    2. 透明導電性フィルムの抵抗と用途の関係
    3. 透明導電性フィルムの市場
  2. 低抵抗透明導電性フィルム
    1. タッチパネルの用途と市場
    2. タッチパネル用透明導電性フィルムへの要求特性
    3. 可とう性,曲面の静電容量用タッチパネル用透明導電性フィルムの特性
    4. メタルメッシュ導電性フィルムの特徴と課題
    5. その他の金属系透明導電性フィルム
  3. アンテナへの応用
    1. 透明アンテナの利用例
    2. 透明アンテナに使用される透明導電性フィルム
    3. 透明アンテナに要求されるフィルム特性
  4. 5G等の通信用アンテナへの応用
  5. その他アンテナ用途

【質疑応答】

【キーワード】
透明導電性フィルム、ITO、銀ナノワイヤー、多層膜、ヒーター、5G、アンテナ、PDLC

【講演ポイント】
透明導電性フィルムの用途はタッチパネルが最大だが、その他の用途としてヒーターやアンテナなどの新しい用途が模索されている。本講座ではそのような用途開発の一端を示す。

【習得できる知識】
透明導電性フィルムの種類にどのようなものがあるか? 又 どの様な用途があるかを知る切っ掛けになる。


【第2講】 タッチパネル一体型透明5Gアンテナの設計と解析

【時間】 13:00-14:00

【講師】千葉大学 フロンティアメディカル工学研究開発センター 准教授 / 博士(工学)  高橋 応明 氏

【講演主旨】

5Gにより使用周波数がさらに増え、また、通信速度向上のためMIMO技術を取り入れるなど、アンテナの数を増やす必要がある。スマートフォンなど小型端末では、アンテナを設置するためのスペースが非常に限られており、そのため、タッチパネルにもアンテナを設置が迫られている。本講演では、タッチパネルに設置する透明アンテナを紹介するとともに、その設計・解析について解説する。

【プログラム】

  1. 背景
  2. 材質の電気特性
  3. アンテナ
    1. 小型端末用アンテナ
    2. タッチパネル用アンテナ
  4. シミュレーション
    1. FDTD法
    2. 解析モデル
  5. 実験
    1. 試作モデル
    2. 実験結果

【質疑応答】

【キーワード】
5G用アンテナ、透明アンテナ、タッチパネル、電磁界解析

【講演ポイント】
Society5.0により,ワイヤレス通信は欠かせないものとなっている.また,高速通信などを享受するためには,各種アンテナを端末に搭載する必要があるが,そのスペースには制約がある.そこで,ガラス面などを利用し,透明電極でアンテナの機能を持たせることで,この問題を解決する必要がある.さらに,スマートフォンなどの表示部をアンテナのスペースとして利用できれば,スペースの利用効率が高まる.しかし,表示部には,液晶やOLED,タッチパネルセンサなどの導体が極近傍にあるため,アンテナとして十分に機能しない.本講演では,タッチパネルをアンテナとして十分に機能させるための技術を紹介する.

【習得できる知識】
透明電極の高周波特性
小型アンテナの設計,解析手法


【第3講】 グラフェンを用いた透明アンテナの作製技術と性能向上のアプローチ

【時間】 14:10-15:25

【講師】青山学院大学 理工学部/教授 黄 晋二 氏

【講演主旨】
炭素原子1層の厚さを持つグラフェンを用いた透明アンテナ技術についてお話しします。グラフェンの特異な電気伝導物性と光学物性、その作製方法、グラフェンの光学的透過率と電気伝導特性の評価法などを解説した上で、透明アンテナ材料としてのグラフェンの魅力と既存の透明導電膜との違いについて解説します。また、我々が世界で初めて作製と動作実証に成功したCVDグラフェン透明アンテナの作製方法と特性、および最新の研究成果を紹介し、今後の研究開発動向についてお話しします。

