★優れた誘電性エラストマ(アクチュータ、センサー及び発電機)の最新の状況や今後の展開、その素材、電極等の構造や駆動方法が理解できる。
★誘電エラストマの市場等の知識が得られ、またそれらを自社で開発したい企業への支援体制等も知ることが可能!

セミナー趣旨

  近年、誘電エラストマの各種性能が大いに進展した要因として、誘電エラストマの主材(ポリマーやエラストマ)の研究が進み、どの様な素材が、どの用途に向くか設計/改良可能になりました。また電極材料の選択、それらの粒形/針状形成等及び分散も大いに進みました。一例として、シングルウォールCNT(SWCNT)を用いたことに依り、誘電エラストマの電極の導電性が高まりました。即ち各種アプリケーションに対して、エラストマ素材と電極素材のベストマッチが分かりました。
そのため、現在使用されているモーター等を含めた広義の意味でのアクチュエータの殆ど全てで置き換えが可能になりつつあります。昨年、僅か0.15gの誘電エラストマで、8kgの重りを、88msecのスピードで、1mm以上動かすことが出来ました。このことは、この誘電エラストマで、電気自動車を駆動することも可能になります。電気自動車の最大の欠点である車重を極端に軽くすることが可能で、車の走行距離を飛躍的に延ばし、かつ大型のトレーラー等にも、電動化することが近々可能になると思われます。
この誘電エラストマは、ロボット、パワースーツ、介護用機器、医療用等、用途は無限です。これらに加え、おむつの用のセンサーを始め、超柔軟性を有した各種高性能センサー(エラストマなので、ひとつのセンサーで、各種圧力変化に対して正確にセンシングできる)は、明日にでも、直ぐに商品化が出来る様になりました。既存のセンサーより高性能で、価格も安くかつ大きさがかなり小さくなりました。
もちろん、誘電エラストマ発電機(DEG)の性能も飛躍的に伸びていますし、2次電池にも即充電可能です。発電の種類として、波、水流、排熱、風(洋上大型発電も含む)等を用いたDEGの実用化開発がかなり進んでいます。またハンディ型の2次電池付DEGも開発され、これも小型2次電池に簡単に充電できます。
現在、ナノデバイスから宇宙までに、幅広い分野での開発が行われています。宇宙分野の開発例を挙げると、NASA等と火星探査ロボット(マーボット)の開発や、火星の表面探査用無人小型飛行機の推進動力、方向舵やエルロン(エレベータを含む)等の開発も行っています。また宇宙服の軽量化のためのアクチュータやセンサーも開発の同時に行っています。
 上記で述べた誘電エラストマ主材(ポリマーやゴム)の研究の一例として、シングルウォールCNT(SWCNT)をスプレー化することに依り、誘電エラストマの電極を容易に作成することが可能になりましたが、このスプレーは、用途が広がるミリ波帯での電波吸収効果が高く、益々普及が進む5G/6Gや、自動運転などで利用が進むミリ波レダーなどの誤作動防止に、大きな効果が期待されます。この技術を応用することで、障害物の影響や他システムからの干渉改善などを行うことが可能になります。設置場所により環境が変わり、それにより発生するような問題であっても、現場で対応が可能なことから、研究開発や製造現場以外でも、設置・保守・メンテンスや障害調査・対策など、幅広い場面で活用が可能な技術です。
最後に、重要なポイントであるが、誘電エラストマの素材や電極素材は、リサイクルして、再度製品化が可能である。

【講演キーワード】
超軽量・高効率・高出力アクチュータ、超柔軟性を有した高性能センサー、高効率発電機、CNTの無線通信への応用、誘電エラストマの通信への応用、周波数可変アンテナ及びフィルターへの応用、IoTに向く誘電エラストマ、ウエアラブル、リニュアブルエネルギー、導電性塗料、ミリ波、電波吸収体、自動運転、5G/6G、環境対応デバイス、再生素材の利用、カーボンニュートラル技術

【講演のポイント】
・優れた誘電性エラストマ(アクチュータ、センサー及び発電機)の最新の状況や今後の展開が理解できる。
・上記の素材、電極等の構造や駆動方法が理解できる。
・このセミナーを受ければ、上記の製作方法等が理解できる。
・誘電エラストマの市場等の知識が得られ、またそれらを自社で開発したい企業への支援体制等も知ることが可能。
 ~>受講者の会社の製品を向上する大きなチャンスが生まれる。

習得できる知識

・誘電エラストマの最新知識(素材、電極及び駆動原理等)が得られ、今後の動向に関する情報も得られる。
・誘電エラストマの素材、電極等の作成方法が習得できる。
・各国が凌ぎを削って開発している重点開発アイテムに於いて、誘電エラストマを用いるとことで簡単に乗り越えられることが理解できる重要な知識。
・誘電エラストマの市場等の知識が得られ、またそれらを自社で開発したい企業への支援体制等も知ることが可能。

