CNTの表面、界面特性から、分散、混練方法、成形加工のポイントを徹底解説!
複数の測定結果から分散状態を評価するポイント、不純物の影響や除去方法を詳解!

《第1部》CNTの分散やマトリクス中への分配、材料設計のポイント

《第2部》CNTの分散状態の評価方法

《第3部》CNTの分散制御による樹脂、エラストマーの高機能化

《第4部》CNT特性とCNTシリコーンゴム複合材料の開発

セミナープログラム

<10:00~11:30>

1.CNTの分散やマトリクス中への分配、材料設計のポイント

(国研)産業技術総合研究所 材料・化学領域 化学プロセス研究部門 スマートフロープロセスグループ 主任研究員 博士(工学) 阿多 誠介 氏

【講座概要】
カーボンナノチューブは1991年に発見された比較的新しい材料です。電気特性や熱伝導性、機械特性に優れるため、自動車産業や宇宙産業などで大きな期待を集めています。一方で、カーボンナノチューブは繊維状のフィラーであるため、適切な分散、分配、成形加工を行わなければ適切に機能を発現させることはできません。本講演ではカーボンナノチューブを使いこなすことを目的として多角的な観点から説明を行います。

【受講対象】
カーボンナノチューブに興味がある方、カーボンナノチューブの開発でお困りの方、その他繊維状フィラー(セルロースナノファイバー)にお困りの方

【受講後、習得できること】
複合材料の基本的な設計指針、カーボンナノチューブの適切な分散、複合化の手法

1.カーボンナノチューブ(CNT)の特徴
 1.1 合成法による違い
 1.2 基本的な特性
 1.3 CNT複合化による特性発言
  1.3.1 電気特性
  1.3.2 熱伝導性

2.複合化の基本的な設計指針
 2.1 表面エネルギーからの推定方法
 2.2 分散、混練方法
 2.3 成形加工の影響

3.CNTの表面、界面特性
 3.1 ラジカルトラップ機能の利点と欠点

4.今後のCNT動向

5.まとめ

【質疑応答】


<12:10~13:40>

2.CNTの分散状態の評価方法

山形大学 有機材料システム研究科 教授 Ph.D 佐野 正人 氏

【講座概要】
液体中のカーボンナノチューブの分散状態を評価することは研究開発において極めて重要であるが、さまざまな直径や長さを持つナノチューブが混在した試料の状態を正確に評価できる手法は無い。そこで、できるだけ多くの測定を行い、全てのデータに矛盾のない分散モデルを考案することになる。ここでは、多くの企業で汎用的に用いられている手法をメインに説明する。特に注意すべき点は試料に含まれる不純物の影響であり、その除去法も述べる。最後に、最近、我々が開発したトワイライト蛍光顕微鏡を紹介する。

1.様々なカーボンナノチューブ

2.不純物
 2.1 種類
 2.2 タールや灰成分の除去法(洗浄)
 2.3 タールや灰成分の除去法(燃焼)

3.実用的な分散評価法
 3.1 顕微鏡
 3.2 パーコレーション閾値
 3.3 紫外-近赤外吸収分光
 3.4 ラマン散乱
 3.5 レイリー散乱 v.s. ミー散乱

4.トワイライト蛍光顕微鏡
 4.1 観察原理
 4.2 顕微鏡の構成
 4.3 観察条件の最適化
 4.4 観察例

【質疑応答】


<13:50~15:20>

3.CNTの分散制御による樹脂、エラストマーの高機能化

愛知工業大学 工学部応用化学科 教授 博士(工学) 福森 健三 氏

【講座概要】
代表的なナノフィラー(粒子径:1nm~10nmオーダ)であるCNTは、その化学構造とともに機能伝達に大きく寄与する高いアスペクト比(長さ/直径:102以上)に起因して、最高レベルの導電性や熱伝導性、そして力学的な高補強性(強化材機能)を有することで、少ない添加量で高分子材料の高機能化が期待できる。  本講演では、多成分系高分子であるポリマーブレンドの相分離構造を利用し、特定の相にCNTを局在化させることにより、CNTの均一分散状態に比べて効率的な機能発現をねらいとする演者らの研究を中心に紹介する。

1.ポリマーブレンド(PB)におけるCNTの分散制御と機能付与
 1-1 非相溶系PBの相分離構造を利用したCNTの分散制御法
 1-2 PB中の特定相へのCNT局在化による高機能化

