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水・水溶液のポリアモルフィズムについて、
実験結果を中心に解説!
― 水の2状態からみた水溶液の科学 ―
身近でありながら、いまだ謎に包まれている「水」。専門家による研究は続き、近年では、水には低温で2つの液体状態(低密度水と高密度水)が存在すること(水のポリアモルフィズム)が分かってきたという。
本セミナーでは、水を専門に研究を続け、水のポリアモルフィズムの観点から「溶質が2つの水に及ぼす影響」と「2つの水が溶質に及ぼす影響」を明らかにしてきた講師が、数式は殆ど使わず、実験結果を中心に水・水溶液のポリアモルフィズムについて解説します。
全容解明までは乞うご期待ながらも、水と水溶液について、より深い知見や最新の研究視点を取り入れたい方におススメの一講です。
セミナー趣旨
水の4℃密度極大のような低温の水の特異性は長い間議論されてきたが、首尾よく説明できる理論やモデルはまだ提示されていない。最近、過冷却水の研究が進み、水には低温で2つの液体状態(低密度水と高密度水)が存在すること(水のポリアモルフィズム)が分かってきた。そして、2つの水の存在が低温の水の特異性と関係している可能性が指摘されている。これは、2つの水の存在は水溶液の性質や構造に影響を及ぼしている可能性を示唆している。我々は、水のポリアモルフィズムの観点から、低濃度水溶液ガラスの高圧下での溶媒水の状態について調べ、「溶質が2つの水に及ぼす影響」と「2つの水が溶質に及ぼす影響」を明らかにしてきた。これらの実験結果は、水溶液の構造や機能(例えば、水和構造、溶解性、ガラスの結晶化、偏析など)を理解するうえで水のポリアモルフィズムの考え方が重要であることを指摘している。現時点では、まだ水溶液のポリアモルフィズム研究は基礎研究の段階であるが、溶質と水のポリアモルフィズムの関係の理解がより進み、2つの水の状態を制御することができれば、水溶液の機能や構造の精密な制御の可能性が期待できるだろう。
受講対象・レベル
化学物理の基礎的な知識がある方。
低温の水溶液・氷・ガラス状態に興味のある方。
数式は殆ど使わず、実験結果を中心に水・水溶液のポリアモルフィズムについて説明をする予定です。
習得できる知識
水のポリアモルフィズムの概要
セミナープログラム
- はじめに
- 水の不思議
- 水の4℃密度極大とその歴史
- 水のポリアモルフィズム
- 過冷却水とガラス状態の水
- 低密度アモルファス氷(LDA)
- 高密度アモルファス氷(HDA)
- LDA-HDA転移(アモルファス-アモルファス転移)
- 水のガラス転移
- 2つの水:低密度水(LDL)と高密度水(HDL)
- 液液転移(LLT)
- 液液臨界点(LLCP)とLLCP仮説
- 水のポリアモルフィズムの問題点
- 低濃度水溶液のガラス化
- 低温の水溶液:偏析とガラス化
- 液体超急冷法(1気圧)によるガラス化
- 高圧液体急冷ガラス化法(PLCV法)によるガラス化
- 低濃度水溶液のポリアモルフィック転移
- 電解質(LiCl)水溶液のポリアモルフィズム
- 低濃度LiCl水溶液のガラス化
- LiCl水溶液ガラスのポリアモルフィックな偏析
- ポリオール水溶液のポリアモルフィズム
- グリセロール水溶液のポリアモルフィック転移
- ポリアモルフィック転移の温度依存性と濃度依存性
- ポリアモルフィック転移の溶質依存性
- OH基の影響
- CH3基の影響
- 溶媒水のポリアモルフィック転移の溶質(グリセロール)の分子振動への影響
- 水溶液の液-液転移
- 低濃度グリセロール水溶液ガラスの結晶化
- 偏析していない結晶状態
- 遅い結晶成長
- まとめ
- 水溶液と水のポリアモルフィズムの展望とその可能性
□質疑応答□
【キーワード】水、低密度アモルファス氷(LDA)、高密度アモルファス氷(HDA)、低密度水(LDL)、高密度水(HDL)、ポリアモルフィズム、液液転移(LLT)、液液臨界点(LLCP)、ポリアモルフィック転移、ガラス転移、LiCl水溶液、グリセロール水溶液、ポリオール水溶液、低濃度水溶液ガラス、高圧液体急冷ガラス化法、ガラスの結晶化、六方晶氷(Ih)、立方晶氷(Ic)、積層欠陥のある氷(Isd)
セミナー講師
(国研)物質・材料研究機構 主幹研究員 博士(理学) 鈴木 芳治 氏
セミナー受講料
定価:44,000円(オンライン受講価格:35,200円)
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1名:41,800円(オンライン受講価格:33,440円)
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- 視聴期間:終了翌営業日から4日間[4/25~4/28]予定
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配布資料
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