
触媒の各種評価・解析技術,反応性予測,キャタリストインフォマティクスとその応用
触媒反応のメカニズムなどの基礎的知識から,触媒素材の物性,触媒反応の温度と活性点 , 触媒表面のキャラクタリゼーション ,劣化した触媒の分析試験などの実務応用へのポイントまで
セミナープログラム
【9:30~10:50】
第1部 触媒の基礎知識,劣化と対策,触媒製造について
早稲田大学 理工学術院総合研究所 客員上級研究員(研究院客員教授) 博士(工学) 常木 英昭 氏
【習得できる知識】
一般的な工業触媒の種類やそれを用いる反応などの基礎的知識。触媒の劣化の評価とその定式化・寿命推定,触媒の調製・製造法
【講座の趣旨】
触媒は化学品の製造に極めて大きな役割を果たしており,そのラボでの開発からベンチ・パイロットを経て企業化に至るスケールアップに必要な一般的な触媒の種類や特徴およびそれを用いた反応,劣化解析と対策・触媒の調製法と実用触媒の製造方法についての基礎知識を提供する。
【セミナープログラム】
- 工業触媒の基礎
- 触媒(プロセス)開発の流れ
- 触媒の種類と特徴
- 触媒の活性成分・ミクロ/マクロ構造と機能
- 触媒活性試験とその解析手法
a.回分反応(閉鎖循環系)
b.固定床流通系(酸化反応:反応次数・MVK機構, 酸塩基触媒:LH機構) - 触媒評価方法
a.細孔構造
b.酸塩基性,酸化還元特性
c.活性点環境 - 触媒有効係数
- 触媒の劣化とその対策
- 工業触媒の製造
a.触媒調製法
b.触媒成形法
【質疑応答】
【11:00~11:50】
第2部 実験データに基づく触媒反応パラメーターの推定:活性,選択性への応用
(国研)理化学研究所 環境資源科学研究センター(CSRS)生体機能触媒研究チーム 研究員 博士(工学) 岡 英史 氏
【講座の趣旨】
触媒反応を追跡・評価する上で,これまでは分光測定や量子化学計算が活用されてきた。本講座では第3の方法として,機械学習を用いた反応速度式のパラメーター推定を提案し,その活用事例について解説する。
【セミナープログラム】
- 導入
- 触媒反応の重要性
- 触媒開発に向けた理論の位置づけ
- 現状の課題と問題点
- 具体例①:白金上の水素発生反応(活性)
- 実験評価
- 速度論モデルの構築
- 解析アルゴリズムの開発
- パラメーター推定
- 反応機構の考察
- 具体例②:硫化モリブデン上の亜硝酸還元反応(選択性)
- 実験評価
- 速度論モデルの構築
- 解析アルゴリズムの開発
- パラメーター推定
- 反応機構の考察
- 展望
- 安定性の予測への展開
- まとめ
【質疑応答】
【12:30~13:20】
第3部 電子顕微鏡による触媒の構造観察とその応用
(株)日産アーク 現象解析部 現象解析室 TEM解析チーム 島貫 純一 氏
【講座の趣旨】
本講演では、電子顕微鏡(SEM,TEM)を用いた触媒の解析事例として、 前処理を含む簡単な基礎から、近年用いられている3D解析(3D-SEM, 3D-TEM)や クライオ電顕技術について、簡単な原理や測定上の注意点などを交えて紹介する。 また、解析事例では得られた微細構造の情報と触媒性能との相関について解説する。
【セミナープログラム】
- はじめに
- なぜ、触媒の解析に電子顕微鏡が必要か?
