★既に量子コンピュータの実用化が進んでいる組合せ最適化問題を中心に、マテリアルズ・インフォマティクスに絡めた材料開発の適用事例、動向、今後の将来見立てを紹介します! また、企業視点で見た際の人財育成・獲得等の導入の仕方についても説明します!

★ベイズ最適化を代表としたブラックボックス最適化においては、作製すべき材料を適切に提案することに計算時間がかかってしまうという問題があります。そこで、この問題を回避するために開発した、量子アニーリング技術を用いた離散・連続ブラックボックス最適化手法について解説します!

★最先端な量子コンピュータ実機を使った研究事例を解説することにより、実機による理論検証や実機研究の特徴の把握に繋がります!

★富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」の概要・特長を解説し、材料開発への応用事例を紹介し、デジタルアニーラを材料開発現場で活用するためのポイントも説明!

★AIやHPCも駆使し、計算科学とデータサイエンスを適切に融合することで、材料開発・創薬のアプローチの可能性が広がることを示し、業務や研究活動へのデジタルアニーラ活用に興味を持っていただけるよう解説!

セミナープログラム

第1部 量子コンピュータを活用した材料開発の動向、事例および今後の展望

【11:00-12:00】

三井化学株式会社 デジタルトランスフォーメーション推進本部 デジタルトランスフォーメーション企画管理部 案件推進G,信州大学 工学部 特任准教授 向田 志保 氏

【講演主旨】
材料開発に関わっていて、量子コンピュータを活用しなくてはならないと感じている方は多い。しかし、量子コンピュータで何ができるのか、実際にどのように使っていけばよいのか、どこまで勉強したらよいのか、どのような人財を獲得、もしくは育成したらよいのか、といった悩みに対して、ユーザー側の視点から着地点を模索していく。また、昨今活発になっている組合せ最適化問題に特化した量子コンピュータにおける材料開発の適用事例を紹介する。

【キーワード】
量子コンピュータ、マテリアルズ・インフォマティクス、組合せ最適化、機械学習

【講演ポイント】
既に量子コンピュータの実用化が進んでいる組合せ最適化問題を中心に、マテリアルズ・インフォマティクスに絡めた材料開発の適用事例、動向、今後の将来見立てを紹介する。また、企業視点で見た際の人財育成・獲得等の導入の仕方についても見解を述べる。

【習得できる知識】
・材料開発に関する組合せ最適化問題の量子コンピュータへの適用アイディア発掘
・非量子ネイティブ人財における量子コンピュータの人財育成関連業務

【プログラム】

  1. 量子コンピュータの導入
    1. 情報収集
    2. ツール(量子クラウドサービス、GPU量子コンピュータなど)
    3. 社外ネットワーク構築
    4. 量子コンピュータの社内導入
  2. 量子コンピュータの人材獲得・育成
    1. 量子コンピュータ人財の適性
    2. 人財獲得
    3. 人財育成
  3. 材料開発への量子コンピュータによる組合せ最適化問題を中心とした適用事例
    1. 量子化学計算
    2. 組合せ最適化問題
    3. 量子機械学習
    4. 量子コンピュータを活用した材料開発のユースケース探索の仕方
    5. 今後の将来展望

【質疑応答】


第2部 量子アニーリングを用いたマテリアルズ・インフォマティクスとブラックボックス最適化手法

【13:00-14:15】

国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 ナノセオリー分野 量子物性シミュレーショングループ 主幹研究員 田村 亮 氏

【講演趣旨】
物質・材料科学分野ではデータ科学を利用したマテリアルズ・インフォマティクス研究が注目を集めている。機械学習の力を使って、次に作製すべき材料を適切に提案できる手法(実験計画法)として、ベイズ最適化を代表としたブラックボックス最適化がある。しかしながら、材料の組成、構造、プロセスの多様性から組合せ爆発が起こってしまい、通常のブラックボックス最適化では非常に計算時間がかかってしまうという問題がある。そこで、この問題を回避するために、量子アニーリング技術を用いた離散・連続ブラックボックス最適化手法を開発した。
本講座では、アルゴリズムの詳細、Pythonコードの使い方、応用例について紹介する。