【プログラム】

  1. グラフェンとは?
    1. グラフェンの構造
    2. グラフェンの特異な物性
    3. グラフェンの作製方法
    4. グラフェンの化学気相成長法(CVD)と転写技術
  2. IoT技術、5G技術において注目される透明アンテナ技術
    1. 既存の透明アンテナ技術
    2. 透明アンテナ材料としてのグラフェンの特徴
    3. グラフェンの電気物性と光学物性の評価法
  3. CVDグラフェンを用いた透明アンテナ
    1. 単層CVDグラフェンを用いた透明アンテナの作製と評価
    2. 積層と化学ドーピングによるグラフェンの低抵抗化技術
    3. 低抵抗化グラフェンを用いて作製した透明アンテナの作製技術
    4. 低抵抗化グラフェンを用いて作製した透明アンテナの特性(利得、放射効率など)
  4. まとめ:グラフェンのデバイス応用に関する今後の研究動向

【質疑応答】

【キーワード】
グラフェン、透明アンテナ、CVDグラフェン、透明導電膜、5G、IoT

【講演ポイント】
グラフェンは、2010年ノーベル物理学賞の対象となって以来大きな注目を集めていますが、現段階でも基礎研究が中心であり、実用からは縁遠い高級な材料と認識されています。講演者は「グラフェン透明導電膜の実用デバイス応用」という観点で研究開発を進めてきています。講演では、実用の観点からグラフェン透明導電膜の特徴について分かりやすくお話しします。

【習得できる知識】
グラフェンという材料の基礎、グラフェンの作製方法、透明導電膜としての特徴とその評価方法、グラフェンの透明アンテナ材料としての特徴、透明アンテナへの応用の実例などの知識が得られます。


【第4講】 シクロオレフィンポリマーの特性と透明アンテナへ基板への応用

【時間】 15:35-16:50

【講師】日本ゼオン株式会社 総合開発センターものづくりスタジオ/スタジオ長 摺出寺 浩成 氏

【講演主旨】
シクロオレフィンポリマーは透明性・低吸湿性・低複屈折性・耐熱性を備え精密成形しやすい樹脂である。用途展開例として、光学レンズ(スマホ、車載)、医療用途、LCD・OLED向け光学フィルムで既に上市しているものの紹介と、今後成長が期待されるフレキシブル用途や高周波用途向けの開発品について紹介する。

【プログラム】

  1. 日本ゼオンの会社概要と事業展開
  2. 非晶性シクロオレフィンポリマーについて(既存用途の説明)
    1. 特性
    2. 光学レンズ用途
    3. 医療用途
    4. 光学フィルム用途
  3. 結晶性シクロオレフィンポリマーについて
    1. 従来COPとの特性比較
    2. 高周波特性
    3. 高周波領域の伝送損失 基材比較
    4. フレキシブル性
  4. ものづくりスタジオについて(新テーマ創出活動)
    1. スタジオの取り組み(他社との共創テーマ探索)
    2. メタサーフェス反射板への取り組み

【質疑応答】

【キーワード】
1. シクロオレフィンポリマー
2. 低誘電率、低誘電正接
3. フレキシブル性
4. テラヘルツ

【講演ポイント】
光学・医療用途向けシクロオレフィンポリマーの重合、溶融押出、延伸、塗布、ナノインプリントなど、講演者はこれらの技術に直接従事した経験があり具体的な課題、展望についての紹介が可能。また、新テーマ創出活動中であり、様々な分野へ挑戦している。

【習得できる知識】
シクロオレフィンポリマーの基本特性と高周波特性

セミナー講師

  • 第1部  NRI / 静岡大学  代表 / 客員教授(元㈱タッチパネル研究所 開発部長 工学博士)  中谷 健司 氏
  • 第2部  千葉大学  フロンティアメディカル工学研究開発センター 准教授 / 博士(工学)   高橋 応明 氏
  • 第3部  青山学院大学  理工学部/教授  黄 晋二 氏
  • 第4部  日本ゼオン株式会社  総合開発センターものづくりスタジオ/スタジオ長  摺出寺 浩成 氏

セミナー受講料

【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


11:00

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

電子デバイス・部品   通信工学   炭素系素材

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開催日時


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55,000円(税込)/人

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全国

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キーワード

電子デバイス・部品   通信工学   炭素系素材

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