Q&Aサービスは終了いたしました。過去のQ&Aの閲覧のみ可能となっております。
新規に質問をする場合は上記「コミュニティ」より投稿してみましょう。


QUESTION 質問No.578

L18直交表での多水準

全体/その他品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:
 L18の1列と2列の組合せから6水準を作った場合、自由度5必要なので直交表に表されていない2’列(交互作用列)を使って6水準(自由度5)が作れるのは理解できます。しかし、1と2と2’列はお互い直交しているので問題ないと思いますが、2’列は他の列とは直交していないのに、1と2と2’列で6水準を作った場合、他の列と直交するのでしょうか?
ご指導、宜しくお願いいたします。

補足1 投稿日時:2022/03/23 13:08

説明が足りませんでしたので補足いたします。「2’列は他の列とは直交していない」は正しくは「2’列は2列とのみ直交していない」でした。この1列と2列と2’列で6水準を作っていいのでしょうか?それは他の列と直交すると言えるのでしょうか?

spacer
ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

ご質問に回答いたします.
結論から言いますと、2水準の第1列と3水準の第2列から作った6水準列を持つL18直交表の全ての2列の組み合わせは直交します。
第1列が2水準のL18直交表の自由度を考えてみますと、第1列の自由度が1で、第2列から第8列までが3水準なので自由度は全て2です。トータルの自由度は1+2×7=15となり、平均値の自由度1を引いた全自由度18-1=17と等しくなりません。この余った自由度2で6水準にします。

次に6水準のL18直交表の自由度を考えてみます。第1列の自由度が5で、第2列から7列までの自由度が2ですから、トータル自由度は5+2×6=17となり、全自由度と等しくなります。全ての列の自由度の合計が行数-1と等しくなるのが普通の直交表という意味では、6水準のL18直交表が標準であるとも言えます。

比較のために一般的な直交表L8での多水準化についても触れておきます。直交表L8で4水準を作る場合、例えば第1列と第2列の交互作用列である第3列の合わせて3列(自由度3)を使って以下のように4水準にます。
111 ⇒ 第1水準
122 ⇒ 第2水準
212 ⇒ 第3水準
222 ⇒ 第4水準

一方、直交表L18では交互作用列を導入せずに、第1列と第2列のみで6水準にします。
11 ⇒ 第1水準
12 ⇒ 第2水準
・・・
23 ⇒ 第6水準

ご質問の意味を十分に理解できていない可能性もありますが、
回答になっていますでしょうか





ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

お役にたててよかったです
追加でコメントさせていただきます

 第1列が2水準の一般に知られている直交表L18においても、第1列と第2列を使って2×3の2元配置のグラフを描くなどして,両列に割り付けた因子の交互作用の大きさを把握することができます.(実験誤差は無視できるとして)これも6水準化同様に余っている自由度2を使っています.
 ご質問の範囲を超えてしまうかもしれませんが,品質工学的な視点でのコメントも追加させていただきます.交互作用は技術開発や製品設計を非効率化する最大の要因です.よって,交互作用の大きさを把握すべきという考え方もありますが,2因子間の交互作用を個別に把握することは,混合型直交表を活用する狙いからすると小さなことなのです.目的機能や基本機能を活用することによって加法性を確保し,交互作用の影響を抑制することが品質工学の戦略であり,私の経験ではこの品質工学のアプローチが最も効果的です.さらに,目的機能あるいは基本機能の効果に加えて,2因子間の交互作用が他の列にばらまかれるという混合型直交表による交互作用相殺効果もかなりのものです.(直交表L18は注意が必要ですが)とは言っても,交互作用をゼロにすることは現実的には不可能ですので,必ず確認実験を実施して,交互作用の影響をざっくりと定量的に把握することも大切です.

参考:基礎から学ぶ品質工学 日本規格協会 P.260




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

 直交表L18は,2因子間の交互作用が他の列に均等にばらまかれると書かれた書物もありますが,実はそうではありません.交互作用が無視できない場合,割り付け方によって要因効果図の傾向が大きく変わるケースもあります.直交表L12は2因子間の交互作用が他の列に均等にばらまかれますが,直交表L18はやや複雑な性質を持っています.そのため,完全に均一にばらけるように割り付けることはできないのですが,第1列が2水準の一般的な直交表L18であれば,第2列を空き列にすることで均一性が改善します.(6水準割り付けは3水準の第2列に割り付けたことになります)もし,因子数が少なく,空き列を作ることができるのであれば第3列以降に割り付けることをお勧めします.

 ただし,繰り返しになりますが,交互作用の影響をゼロにすることはできません.また,交互作用の大きさは,目的とする特性の定義に依存して大きく変わります.品質工学の目的機能や基本機能の考え方で目的特性を定義することによる交互作用低減が最も効果的です.加法性の良い目的特性を定義できれば,どのような直交表でも同じ傾向の要因効果図となります.また,一因子実験の生データの傾向と要因効果図の傾向の乖離もなくなります.つまり,十分な加法性を持った目的特性であれば,どのような実験でも最適条件は同じになります.

 直交表は交互作用の影響を受けやすいとも言えます.交互作用によって要因効果図の信頼性が低下することを嫌って直交表実験を避けるケースが多いのですが,交互作用が存在しても直交表実験を実施する方が得策です.その狙いは組み合わせ網羅率の活用です.交互作用が大きいことは,すなわち組み合わせで最適条件が存在するということです.直交表は組み合わせ網羅率が高いので,例えば3つの制御因子のたった一つの水準組み合わせで大きな改善効果が得られるとしたら,その効果を検出できる確率は一因子実験に比べて飛躍的に高まります.その改善効果は,ある行でとても大きな改善効果が得られるという形で検出します.ただし,要因効果図の傾向は信用できないので技術蓄積はできません.改善加速ツールとして直交表を活用するわけです.

 この交互作用によって技術蓄積ができないという問題も,ここ数年で解決できるようになりました.それがCS-T法です.CS-T法では直交表に割り付けた制御因子を解析対象にしません.より重要な中間的な特性を多数取り上げてT法パートに割り付けて解析を実施します.直交表実験で改善を加速し,T法でより価値ある技術情報を得る戦略です.たくさんの事例でCS-T法の効果を実感しております.

参考:タグチメソッドによる技術開発 ~基本機能を探索できるCS-T法~ 日科技連




ANSWER
回答No4 | 投稿日時:

直交しているかどうかを知るだけでしたら、2列間の相関係数をエクセルの
=Correl( 列1 、 列2 )で出して、値がゼロであれば直交しています。