
高周波/大電力時代の車載電子機器における対EMC設計のポイント
※日程が延期になりました。3/24(金)⇒ 6/15(木)
セミナー趣旨
最近の電子機器は高度情報化(高周波化)とパワエレ化が進み、ノイズを出す側も受ける側も広い周波数範囲のノイズ問題に対応せざるを得ない状況であり、将来的にもEMC対応設計は難しくなる一方です。この様な中にあって、電子機器の伝導流入出ノイズが多い、回路基板を金属筐体内に装着してもノイズ性能が良くならない、機器単独では顧客の規格に満足しても実車搭載するとEMC性能不足が判明等の事例が後を絶たず、また、これらは高周波ノイズの伝送に対する基礎的な配慮不足も多いと思われます。
ここでは上記を背景に基本に忠実であることを目指し、システムとコンポーネントにおける問題の切り分けから、回路基板の適切なアートワーク設計とデカップリングおよび金属筐体への装着時のグラウンドの取り扱い、シールド筐体の適切な形状、電磁波吸収体使用の是非、システム化に際したワイヤ、シールド線の配線処理・接地処理などについて多くの実製品事例や実験事例について述べます。なお、これら全てについて物理的な考察を加え、単なるハウツーの羅列ではなく応用の効く様な解説を行いたいと考えます。
高い周波数までの広範囲なノイズを考慮しなければならなくなった現代において、旧い規格やこれまでの(間違った)設計慣習に囚われているがために問題となっている部分を発見して頂ければ、尚更、幸甚に思います。
受講対象・レベル
・電気電子機器のEMC設計に関する知識を必要とする設計、および、品質保証の方。
・大学学部程度の電磁気学、電気回路学、高周波回路等の知識があることが望ましいが、その都度説明しますので、現役の技術者・研究者の方であれば理解可能と思います。
習得できる知識
・自動車内におけるノイズの振る舞いと対応に対する考え方
・回路基板設計より電気電子機器化に至る対EMC設計の考え方と基礎から応用全般
・金属筐体、および、シールド線を含むワイヤまで含めた対EMC設計の基礎と応用
セミナープログラム
1. 車載電気電子システムの電磁環境と対応
~周波数範囲はLF帯からEHF帯にまで及ぶ~
1.1. 電気電子システムの電磁環境
1.2. 車載電気電子システムの現状と将来動向
2. 電子機器とシステム化におけるポイント
~システム化を強く意識した電子機器の設計が必要~
2.1. ノイズの発生原理と外来ノイズにより受ける影響
2.2. 電気電子システムから発生するノイズの種類とその影響
2.3. ノーマルモードノイズとコモンモードノイズの発生原理とその影響
2.4. 電子機器単体とシステム化における設計上のポイント
3. 電子機器の対EMC設計
~電子機器単体における伝導流入出雑音電流と放射の抑制~
3.1. 電子機器におけるノーマルモードノイズの抑制
<高周波電力伝送の主役は往復導線中の自由電子ではない>
3.1.1. 高周波電力伝送の基本と実験事例:グラウンドパターンとは何者か?
3.1.2. 回路基板内におけるノイズ拡散の原因と考察および実験事例
3.1.3. グラウンドに設ける回路間分離用スリットの弊害事例、実験事例と考察
3.1.4. 信号配線パターンの考察とガードトレースの実験事例と考察
3.1.5. 電子デバイス使用上の注意事項
3.2. 電子機器におけるコモンモードノイズの抑制
<グラウンドの接続を甘く見て粗末に扱ってはいないか?>
3.2.1. 回路基板の筐体装着時におけるグラウンドの取り扱い
3.2.2. 放熱を必要とするデバイスの組み込みにおける問題
3.3. 電磁シールドの効果と弊害
<重要回路ブロックや製品全体をただ金属で覆えば良いと考えていないか?>
3.3.1. 金属による電磁遮蔽の原理と実験事例および考察
3.3.2. 電磁シールド化が伝導流入出電流に及ぼす影響の実験事例と考察
3.3.3. シールド筐体の有効な形状とグラウンド接続の有無における実験事例と考察
3.3.4. 電磁波吸収体のノイズ抑制効果と弊害の実験事例と考察
4. 自動車への搭載システム化における対EMC設計
~搭載/システム化されたときに機器のEMC性能が問われる~
4.1. 自動車の搭載場所の電磁環境に対する配慮
4.1.1. 高周波電流のシステム間クロストークの対策事例と考察
4.1.2. 低周波電流による電磁誘導妨害の対策事例と考察
4.2. 自動車内でのシステム化に際しての配慮
<機器とワイヤハーネスのグラウンド処理を誤ってはいないか?>
4.2.1. コモンモード雑音電流による他システムへの妨害事例と対策および考察
4.2.2. コモンモード雑音電流により他システムから受ける妨害事例と対策および考察
4.2.3. システム化に用いられるワイヤハーネスの実態と配線の物理量の考察
4.2.4. シールド線の配線端部処理と外部導体接地方法における実験事例と考察
(※)取扱いの考察:内部導体露出度合いの影響、一点接地/二点接地問題
4.2.5. 電動車両のシステム構成例と他への妨害源となる雑音電流の経路
5. 設計フローとEMC-DR
5.1. システム化における望ましい設計手順とそのポイント
5.2. EMC-DR実施の際のポイント
<質疑応答>
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セミナー講師
(株)クオルテック EMC研究室 室長 工学博士 前野 剛 氏
≪専門≫
EMC対応技術、高周波回路
≪略歴≫
1972年3月 東北大学工学部通信工学科 卒業
1972年4月 (株)デンソー入社
・車載電子機器(無線機器、ナビ製品、ボデー機器)の新製品開発~量産品設計(~1997年)
・携帯電話・自動車電話の品質保証部長として設計品質対応に従事(~2001年)
・EMC担当部長として全社EMC問題の統括と個々のEMC問題対応に従事(~2008年)
2008年8月 (株)デンソー定年退職、再雇用されEMC技術の全社対応に従事(~2012年)
2012年9月 (株)クオルテック入社~現在に至る
・EMC技術の基礎研究、および車載機器、民生機器などのEMCコンサルティングに従事
≪学協会活動≫
過去において、電子情報通信学会環境電磁工学研究専門委員会(委員)や自動車技術会電子電装部会(部会長)などを歴任。
セミナー受講料
55,000円(税込、資料付)
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2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
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受講料
55,000円(税込)/人