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プラスチックの耐衝撃破壊メカニズムと耐衝撃性の向上策、
衝撃破壊の抑制策について徹底的に解説!
基礎編では、材料力学の基礎から高分子の破壊の機構までを学び、応用編では、破壊を抑制し、信頼出来る強度設計の概念と高剛性・高タフネスな高分子複合材料の強度設計を理解する。
[1日目:5月24日(月) 13:00~16:30] 基礎編
[2日目:5月31日(月) 13:00~16:30] 応用編
※基礎編・応用編のみを受講することも可能です。上記リンクからお申し込みください。
セミナー趣旨
プラスチック、ゴムあるいはその複合材料に高い耐衝撃強度を付与することはそれらの製品の信頼性を確保するためには基本的である。繊維から推察されるように高分子は分子鎖を構成する共有結合に由来して優れた強度を持ち、その重量は小さい。軽く高い強度をもつ構造体が期待できる。そのようなプラスチックをどのように設計するかについては、十分に理解されているとは言えない。
本セミナーでは、基礎編・応用編を通じて、ブラスチックの破壊の機構をその高分子構造との関連性と高分子の分子鎖構造そして複合構造をどのように設計するとタフネスの優れたブラスチックを設計することが出来るのかを解説する。
受講対象・レベル
- 基礎的な材料力学、及び高分子材料の基礎的な力学の知識を持っている方が望ましい
習得できる知識
- 高分子材料の破壊の機構
- 破壊を抑制し、信頼出来る強度設計の概念
- ひずみの拘束の解放の概念による高分子材料のタフネス改善の為の種々の具体的手段
- 高い剛性とタフネスが両立した高分子複合材料の強度設計
セミナープログラム
[1日目] 5月24日(月) 13:00~16:30
プラスチックの衝撃破壊メカニズムと耐衝撃性向上 基礎編
分子鎖を構成する共有結合に由来して力を支えることが求められるプラスチックの構造体の破壊は金属等と同様に製品の形状あるいは製品に内在する欠陥に起因する応力集中により、その材料の持つ凝集強度と比べると極めて小さな負荷応力で開始する。そのような製品の強度あるいは耐衝撃強度を向上させるためには、用いる材料の凝集強度を大きくするか、あるいは製品の形状、構造を調整して応力集中を緩和させる必要がある。
基礎編では、連続体力学によって解説されているように、固体の変形は体積一定のせん断変形と体積が変化する体積変形により構成されること、そしてそれらの変形の下で起きる高分子の破壊の機構を解説する。
- はじめに
- 材料強度の基礎
- 固体の理論強度とグリフィスの理論
- 固体の変形と応力集中
- せん断変形が支配的な変形
- 体積変形が支配的な変形
- ひずみの拘束による応力集中の機構
- 応力集中の緩和とタフニング
- 高分子材料の変形と破壊
- せん断変形支配の高分子材料の変形と破壊
- 高分子固体の塑性変形
- 結晶性高分子材料の塑性変形
- 非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
- 高分子材料のソフトニングとネッキング
- 配向硬化
- せん断変形支配の下での破壊
- 熱可塑性高分子の破壊
- 熱硬化性高分子の破壊
- 変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
- クリープ負荷での塑性変形
- 高分子固体の塑性変形
- 体積変型支配の高分子材料の変形と破壊
- ボイドの形成とその拡張の安定性
- ボイドの塑性変形による拡張
- ボイドの非線形弾性変形による拡張
- ひずみの拘束とボイドの不安定拡張
- ひずみの拘束の下でのボイドの形成と破壊
- 純粋伸張 (Pancake) 試験におけるゴムの破壊
- 切り欠きのひずみの拘束によるボイドの不安定拡張
- ひずみの拘束による高分子材料のぜい性的な破壊
- 非晶性ガラス状高分子のぜい性的な破壊
- 結晶性高分子のぜい性的な破壊
- 変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
- 切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによるぜい性破壊
- アルミニュウム合金の破壊との比較
- ボイドの形成とその拡張の安定性