- 電子顕微鏡の基礎(前処理)
- 電子顕微鏡の基礎(観察および分析)
- 電子顕微鏡を用いた解析手法
- 3D観察および解析(3D-SEM,3D-TEM)
- クライオ電顕技術
- 触媒試料の解析事例
- 排ガス触媒(3D-TEM)
- 燃料電池触媒層(3D-SEM)
- 燃料電池触媒層(触媒インクのクライオ電顕観察)
- まとめ
【質疑応答】
【13:30~14:20】
第4部 触媒の表面分析,分光分析および触媒反応評価について
(株)島津製作所 分析計測事業部 Solutions COE グリーンソリューションU 丹下 祥之氏
【セミナープログラム】
- 表面分析装置などによる触媒のキャラクタリゼーション
- 触媒評価の全体像
- 粒度分布測定と比表面積測定
- 走査型プローブ顕微鏡による表面電位測定
- 分光光度計を用いた触媒の物性評価
- 分光光度計の種類とわかること
- 紫外可視分光光度計によるバンドギャップ測定
- FTIRによる触媒の酸性質の評価
- 光反応評価装置による光反応量子収率の測定について
- 光反応量子収率の定義
- 光反応評価装置の原理と特長
- 人工光合成の効率評価
【質疑応答】
【14:30~15:20】
第5部 ガス吸着法による固体触媒評価の基礎 ~昇温脱離スペクトル測定(TPD),破過曲線評価 等~
マイクロトラック・ベル(株) アプリケーションラボ リーダー 工学博士 小西 優子 氏
【講座の趣旨】
固体触媒の研究においてキャラクタリゼーションは欠かすことができない重要な位置を占めています。 本講義では測定例をもとに,固体触媒の酸点や分布の評価に有用なNH3-TPD測定法, 金属担持触媒のキャラクタリゼーションとして広く認知されているパルス測定法, 固体触媒の寿命を評価可能な吸着破過曲線測定について解説致します。
【セミナープログラム】
- 測定概要
- ガス吸着法による化学吸着 流通法
- ガス吸着法による触媒評価とは
弊社装置紹介 触媒分析装置BELCAT II,オンラインガス分析計 BELMASS II
- 昇温脱離スペクトル測定(TPD)
- 【測定例】 MFIゼオライトのNH3-TPD測定
- NH3-TPD測定におけるW/Fの影響
- 水蒸気処理によるピーク分離
- パルス法測定
- パルス吸着測定原理
- 【測定例】カーボン担体Pt触媒の評価
- パルス測定法によるBET1点解析による比表面積評価
- 吸着破過曲線測定
- 吸着破過曲線測定概要
- 【測定例】CO2単成・・床 ・ ・ ぢ成分破過曲線測定
- 【測定例】CO2,H2O 2成分評価
【質疑応答】
【15:30~16:20】
第6部 透過電子顕微鏡による触媒の表面構造観察
大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター 助教 博士(工学) 神内 直人氏
【講座の趣旨】
透過電子顕微鏡 (TEM) を用いるとナノ領域の情報を得ることができるため,TEMは固体触媒の局所構造を理解する上で強力な分析手法である。基礎的な原理や実践的な観察・分析手法を解説し,最新の研究について紹介する。
【セミナープログラム】
- 透過電子顕微鏡 (TEM) の概要
- 装置構成と原理
- TEM観察における注意点
- 触媒の表面構造観察
- 試料作製
- TEM観察と電子線回折
- STEM観察
- 元素分析と電子状態解析
- EDX分析
- EELS分析
- 最先端の研究例
- 原子分解能観察
- ガス中その場観察
【質疑応答】
【16:30~17:20】
第7部 キャタリストインフォマティクスと触媒反応予測への応用について
(国研)産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター デジタル駆動化学チーム 研究チーム長 博士(工学) 矢田 陽 氏
【講座の趣旨】
近年,触媒の設計や開発を効率化するキャタリストインフォマティクスが注目されている。本セミナーでは,キャタリストインフォマティクスの概要や均一系および不均一系触媒の活性予測への活用事例について解説する。
【セミナープログラム】
- キャタリストインフォマティクスの概要
- 触媒開発の現状とキャタリストインフォマティクス
- 機械学習の基礎
- 記述子について
- 触媒反応予測での活用事例
- 不均一系触媒反応での活用事例
- 均一系触媒反応での活用事例
- 今後のキャタリストインフォマティクスについて
- 自動合成・ハイスループット装置の活用
- 触媒開発の今後について
- まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
《第1部》早稲田大学 理工学術院総合研究所 客員上級研究員(研究院客員教授) 博士(工学) 常木 英昭 氏
《第2部》(国研)理化学研究所 環境資源科学研究センター(CSRS)生体機能触媒研究チーム 研究員 博士(工学) 岡 英史 氏
《第3部》(株)日産アーク 現象解析部 現象解析室 TEM解析チーム 島貫 純一 氏
《第4部》(株)島津製作所 分析計測事業部 Solutions COE グリーンソリューションU 丹下 祥之氏
《第5部》マイクロトラック・ベル(株) アプリケーションラボ リーダー 工学博士 小西 優子 氏
《第6部》大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター 助教 博士(工学) 神内 直人氏
《第7部》(国研)産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター デジタル駆動化学チーム 研究チーム長 博士(工学) 矢田 陽 氏
セミナー受講料
1名につき66,000円(消費税込み,資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕
受講について
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お申込みが直前の場合には、開催日までに資料の到着が間に合わないことがあります。ご了承ください。 - 当日は講師への質問をすることができます。可能な範囲で個別質問にも対応いたします。
- 本講座で使用される資料や配信動画は著作物であり、
録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止いたします。 - 本講座はお申し込みいただいた方のみ受講いただけます。
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受講料
66,000円(税込)/人