セミナープログラム

1.人工筋肉型アクチュエータについて 
 1.1.エレクトロアクティブポリマー(EAP)概論
 1.2.イオンや磁気などを利用したエレクトロアクティブポリマーとその特徴
 1.3.電気を利用する各種エレクトロアクティブポリマーとその特徴
 1.4.人工筋肉としての誘電エラストマの開発の歴史
 1.5.誘電エラストマと従来型のエレクトロアクティブポリマーとの比較
 1.6 誘電エラストマの素材例
   ・誘電エラストマの電極(カーボングリス、カーボンブラック、CNT、液体金属等)
   ・特に誘電エラストマにCNTを用いた場合との比較!
   ・誘電エラストマに向くCNT
     @SWCNTは、毒性はない!
   ・優れた柔軟性と高伝導性を有しかつ透明なCNT誘電エラストマの解説
   ・誘電エラストマ用のポリマー/エラストマ(SSカーブや粘弾性試験の導入も含む)
   ・温度特性、もれ電流、寿命、効率、ヒステリシス等の解説
 1.7 CNT電極技術の応用 
   ・高導電性で、大きな伸び縮みが可能な導電性材料(フレキシブルPCB、導電性パッキンなどへの応用)
     @各種素材への最新CNTスプレー塗布実演をビデオで紹介。
   ・GHz帯からミリ波まで、幅広い周波数帯で威力を発揮するCNTスプレーの電波吸収効果
    (シート型、塗布型電波吸収素材への応用)
   ・準ミリ波、ミリ波(28GHz,75GHz)の電波吸収実験結果
   ・ヒーターとしても使えるCNTスプレー
 1.8 日本および海外の研究開発動向

2 誘電エラストマ・アクチュエータの現状と近未来 
 2.1.アクチュエータの動作原理、素材等の解説(SSカーブや粘弾性特性を含む)、電極のアノマリー、
  最新の製作法や使用時のポイント
 2.2.誘電エラストマ・アクチュエータの各種応用例
  ・ポンプ、モーター、スイッチなどへの応用
  ・スマートマテリアルなどへの応用(マイクロ工場への応用など)
  ・指向性を有したスピーカ、ソナー、ノイズリダクション・システムなどへの応用
  ・上記技術を応用した各種医療用デバイス(義手・義足を含む)の開発状況
  ・高出力アクチュエータへの挑戦
  ・各種ロボット(指の駆動を含む)、リハビリ等を含む各種介護機器、パワースーツ、
   電気自動車の駆動用モーター等の開発状況
   @車への応用(特に電気自動車用):各種用途の詳しい解説および重さに対する出力、効率や発売時期等の解説:
    ※0.15gの誘電エラストマで、8kgを持上げる最新のDEAのデモビデオ公開
  ・地震から建物を守る誘電エラストマ
  ・宇宙への挑戦
   @NASAと動きやすく軽量の宇宙服の開発やNASA/JAXAの風洞利用した火星探査艇の誘電エラストマによる制御
   (推進力、エレベータや方向舵を含む)の共同実験の最新情報紹介。。
  ・素材等(新しい素材を含む)の今後の改善点
 2.3. 誘電エラストマ・アクチュエータの無線通信への応用
  ・周波数可変アンテナ及びフィルターへの応用
  ・ビームフォーミングへの応用

3.誘電エラストマのセンサーへの応用と市場 
  ・原理・特徴及び求められる素材・特性と構造
  ・医療、スポーツ、ロボットや車載センサーへの応用
  ・誘電エラストマ技術を応用した水分センサーの性能紹介
  ・直ぐに市場に出せる、幅広い測定範囲を有した小型薄膜圧力センサー、超フレキシブルセンサーの紹介
    ~>既存センサーとの比較

4. 高効率人工筋肉発電システムへの応用 
 4.1.発電システムの動作原理と今後
 4.2.誘電エラストマ発電システムとその応用例
  ・小型発電システムとワイヤレスシステムなどへの応用
   (医療機器への応用も含む)
     ~>2次電池に簡単に充電できるハンディ型発電機の紹介を含む。
  ・ウエアラブル発電システム
   (医療機器への応用も含む)
  ・車載用発電機(特に電気自動車用)
    @車は誘電エラストマ発電の利用の宝庫!
 4.3. IoT時代の通信システムとの相性が良い、リニュアブルエネルギーを用いた発電
  ・波力発電、海流及び風力発電システムと水産業などへの応用
    @海洋風力発電や回転翼を持たない新しい風力発電への挑戦
  ・JAXA、JAMSTECとの風力発電のシミュレーション共同実験の最新情報紹介。
  ・マイクロ水力発電システムと一次産業への応用(地産地消の勧め)
  ・廃熱や太陽熱を利用した発電システムへの応用
    ~>低い温度からも発電が可能!
  ・誘電エラストマ発電システムの今後の改善点及び将来

5. 誘電エラストマの今後の展開
  ・誘電エラストマの今後の展開及び纏め
  ・誘電エラストマを今後自社で研究・開発をしたい企業・研究機関への支援

【質疑応答】

セミナー講師

千葉科学研究所 代表 理学博士 千葉 正毅 氏
【受賞歴】
2005年 オルガテクノ大賞、特別賞
2006年 オルガテクノ大賞 新技術部門賞
2007年 The 5th International Symposium on Environmental Conscious Design
and Inverse Technology (Eco Design 2007)にて、Best Paper Award 受賞
2016年 International Association of Advanced Materialsから、最先端素材の研究
・開発に多大な貢献をしたことで、表彰され、メダルを授与される。

(有)Wits 代表取締役社長 和氣 美紀夫 氏
【受賞歴】
2007年 The 5th International Symposium on Environmental Conscious Design
and Inverse Technology (Eco Design 2007)にて、Best Paper Award 受賞
(千葉氏と共著)

セミナー受講料

【1名の場合】39,600円(税込、資料作成費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:30

受講料

39,600円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料   メカトロ・ロボティクス   省エネルギー

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