医療用高分子材料における基礎・要求特性・生体適合性評価と応用展開・今後の課題

★ヘルスケア・医療製品使用環境で存在する水の視点を考慮し、材料・界面設計における課題と進展、次世代多機能材料について解説!
★中間水コンセプトの概略と、中間水コンセプトを用いた生体適合性ポリマーの開発について紹介!

セミナープログラム

第1講 医療用高分子の基礎・生体親和性の発現機構と表面設計・評価

【14:00-15:15】

九州大学 先導物質化学研究所 ソフトマテリアル学際化学分野 教授 田中 賢 氏

【経歴】
北海道大学大学院修了。テルモ(株)、北海道大学助手、助教授、JSTさきがけ研究者、東北大学准教授、独マックスプランク研究所客員研究員、山形大学教授、最先端・次世代研究開発支援プログラム研究代表者、文部科学省学術調査官、2015年3月より現職。専門は医療材料・医療機器。2021年日本バイオマテリアル学会賞など。
URL:https://www.soft-material.jp/

【講演キーワード】
ヘルスケア、医療材料、バイオ界面、タンパク質吸着、細胞接着、細胞機能制御、界面水、中間水、バイオマテリアル、再生医療、医療機器

【講演のポイント】
ヘルスケア・医療製品は、使用時に乾燥状態からウエットな状態に変化する。本講演では、製品使用環境で存在する水の視点を考慮し、材料・界面設計における課題と進展、次世代多機能材料について解説する。

【習得できる知識】
・各種製品、材料の表面処理に関する知識。
・医療材料の全体像。
・防汚などの機能表面の設計の考え方。
・製品化から基本コンセプトの理解

【講演趣旨】
ヘルスケア・医療分野は我が国の成長戦略にも位置付けられ、国際競争力のある製品開発への取り組みが期待されている。高齢社会でニーズの大きいヘルスケア・医療製品には、生体安全性および生体親和性が必要である。また、より価値の高い医療製品の開発には多様な機能を有する材料が市場から求められている。本講座では、各種医療機器の表面処理材として製品化した高分子材料を事例に、生体親和性発現機構や開発の技術課題、予防、診断、治療、病後の管理を支える生体親和性高分子表面・界面の設計と優れた材料のスクリーニング方法について解説する。

【講演プログラム】

  1. 医療製品用の合成高分子材料
    1. 親水性高分子
    2. 相分離型高分子
    3. 双性イオン型高分子
    4. 表面微細加工化高分子
    5. 製品化されている高分子の特長と課題
  2. タンパク質吸着の評価
    1. タンパク質の吸着量
    2. 吸着タンパク質の組成と構造
    3. タンパク質の吸着と脱離の速度論解析
  3. 細胞接着の評価
    1. 細胞(正常組織細胞、血球細胞、癌細胞、幹細胞)の接着と生体親和性
    2. 細胞接着の機構と細胞接着選択性
    3. 細胞-材料間相互作用の解析と制御
  4. 生体親和性の発現機構と表面設計
    1. 高分子材料のバルク物性(機械的、物理化学的)
    2. 高分子材料の表面物性(最表面計測の重要性)
    3. 水環境下および生理環境下におけるバイオ界面 (構造と運動性)
    4. 高分子バイオマテリアルの分子設計の最新動向
    5. 天然高分子と生体親和性合成高分子の共通点と相違点
    6. 生体親和性と生分解性を併せ持つ高分子の設計
    7. 優れた材料の簡便なスクリーニング方法
    8. 次世代医療・ヘルスケア・環境・エネルギー分野への展望

【質疑応答】


第2講 生体適合性ポリマーの開発と各種応用展開

【15:30-16:45】

(株)日本触媒 コーポレート研究本部 研究センター・主席研究員 中田 善知 氏
【受賞】
2003年 近畿科学協会 第56回 化学技術賞受賞
【経歴】
1989年3月 京都大学大学院工学研究科高分子化学教室 修士卒
1989年4月 日本触媒化学工業株式会社(現・株式会社日本触媒)入社

【講演キーワード】
生体適合性、中間水、不凍水、抗血栓性、アンチファウリング、GLMA

【講演のポイント】
ユニークな構造の新規ポリマーを例に、中間水と生体適合性の関係を考察する。また、生体適合性を有する材料が示すさまざまな特徴を豊富な実験データより明らかにし、生体適合性ポリマーの可能性を展望する。

【習得できる知識】
中間水コンセプトの概要。
生体適合性ポリマーの材料設計の考え方。
生体適合性の簡単な評価方法。

【講座主旨】
生体適合性発現のメカニズムとして「中間水コンセプト」が注目されている。中間水コンセプトの概略と、中間水コンセプトを用いた日本触媒における生体適合性ポリマーの開発について紹介する。また、多くの中間水を有し、優れた生体適合性が注目されているGLMA系ポリマーの特徴と、いくつかの応用例、さらに架橋技術と組み合わせた機能化や、ハイドロゲルなどのトピックスについても紹介する。

【講演プログラム】

  1. 生体適合性ポリマー
    1. 生体適合性
    2. いろいろな生体適合性ポリマー
  2. 抗血栓性ポリマー
    1. 血液凝固のメカニズム
    2. 抗血栓性発現の戦略
  3. 中間水
    1. 中間水とは
    2. 抗血栓性評価
    3. 中間水と抗血栓性
    4. 不凍水と抗血栓性
    5. 中間水と細胞
  4. 新規ポリマーの探索
    1. 中間水によるスクリーニング
    2. MGAポリマー
    3. AOMA○Rポリマー
  5. GLMA系ポリマー
    1. 中間水
    2. 共重合体と生体適合性
    3. 組成と抗血栓性
    4. 組成と細胞接着性
    5. 再生医療への応用
    6. タンパク質吸着
    7. 菌の吸着
    8. 汚損生物の接着
    9. アンリファウリングへの応用
  6. 架橋技術との組合せ
    1. 親水性と耐水性
    2. 抗血栓性
    3. タンパク質 細菌の吸着
    4. 潤滑コーティング
  7. ハイドロゲル
    1. 人工関節
    2. 繊維強化ハイドロゲル

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 九州大学 先導物質化学研究所 ソフトマテリアル学際化学分野 教授 田中 賢 氏

第2部 (株)日本触媒 コーポレート研究本部 研究センター・主席研究員 中田 善知 氏

セミナー受講料

【1名の場合】39,600円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


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