本講習会では、残留応力技術の基礎、種々の計測方法と注意点、評価・有効活用と不具合事例など、残留応力の課題について実践的に対応できることを目標とし、詳細に解説する! 

※本セミナーは開催日が変更になりました
2月21日 → 5月18日

セミナー趣旨

 高性能工業材料の技術開発はめざましく、従来の金属材料から多種多様な材料が実用化されており、また製造技術、物性値の計測技術も進歩している。一方、材料が高強度になるほど、部材の残留応力(内部応力)も大きくなるので、残留応力の評価・管理はますます重要になっている。残留応力は、部材内部に残存している応力である。機械設計時には、使用時の負荷応力を主体とした強度設計が主体となり、残留応力の存在はあまり考慮しない。しかし、この残留応力が損傷要因となって、しばし不具合が発生している。一方、機械構成部品、特にバネ、軸受、ネジ、歯車等の機械要素には積極的に残留応力を活用しており、品質管理はこの残留応力導入の管理といっても過言ではない。部品の寿命、耐久性はこの残留応力値で大きく変化する。残留応力の管理値は、部品メーカのノウハウであり、一切公開されていない。また、残留応力の計測方法も非公開な場合が多い。残留応力を計測、評価することは製造現場では重要な技術であるとともに、対象製品に最適な残留応力計測手法が研究・開発されており、実用化されている。さらに、最近では小型X線応力計測装置が実用化されており、タンク、配管、橋梁、鉄道などの大型インフラ設備に対して、現地で実応力負荷計測にも採用されつつある。
 残留応力の計測には、部材を細かく切断して内部応力を解放する破壊試験法、ひずみゲージ近傍に穿孔して局部的にひずみ解放する準非破壊試験法、X線、中性子などの放射線回折による結晶格子間隔変化を計測する方法、磁性変化、音速などの物性値変化による応力計測法等の非破壊試験法が実用化されている。
 本講習会では、この残留応力技術の基礎、種々の計測方法と注意点、評価・有効活用と不具合事例などを残留応力技術の全般を紹介し、残留応力の課題について実践的に対応できることを目標とする。このような残留応力の一般的な技術背景、個々の計測方法について紹介、実計測時の注意点、計測値の評価、課題などを詳細に紹介する。

セミナープログラム

1.残留応力の基礎と背景
 1-1 残留応力とは
 1-2 残留応力の管理と運用
 1-3 FEMなど数値解析による手法との差

2.材料力学の基礎とひずみ計測法
 2-1 ひずみの定義
 2-2 応力の定義
 2-3 応力とひずみの関係
 2-4 弾性変形と塑性変形の関係
 2-5 熱膨張による変形
 2-6 疲労
 2-7 弾性破壊に関する種々の仮説
 2-8 ひずみ・応力の計測方法
  
3.X線応力計測法とその他非破壊計測法
 3-1 X線による応力計測方法の原理と最近の計測装置
   (X線計測装置の実施例)
 3-2 その他の非破壊計測方法
   (放射光、中性子、材料物性、変形計測など)

4.応力解放法による残留応力の計測法
 4-1 残留応力の定義
 4-2 各種測定方法と測定深さ
 4-3 応力解放法による残留応力測定
 (1)切断法 (Sectioning)
 (2)穿孔法 (Hole Drilling)
 (3)DHD法 (Deep-Hole Drilling)
 (4)その他の方法
   ・Ring Core法 ・Slitting法 ・Contour法

5.残留応力の利用と損傷事例とその対策
 5-1 残留応力の利用方法
 5-2 残留応力による損傷事例と損傷の対策(応力除去方法など)

6.まとめと質疑応答


残留応力,内部応力,機械,金属,計測,評価,品質管理,セミナー

セミナー講師

中代技術士事務所 所長 中代 雅士 氏

1975年に石川島播磨重工業(株)(現 (株)IHI)に入社、22年間勤務。連続鋳造設備、圧延機等の基本設計担当後、技術研究所に異動し高温機器の設計基準、耐熱鋼の研究、高温部材の寿命評価・検査技術等の研究開発に従事。1997年に石川島検査計測(株)(現 (株)IHI検査計測)に出向、22年間勤務。材料試験、特殊材料の機械試験、損傷調査、部材の健全性評価、非破壊検査技術の開発、経年部材の健全性評価、余寿命評価等の実工事担当や非破壊検査技術の開発に従事。2019年同社退職後、中代技術士事務所を開所し、現在に至る。
【資格】
博士(工学)、技術士(金属・機械・総合監理部門)、一般計量士、環境計量士(騒音・振動関係)

三上技術士事務所 所長 三上 隆男 氏

1972年に石川島播磨重工業(株)(現 (株)IHI)に入社、27年間勤務。 船舶設計、ターボ機械(ターボチャージャ,ガスタービン,ジェットエンジンなど)の回転強度の研究、ファインセラミックスの研究開発、セラミックガスタービンの研究開発等に従事。1999年に石川島検査計測(株)(現 (株)IHI検査計測)に出向、20年間勤務。光ファイバ変位センサによる構造物のヘルスモニタリングの研究、機械の応力/振動計測、残留応力測定法などに関する研究に従事。この間、明星大学理工学部の非常勤講師(2013年~2020年)を兼務。2020年同社退職後、三上技術士事務所を開所し、現在に至る。
【資格】
博士(工学)、技術士(機械部門)、一般計量士、環境計量士(騒音・振動関係)、JSNDIひずみ測定レベル3

セミナー受講料

55,000円(税込、資料付)
■ セミナー主催者からの会員登録をしていただいた場合、1名で申込の場合49,500円、
  2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
(セミナーのお申し込みと同時に会員登録をさせていただきますので、
   今回の受講料から会員価格を適用いたします。)
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  ご登録いただきますと、セミナーや書籍などの商品をご案内させていただきます。
  すべて無料で年会費・更新料・登録費は一切かかりません。
  メールまたは郵送でのご案内となります。
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受講について

Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順

  1. Zoomを使用されたことがない方は、こちらからミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
  2. セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。
  3. 開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。
  • セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
    ご自宅への送付を希望の方はコメント欄にご住所などをご記入ください。
    開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますことご了承下さい。
  • 無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。

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開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

機械材料   計測工学

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