- せん断変形支配の高分子材料の変形と破壊
- 高分子構造体の強度設計とその評価
- 高分子構造体の強度設計とタフニング
- 非線形弾塑性解析による高分子の強度設計
- 非晶性ガラス状高分子PCの強度設計
- PCの真応力-ひずみ曲線の推定
- PC構造体の破壊条件の推定
- 種々の境界条件でのPC構造体のタフネスの予測
- 切り欠き先端半径の効果
- リガメントの厚さの効果
- 試験片の幅の効果
- 結晶性高分子(POM))の強度設計
- POM の真応力-ひずみ曲線とボイドの形成と拡張状態の推定
- POMの破壊条件の推定
- 種々の境界条件でのPOM構造体のタフネスの予測
- 切り欠きの先端半径の効果
- リガメントの厚さの効果
- 試験片の幅の効果
- 非晶性ガラス状高分子PCの強度設計
- プラスチックのタフネスの評価方法と境界条件
- 破壊力学による高分子材料のタフネスの評価
- まとめ・質疑応答
[2日目] 5月31日(月) 13:00~16:30
プラスチックの衝撃破壊メカニズムと耐衝撃性向上 応用編
応用編では、基礎編で解説した高分子の基本的な変形と破壊の機構に基づいて分子構造、共重合等によりプラスチックの凝集構造をどのように調整すれば凝集強度を改善しタフなプラスチックにすることが出来るのか、そしてブレンド等によりどのような複合構造を持つプラスチック成型品あるいはゴムを設計することが出来れば応力集中を小さくし、延性変形が支配的な信頼性に優れたタフなプラスチックあるいはゴムが設計出来るかを紹介する。
- はじめに
- 微細構造の調整によるタフニング
- 数平均分子量がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
- 分子量分布の幅がクレイズ強度と粘度に及ぼす影響
- i-PPの立体規則性がクレイズ強度に及ぼす影響
- 共重合がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
- ひずみの拘束の解放によるタフニング
- 体積弾性率の低減によるひずみの拘束の解放と応力集中の緩和
- ボイドによる体積弾性率の低減機構
- ひずみの拘束の解放による応力集中の緩和
- Gurson モデルを用いた非線形解析(関連流動則) によるポリマーアロイのタフネスの予測
- 修正Gurson(非関連流動則) モデルよるポリマーアロイのタフネスの予測
- エラストマーのブレンドによるタフニングの効率に影響する因子
- 分散相の強度がタフネスに及ぼす影響
- ボイドの分散状態が塑性不安定に及ぼす影響
- マトリックス樹脂の配向硬化とタフネス
- 部分架橋による配向硬化の調整
- 結晶化条件による配向硬化の調整
- 複合構造のエラストマーをブレンドした樹脂のタフネス
- 熱可塑性エラストマーと樹脂の相溶性がタフネスに及ぼす影響
- 流動による分散相のエラストマーの配向がタフネスに及ぼす影響
- 表面劣化によるぜい性化のエラストマーブレンドによる抑制
- 他の体積弾性率の緩和につての試み
- 体積弾性率の低減によるひずみの拘束の解放と応力集中の緩和
- 高い剛性とタフネスが両立した高分子複合材料の強度設計
- 微粒子の充填によるタフニング
- 無機微粒子のブレンドによるタフニング
- カーボン粒子のブレンドによるゴムのタフニング
- 繊維の充填によるタフニング
- 繊維と樹脂が強い界面強度を持つ場合
- 繊維と樹脂の界面が適切な強度ではく離
- はく離強度がタフネスに及ぼす効果
- 繊維長のアスペクト比がタフネスに及ぼす効果
- 繊維への締め付け力がタフネスに及ぼす効果
- 界面強度の調整によるタフネスの改善の例
- 酸変性低分子量PE改質材によるガラス繊維充填PCのタフニング
- アラミド繊維によるPLAの弾性とタフネスの改善
- 微粒子の充填によるタフニング
- まとめ・質疑応答
セミナー講師
山形大学 名誉教授 石川 優 氏
セミナー受講料
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※受講券、請求書は、代表者に郵送いたします。
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※他の割引は併用できません。
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