2.各種ポリマーブレンド(PB)への応用
 2-1 絶縁樹脂系PBの高熱伝導化
 2-2 熱硬化性樹脂系PBの高靱性化
 2-3 熱可塑性エラストマーの補強

3.CNT分散制御法の応用展開
 3-1 セルロースナノファイバー添加系への応用
 3-2 ナノフィラーの表面修飾

【質疑応答】


<15:30~17:00>

4.CNT特性とCNTシリコーンゴム複合材料の開発

日本ゼオン(株) CNT研究所 チームリーダー 博士(工学) 武山 慶久 氏

【講座の趣旨】
 近年、高齢化社会に伴い、遠隔での医療の要求が強まっている。その中、医療用ウェアラブルデバイスが注目されており、ゴムとしては、生物学的適合性評価基準をクリアしたシリコーンゴムが用いられることが多い。医療用ウェアラブルデバイスには、電極センサーを用いたタイプがあり、心電図や筋肉の活動、脳の活動等の情報を取得するモニタリングだけでなく、神経に刺激を加える疾患治療にも活用が始まっている。このような生体電位センターには、皮膚との密着性、すなわち、柔軟性に優れ、かつ、高導電率であることが要求される。
 今回、純度の高い単層カーボンナノチューブ(CNT)をシリコーンゴムに高分散せることで、従来のカーボンブラックなど他の導電性フィラーに比べて、柔軟性に優れた上で高い導電率を持ち、かつ、耐久性にも優れたCNTシリコーンゴム複合材料を開発した。当社は、このコンパウンドを、身体に一定の電流を流すことでパーキンソン病や本態性振戦の病態の1つである手の震えを抑える腕時計形態の出ない巣の電極パッドへ適用することに成功した。
 医療用ウェアラブルデバイス用電極には、低硬度、高導電率、高耐久性が求められる。 日本ゼオン製単層カーボンナノチューブが、高純度、長尺、高比表面積という特徴を持っている。 単層カーボンナノチューブを高分散化させることで、低硬度、かつ、高導電率のシリコーンゴムができた。また、高純度の特徴を生かし、高耐久性も両立することに成功した。 また、医療用に適用するには、カーボンナノチューブの安全性も重要な因子であり、CNT自体の安全性や安全な処理の方法が明らかになってきたことがCNTの医療用途への適用の後押しとなった
 本講演では、カーボンナノチューブの特徴と安全性、医療用ウェアラブルデバイスの課題、カーボンナノチューブシリコーンゴム複合材料の性能、応用例について話す。

【受講対象】
カーボンナノチューブやウェアラブルデバイスの開発に従事している研究者の方、及びこれから携わる方

【 受講後、習得できること】
カーボンナノチューブの種類とその特徴、CNTシリコーンゴム複合材料の特徴、実際の開発例(医療ウェアラブルデバイス用電極)

1.SWCNTの量産技術開発
 1-1 スーパーグロース法によるSWCNT(SGCNT)合成
 1-2 スーパーグロースカーボンナノチューブ(SGCNT)の特長
 1-3 産業に向けた取り組み、CNT事業展開

2.CNTシリコーンゴム複合材料への応用
 2-1 CNTシリコーンゴム複合材料の要求特性
 2-2 分散手法とCNT分散性
 2-3 CNT複合材料の物性
 2-4 医療用ウエアラブル機器の電極パッドへの展開

【質疑応答】

セミナー講師

《第1部》(国研)産業技術総合研究所 材料・化学領域 化学プロセス研究部門 スマートフロープロセスグループ 主任研究員 博士(工学) 阿多誠介 氏

《第2部》山形大学 有機材料システム研究科 教授 Ph.D 佐野 正人 氏

《第3部》愛知工業大学 工学部応用化学科 教授 博士(工学) 福森 健三 氏

《第4部》日本ゼオン(株) CNT研究所 チームリーダー 博士(工学) 武山 慶久 氏

セミナー受講料

1名につき66,000円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込み)〕

受講について

  • 本講座はZoomを利用したLive配信セミナーです。セミナー会場での受講はできません。
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     → https://zoom.us/test
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    お申込みが直前の場合には、開催日までに資料の到着が間に合わないことがあります。ご了承ください。
  • 当日は講師への質問をすることができます。可能な範囲で個別質問にも対応いたします。
  • 本講座で使用される資料や配信動画は著作物であり、
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。
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※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:00

受講料

66,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、会場での支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

炭素系素材   高分子・樹脂材料   複合材料・界面技術

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