「空飛ぶクルマ」の実用化に向けた技術開発等の現状と今後の展望

これからのMaaSの中核を担う「空の移動革命」に向けて,具体的かつ体系的に学ぶ!

欧米や中国等が「空飛ぶクルマ」の実用化を進める中,我が国も2025年の商用運航を目指し,国を挙げて取り組んでいます。関連分野の現状と今後の動向を含め,現状と展望をわかりやすく解説!

セミナー趣旨

「空飛ぶクルマ」とは、ありふれた自動車のごとくに、誰でも手軽に利用できる「空を飛べる身近な乗り物」を意味しています。我が国では、2025年に開催される大阪・関西万博での商用運航を目指して、世界的にも他に類を見ない「国を挙げての取り組み」をしています。つまり、「空の移動革命に向けた官民協議会」を2018年に立ち上げて、今年の3月には「空の移動革命に向けたロードマップ」の最新版を発表しているのです。我が国のこのような「国を挙げての取り組み」は、世界中の「空飛ぶクルマ」の関係者に注目されていますが、その中身は、「空飛ぶクルマ」自体の技術開発のロードマップの他、「空飛ぶクルマ」の日常的な運航に欠かせない事項、例えば、「空飛ぶクルマ」の離着陸場の整備、航空管制システムの整備、運航事業の制度整備のロードマップなど、多岐に渡っています。その中でも、実用化に向けた鍵を握るのは、何と言っても「空飛ぶクルマ」の技術開発です。

「空飛ぶクルマ」を開発する上で、「空飛ぶクルマ」を特徴付けるのは、電動であること、将来的には自律飛行できること、垂直離着陸できること、の3点です。この3点からすぐにイメージできるのは、ドローンを大型化して人が搭乗できるようにした「マルチコプター型」ですが、これまでに実現できたのは搭乗者が2名程度、航続距離が数十km程度、最高速度が100km/h程度の「空飛ぶクルマ」です。そこで、米軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」を電動化して小型化したような「推力偏向型」や、離着陸用ローターと推進用ローターを別々に設ける「リフト・クルーズ型」が開発され、搭乗者は4~7名程度、航続距離は100~200km程度、最高速度は200km/h程度の「空飛ぶクルマ」が実現して試験飛行しています。

そこで、本セミナーでは、「空飛ぶクルマ」の技術開発の現状を中心として、その実用化には欠かせない離着陸場や航空管制システムなどを含めた今後の展望についても、わかりやすく説明します。

受講のおすすめ

空飛ぶクルマは、欧米の先行機種では型式証明の取得手続きが終盤に差し掛かっていて、早ければ2024年頃に商用運航が始まる見込みです。中国の先行機種では、操縦者が搭乗しない空飛ぶクルマの自律飛行による遊覧飛行が、2023年にも始まる見込みです。そして、2020年代の後半には、操縦者が搭乗した空飛ぶクルマを、空飛ぶタクシー、観光・レジャー、救急救命、災害対応へ活用することが期待されています。さらに、2030年代には、操縦者が搭乗しない空飛ぶクルマの自律飛行による都市内交通や都市間交通など、MaaS(Mobility as a Service)の中核を担う「空の移動革命」が目に見える形で実現しようとしています。これを見越して、空飛ぶクルマとその関連分野には、航空産業、自動車産業、運送業、不動産業等の大手の参入が相次いでいるところです。

それゆえ、本セミナーのおすすめポイントは、これからの社会に革命的な影響を及ぼすことが予想される空飛ぶクルマの現状と今後の動向について、その関連分野の現状と今後の動向を含めて、具体的かつ体系的に理解し取得して頂けるところにあります。

受講対象・レベル

  • 空飛ぶクルマの特徴や従来型の「ヘリコプター」との違いについて知りたい方
  • 空飛ぶクルマの「マルチコプター型」,「推力偏向型」,「リフト・クルーズ型」の飛行方法やメリット・デメリットについて知りたい方
  • 空飛ぶクルマの「マルチコプター型」,「推力偏向型」,「リフト・クルーズ型」それぞれの技術開発の現状と今後の動向について知りたい方
  • 空飛ぶクルマの運航を支える離着陸場や,航空管制システムについての技術開発の現状と今後の動向について知りたい方
  • 空飛ぶクルマの飛行に欠かせない「型式証明」と「耐空証明」の違いについて知りたい方
  • 「耐空証明」が無い空飛ぶクルマの試験飛行に必要な「許可」について知りたい方
  • 空飛ぶクルマの将来的な自律飛行に向けて必要となる,安全対策技術について知りたい方