【プログラム】

  1. ブラックボックス最適化によるマテリアルズ・インフォマティクス
    1. ベイズ最適化
    2. ベイズ最適化の応用例
    3. ベイズ最適化に残された問題
  2. 量子アニーリングを用いたブラックボックス最適化
    1. 量子アニーリングとイジングマシン
    2. 量子アニーリングを用いた離散値ブラックボックス最適化手法
    3. 量子アニーリングを用いた離散値ブラックボックス最適化手法の材料研究への応用
    4. 量子アニーリングを用いた連続値ブラックボックス最適化手法
  3. まとめと今後の展望

【質疑応答】


第3部  量子コンピュータを用いた実材料の量子化学計算と材料設計の研究事例

【14:30-15:45】

三菱ケミカル株式会社 Science & Innovation Center Materials Design Laboratory 上席主幹研究員 高 玘 氏

【講演主旨】
近年欧米、中国などのIT大手がゲート型量子コンピュータへの取り組みを強化している。また国家レベルでの開発プロジェクトが推進していて、量子コンピュータの開発競争が過熱している。そのなかで慶応大学は2018年5月にIBMの量子コンピュータを使いつつ、産官学共同で実用問題を研究する「IBM Q Hub」をオープンした。三菱ケミカルは同年6月にQ Hubに参画し、IBMや慶応大学の研究者たちと共同で量子コンピュータの化学分野への応用研究を開始した。本講演ではいままで行っていた幾つかの応用研究の事例紹介を通じて、現状の量子コンピュータの材料開発への応用はどの程度考えられるのか? 実用に至るまでにどのような技術的ハードルがあって、どのように越えるか?の道筋を示したい。

【キーワード】
量子コンピュータ、量子化学、化学反応、リチウム空気電池、励起状態、有機EL、最適化計算

【講演ポイント】
最先端な量子コンピュータ実機を使った研究事例を触れることによって、実機による理論検証や実機研究の特徴の把握に繋がります。

【習得できる知識】
・化学反応計算アルゴリズム
・励起状態計算アルゴリズム
・最適化計算アルゴリズム
・実機のエラー緩和アルゴリズム

【プログラム】
本講演では三菱ケミカルの量子コンピュータ分野における研究活動の概要を説明したうえ、慶應大学のIBM Q Network Hubにて三菱ケミカルが行っている三つの量子コンピュータを用いた実材料の量子化学計算と材料設計の研究事例:1)「リチウム空気電池の反応」、2)「有機ELの発光材料(TADF)の励起状態計算」、3)「同位体の有機EL発光材料の探索」、を紹介します。

【質疑応答】


第4部 量子インスパイアード技術デジタルアニーラの材料開発応用

【16:00-17:15】

富士通株式会社 Uvance Core Technology本部 Uvance Value Design Office MI Value Design部 實宝 秀幸 氏

【講演趣旨】
本講座では、富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」の概要・特長を解説し、材料開発への応用事例をご紹介します。デジタルアニーラを材料開発現場で活用するためのポイントも説明いたします。また、デジタルアニーラだけではなく、AIやHPCも駆使し、計算科学とデータサイエンスを適切に融合することで、材料開発・創薬のアプローチの可能性が広がることを示します。本講座を通して、参加者の皆様の業務や研究活動へのデジタルアニーラ活用に興味を持っていただければ幸いです。

【キーワード】
マテリアルズ・インフォマティクス、量子インスパイアード、材料開発

【講演ポイント】
デジタルアニーラ・AI・HPCを効果的に組み合わせることで、膨大な探索空間にアプローチして材料探索の可能性を広げ、社会課題解決につながるイノベーションを実現できます。

【習得できる知識】
量子技術の材料開発応用のポイント

【プログラム】

  1. デジタルアニーラご紹介
    1. 背景・特長
    2. 最新世代(第四世代)のシステムご紹介、ベンチマーク
    3. デジタルアニーラで組み合わせ最適化問題を解く手順・ポイント
  2. デジタルアニーラ材料開発応用ご紹介
    1. 少量・断片的・偏ったデータを最大限に活かす「混合物設計支援」
    2. 分子・結晶構造の類似性に着目した確度の高い「材料候補スクリーニング」
    3. 計測スペクトルと材料特性の関係性抽出を可能にする「正則化技術」
    4. 分子材料設計・創薬の高速かつ精密な計算を実現する「分子の安定構造探索」
    5. デバイス形状の広範囲&高速探索が可能な「トポロジ最適化」

