【中止】粉体・微粒子の表面処理と機能性ナノコーティング技術

粉体表面の性質と機能性ナノコーティングとその応用について解説!

セミナー趣旨

 粉体は様々な産業に利用されているが、粉体を含む材料でトラブルがあった場合には経験豊富な技術者がいないとなかなか解決しない。また、材料に粉体で新規機能を付与する場合も粉体分野での熟練度が必要とされる。これは粉体にはバルクの性質に加えて粒子の性質と表面の性質があるためで、それらの大まかな知識がないと現象を全体的に把握できないためだと思われる。
 表面に関する性質には表面積や細孔分布、表面に吸着した分子の状態、表面電荷および親水性・疎水性といった濡れに関する性質などがあり、それらがお互いに影響を及ぼし合っている。粉体は溶媒やポリマーなどに分散して利用する場合が多く、この粉体の分散にも表面が大きな影響を与えている。また、粉体を他成分と共存させると、粉体の触媒活性によって共存する他の成分に影響を与え、製品の品質を劣化させる場合がある。このような場合には表面処理を行うが、まず表面の触媒活性を消失させて、その後に分散性などの機能性を付与することが望ましい。粉体の表面処理というと古臭さを感じさせるが、精密なナノコーティングは「先端技術」の匂いの強いプロセスとなる。
 本講では粉体表面の性質とその表面を不活性化した後に機能性を付与する「機能性ナノコーティング」についてその応用も含めて述べる。

【キーワード】
粒子、粉体、表面、表面処理、表面改質、表面官能基、細孔分布、電荷、等電点、触媒活性、パルス反応、固体酸・塩基、酸化、光触媒、濡れ、分散、メカノケミカル、カップリング剤、ゾルゲル法、PVD、CVD、環状シロキサン、ナノコーティング、ヒドロシリル化

【講演ポイント】
メーキャップ化粧品には多種多様な粉体が使用されており、演者はこれらの粉体の表面を処理することで付加価値の高い製品を開発してきた。粉体の評価の仕方、表面処理の仕方など経験を含めて紹介する。

習得できる知識

産業で多く使用されている粉体・微粒子のバルク特性、粒子特性、表面特性を全体的に把握できる。また、粉体・微粒子の表面処理の考え方の基本が理解でき、粉体が配合されている製品のトラブルに対処できるようになる。

セミナープログラム

  1. 粉体とは何か
    1. 粉体の粒子的性質
      • 粒子の大きさ
      • 粒子の形
    2. 粉体の表面の性質
      • 表面積、細孔分布など
      • 表面官能基(水酸基)、電荷、等電点など
      • 濡れ、分散性など
    3. 粉体の触媒活性
      • 粉体表面の酸、塩基点とその簡便な測定法
      • 粉体の酸化、還元活性と熱測定を用いた粉体の油脂酸化測定法
      • 光触媒
  2. 粉体の表面処理
    1. 固相による表面処理
      • メカノケミカル反応、ナノ・ミクロン粒子複合化など
    2. 液相による表面処理
      • 還元法、ゾルゲル法、カップリング剤処理、ポリマー(シリコーン、フッ素系)処理など
    3. 気相による表面処理
      • プラズマ処理、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)など
  3. 機能性ナノコーティング
    1. あるがままの表面を利用した表面処理
      • 粉体そのものの活性によるプロピレンオキシド、スチレンなどの表面重合
    2. 環状シロキサンによるナノコーティング
      • ただシリコーンガスと接触させるだけの簡単な方法
      • 細孔を塞ぐことなく1nm以下の均一コーティング
      • ナノ薄膜の生成機構
      • 共存する成分を分解させない粉体の不活性化が実現
    3. ナノコーティングされた粉体の焼成
      • 酸化鉄、二酸化チタンの熱による結晶転移を抑制、焼結防止
      • 複合酸化物が生成しルイス酸が発現
    4. ナノコーティング膜への機能性基の付与
      • ヒドロシリル化反応でSi-H基を機能性基に変える
      • アルキル基の付加と分散性
      • アルコール性水酸基、イオン交換基などの付加
    5. 機能性ナノコーティングの応用
      • 化粧品への応用
      • 塗料への応用
      • 高速液体クロマトグラフィーへの応用

【質疑応答】

セミナー講師

福井技術士事務所 代表 日本化学会フェロー 工学博士/技術士(化学部門) 福井 寛 氏

【経歴】
1972年 広島大学 工学部 醗酵工学科 卒業
1974年 広島大学 大学院工学研究科 修士課程 修了
1974年 (株)資生堂 入社
工場、製品化研究、基礎研究(粉体の触媒活性および表面処理)などの研究に従事。CVD法による機能性ナノコーティング技術を開発し、新規化粧品用粉体および「高速液体クロマトグラフィー用カラム充填剤」に応用。
香料開発研究室長、メーキャップ開発センター長、素材・薬剤開発センター長、特許部長、フロンティアサイエンス事業部長、資生堂医理化テクノロジー社長などを歴任。
2010年 福井技術士事務所 設立
東北大学 未来科学技術共同研究センター 客員教授
東京理科大学 客員教授
大同大学 客員教授

【著作】
「きちんと知りたい粒子表面と分散技術」、日刊工業新聞社、2014(小林敏勝氏と共著)
「とことんやさしい化粧品の本 第2版」、日刊工業新聞社、2020
「とことんやさしい染料と顔料の本」、日刊工業新聞社、2016(中澄博行氏と共著)

【受賞】
1985年 色材協会 色材協会論文賞
1991年 色材協会 色材協会技術賞
1992年 日本化学会 化学技術賞
1995年 化粧品技術者会 優秀論文賞
2000年 化粧品技術者会 優秀論文賞
2012年 色材協会 Most Accessed Review Award
2020年 日本塗装技術協会 論文賞
2020年 JSCM Most Accessed Review Award

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   ナノ構造化学

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