Beyond5G/6Gに向けた高周波対応フッ素樹脂基板材料の特性・開発動向と表面改質による密着性向上技術

フッ素樹脂の一般的特性
及びプリント基板への適用時の性能とその応用例

改質した表面・断面を分析したデータを交えて、Cu鍍金PTFEシートを紹介!
トップクラスの低損失特性を有するふっ素樹脂基板について構造と特性について紹介!

セミナープログラム

第1部 高速高周波用フッ素系プリント基板材料の開発動向と接着・分散特性の改善

【12:30-13:45】

AGC(株) 化学品カンパニー 応用商品開発部 複合材料開発室 藤岡 蔵 氏

【講演主旨】
プリント基板用材料では、高周波信号の伝送損失が小さい低損失材料が注目を浴びている。低損失材料の中でもフッ素系材料、特にフッ素樹脂が比誘電率と誘電正接が小さい材料として知られている。しかし従来のフッ素樹脂はその不活性な性質から、他材料との接着・分散などの複合化が困難であり、プリント基板としては一部の用途への適用に限られていた。
このような状況下、AGCでは独自のフッ素樹脂設計技術により、接着性や分散性を有するフッ素樹脂、Fluon+TM EA-2000を開発した。本材料の特徴を活かし、従来のプリント基板材料と多様な形で複合化することにより、フッ素樹脂の電気特性と従来材料の機械特性を補い合ったミリ波帯に適した基板材料が実現可能となる。本講座では、フッ素樹脂の一般的特性及びFluon+TM EA-2000のプリント基板への適用時の性能とその応用例について説明をする。またミリ波とは厳密には周波数30~300GHzの電磁波であるが、本講座では28GHz帯もミリ波として取り扱うこととする。

【キーワード】
1.フレキシブル
2.リジッド
3.ボンディングシート、ソルダーレジスト

【講演ポイント】
高速高周波用プリント基板材料に求められる性能、PTFEと弊社接着性フッ素樹脂との特性の違いを解説した上で、弊社接着性フッ素樹脂の適用例、および複合化ソリューション例を紹介する。

【習得できる知識】
高速高周波用プリント基板材料としての要求特性、各種誘電体(液晶ポリマー、PTFE)に比べて、弊社接着性フッ素樹脂およびその複合ソリューションが要求にマッチングしているか、を把握できる。

【プログラム】

  1. フッ素樹脂について
    1. プラスチックにおけるフッ素樹脂の位置づけや種類等
    2. フッ素樹脂の長所と短所
  2. フッ素樹脂<Fluon+TM EA-2000>のご紹介(一般的フッ素樹脂との比較)
    1. 高速高周波用プリント基板に求められる特性・要件
    2. 接着性・分散性に優れるFluon+TM EA-2000
  3. <Fluon+TM EA-2000>複合材料のプリント基板適用例
    1. フレキシブル銅張積層板への応用例
    2. リジッド銅張積層板への応用例
    3. その他応用例
  4. 総括・今後の展望

【質疑応答】


第2部 高速高周波プリント基板向けPTFE表面改質シートの特性

【14:00-15:15】

コミヤマエレクトロン(株) Pプロジェクト 取締役、宇都宮大学 客員教授 久保 博義 氏

【講演主旨】
高速高周波プリント基板向けの材料として期待されているフッ素樹脂(特にPTFE)に着目し、PTFEの表面を改質することで銅との密着性を向上させ、Cu鍍金膜と高い密着性があるフレキシブル基板(t=0.05mm)を実証した。
この表面処理した面にCuを直接鍍金することができ、Cu鍍金PTFE基板を提供できる。基材130μm Cu膜18μmで製作した基板の伝送損失の特性は90 GHzにおいて-80 dB/m。同仕様で製作した他社基板の伝送損失とよりも優れていることを実証した。
本セミナーでは、改質した表面・断面を分析したデータを交えて、Cu鍍金PTFEシートを紹介する。また、新たに大面積(500mm×600mm)のサンプルが処理できる量産プロト機を紹介する。

【キーワード】
PTFE フレキシブル基板、伝送損失、ピール強度、5G-Advanced、6G

【講演ポイント】
PTFEを表面改質した状態を観察した事例(表面・断面データ)を紹介し、強度と表面粗さの関係を示す。

【習得できる知識】
5G-Advanced/6G向け Cu鍍金付きフッ素樹脂(PTFE)基板の表面改質の把握

【プログラム】

  1. 表面改質処理装置の概要
    1. 処理装置の概念について
    2. 独自のイオン源 (ファインプラズマガン) について
  2. PTFEの低接触角の実現
    1. 表面改質したPTFEの表面について
    2. PTFE表面と銅との密着性と断面構造について
  3. 高周波基板への適用
    1. ビアの表面改質について
    2. 伝送損失の評価について
    3. フレキシブル基板の試作について
  4. 量産化に向けて
    1. 量産プロト機の開発

【質疑応答】


第3部 高周波に対応したふっ素樹脂基板材料

【15:30-16:30】

中興化成工業(株) 松浦開発部 松浦開発2課 課長 前山 隆興 氏

【講演主旨】
中興化成工業株式会社は、ふっ素樹脂加工をコア技術としており、その製品の一つにふっ素樹脂銅張積層板がある。
近年は、動画コンテンツなどの増加に起因した通信の大容量化に対応する為に、ミリ波帯を用いた大容量高速通信システムであるBeyond5G/6Gが検討されている。また、安全運転支援システム(ADAS)の義務化に伴い、ミリ波レーダーを始めとする周辺監視センサーの採用も拡大している。
本講演では、ミリ波帯用途への応用が進められている、プラスチック材料の中でもトップクラスの低損失特性を有するふっ素樹脂基板について構造と特性について紹介する。

【キーワード】
・ふっ素樹脂基板
・低誘電
・低損失

【講演ポイント】
ふっ素樹脂基板は、低誘電率、低損失、低吸水率、耐熱性を兼ね備えた高周波基板に最適な材料であり、現在、検討が進められている30GHz以上のミリ波帯域の活用に貢献出来る材料であると期待している。

【習得できる知識】
ふっ素樹脂基板に関する知識
高周波対応基板に関する知識

【プログラム】

  1. 中興化成工業の会社概要
  2. ふっ素樹脂の構造と特性
    1. ふっ素樹脂の構造
    2. ふっ素樹脂の一般特性
    3. ふっ素樹脂の応用分野
  3. ふっ素樹脂基板の構造と特性
    1. ふっ素樹脂基板とは
    2. ふっ素樹脂基板の製造方法
    3. ふっ素樹脂基板の構造と特性
  4. ふっ素系ミリ波基板材料の構造と特性
    1. ミリ波のアプリケーション
    2. 高周波と基板設計
    3. ミリ波基板材料の構造と特性

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 AGC(株) 化学品カンパニー 応用商品開発部 複合材料開発室 藤岡 蔵 氏

第2部 コミヤマエレクトロン(株) Pプロジェクト 取締役、宇都宮大学 客員教授 久保 博義 氏

第3部 中興化成工業(株) 松浦開発部 松浦開発2課 課長 前山 隆興 氏

セミナー受講料

【1名の場合】44,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。 


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


12:30

受講料

44,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

電子デバイス・部品   高分子・樹脂材料   通信工学

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44,000円(税込)/人

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全国

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キーワード

電子デバイス・部品   高分子・樹脂材料   通信工学

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