セミナープログラム

(1)空飛ぶクルマの特徴

  1. 電動
  2. 自律飛行(当面は,搭乗したパイロットによる操縦)
  3. 垂直離着陸
  4. 従来型のヘリコプターとは全く別次元の乗り物
  5. 当面は,空飛ぶタクシー,観光・レジャー,救急救命,災害対応への活用が期待
  6. 将来的には,都市内交通,都市間交通への活用が期待

(2)従来型のヘリコプターの飛行方法

  1. 垂直離着陸は苦手
  2. ビル屋上のヘリポートは「緊急離着陸場」
  3. 高度150m以下の飛行には許可が必要
  4. 飛行場(空港とヘリポート)以外での離着陸には許可が必要
  5. 気象条件による有視界飛行の制限

(3)空飛ぶクルマの3形態

  1. マルチコプター型
  2. 推力偏向型
  3. リフト・クルーズ型

(4)マルチコプター型の空飛ぶクルマ

  1. マルチコプター型の仕組みとメリット・デメリット
  2. ドイツのVolocopter社の「Volocity」
  3. 中国のEHang社の「EH216」
  4. 我が国のSkyDrive社の「SD-03」と次世代型「SD-05」

(5)推力偏向型の空飛ぶクルマ

  1. 推力偏向型の仕組みとメリット・デメリット
  2. 米国のJoby Aviation社の「Joby S4」
  3. 英国のVertical Aerospace社の「VX4」
  4. ドイツのLilium社の「Lilium Jet」

(6)リフト・クルーズ型の空飛ぶクルマ

  1. リフト・クルーズ型の仕組みとメリット・デメリット
  2. ドイツのVolocopter社の次世代型「VoloConnect」
  3. 中国のEHang社の次世代型「VT-30」
  4. 我が国のホンダが開発に取り組む「Honda eVTOL」

(7)空飛ぶクルマの実用化に欠かせない「型式証明」と「耐空証明」

  1. 型式証明とは?
  2. 耐空証明とは?
  3. 耐空証明無しの試験飛行には「許可」が必要
  4. 「空飛ぶクルマ」の試験飛行等に係る航空法の適用関係のガイドライン

(8)欧米や中国における空飛ぶクルマの型式証明取得に向けた動き

  1. 米国のFAA(連邦航空局)
  2. 欧州のEASA(欧州航空安全機関)
  3. 中国の民用航空局

(9)空飛ぶクルマの商用運航に向けたインフラ整備

  1. 空飛ぶクルマへの給電システムを備えた離着陸場(Vポート)の整備
  2. 空飛ぶクルマの航空管制システムの整備

(10)我が国における空飛ぶクルマの実用化に向けた動き

  1. 2025年の大阪・関西万博が実用化目標
  2. 空の移動革命に向けた官民協議会
  3. 空の移動革命に向けたロードマップ改訂版

(11)自律航行する空飛ぶクルマに欠かせなくなる安全対策技術

  1. 高精度衛星測位が産み出す仮想的な「空のハイウェイ」を自律航行
  2. 三次元センサーとディープラーニングを用いた「AIの目」による衝突の回避
  3. ADS-Bの搭載によるニアミスの回避

◎ 質疑応答

セミナー講師

澤田雅之 氏
澤田雅之技術士事務所 所長
技術士(電気電子部門)

1978年に京都大学大学院工学研究科を修了し,警察庁に入庁。警察情報通信研究センター所長を退職後に技術士資格(電気電子部門)を取得して,2015年に技術士事務所を開業。
同年の首相官邸ドローン落下事件を契機として,ドローンに関する調査研究を開始。2018年から調査研究の対象を自動運転車や空飛ぶクルマに拡大。カウンター・ドローンについては,警察庁,警視庁,海上保安庁,府県警察本部,経済産業省等での講演実績多数。ドローンの利活用,自動運転車や空飛ぶクルマについては,安全対策技術や法規制面の動向を中心とした講演実績多数。

セミナー受講料

25,000円(消費税込)※テキスト代を含みます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

25,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

航空・宇宙技術   安全規格   メカトロ・ロボティクス

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