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 三井化学株式会社 デジタルトランスフォーメーション推進本部 デジタルトランスフォーメーション企画管理部 案件推進G,信州大学 工学部 特任准教授 向田 志保 氏

【経歴】
2017年に三井化学に入社し、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)に取り組む
現在はDX推進本部 DX企画管理部において、DX技術全般を担当
2022年4月より信州大学客員准教授、11月より同特任准教授に着任
【学会役員】
日本化学会ケモインフォマティクス部会役員(2022年4月~)

【著作】
1. 共著, マテリアルズ・インフォマティクス Q&A集 ―解析事務と応用事例―, 情報機構, 2020年 
2. 共著, マテリアルズインフォマティクス のためのデータ作成とその解析、応用事例, 技術情報協会, 2021年 
3. 共著, 研究開発部門へのDX導入によるR&Dの効率化、実験の短縮化、業務効率化のポイント, 技術情報協会, 2022年 
4. 共著, ケモインフォマティクスにおけるデータ解析の進め方と具体的応用法(仮題), 技術情報協会, 2023年(発刊予定) 
5. 共著, 量子技術の基礎とR&Dへの導入、活用方法(仮題), 技術情報協会, 2023年(発刊予定)

第2部 国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 ナノセオリー分野 量子物性シミュレーショングループ 主幹研究員 田村 亮 氏

【経歴】
2022年4月 – 現在
国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主幹研究員
2017年4月 – 現在
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 講師
2018年4月 – 2022年3月
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究員
2016年4月 – 2018年3月
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 研究員
2015年4月 – 2016年3月
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 先端的共通技術部門 研究員
2012年4月 – 2015年3月
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 若手国際研究センター ICYS 研究員

【受賞】
2021年12月28日 STAM Methods Best Contribution Award 2021
2021年4月1日 第16回 NIMS理事長賞 進歩賞
2021年3月13日 第15回 日本物理学会若手奨励賞(領域11)
2018年3月8日 MANA International Symposium 2018 “Excellent Poster Presentation Award”
2013年10月24日 第13回 NIMSフォーラム 「ポスドク研究成果ポスター賞」
2007年3月26日 埼玉大学理学部 「理学部長賞」

【著作】
弱点克服大学生の熱力学
田中, 宗, 轟木, 義一, 田村, 亮, 白井, 達彦, 所, 裕子
東京図書 2021年11月 (ISBN: 9784489023712)
Quantum spin glasses, annealing and computation
Shu Tanaka, Ryo Tamura, Bikas K. Chakrabarti
Cambridge University Press 2017年 (ISBN: 9781107113190)

第3部 三菱ケミカル株式会社 Science & Innovation Center Materials Design Laboratory 上席主幹研究員 高 玘 氏

【経歴】
2007年 東京工業大学大学院 生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻博士後期課程卒業
2007年~現在:三菱ケミカルグループ R&D変革本部 Science & Innovation Center 上席主幹研究員

【受賞】
2015年 日本画像学会 論文賞 「Theoretical Study of Charge Transport Phenomena in Organic Electronics Devices」

【著作】
「ナノテクのためのバイオ入門」chapter 11. 共立出版株式 (2007)
「環境発電ハンドブック 第2版 ~機能性材料・デバイス・標準化:IoT時代で加速する社会実装~」第3編第1章11 (株)エヌ・ティー・エス(2021年)
「量子技術の基礎とR&Dへの導入、活用方法~量子コンピュータ・量子アニーリング・量子シミュレーション・量子暗号通信など~」第6章第7節 (2022年)

第4部 富士通株式会社 Uvance Core Technology本部 Uvance Value Design Office MI Value Design部 實宝 秀幸 氏

【経歴】
筑波大学数理物質科学研究科博士課程修了.博士(理学).株式会社富士通研究所での材料シミュレーション等の研究開発を経て,現在富士通株式会社にてマテリアルズインフォマティクス及びデジタルアニーラ材料応用の研究開発等に従事.

セミナー受講料

【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。 


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受講料

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全国

主催者

キーワード

化学技術一般   情報技術   CAE/シミュレーション

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