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QUESTION 質問No.524

SN比の推定利得が38dbもある

設計・開発品質工学(タグチメソッド) |投稿日時:

L8直交表に対して誤差因子を2水準振って、16回実験を行い、その結果を解析中です。なお、本来は望大特性ですがSNと平均効果を分離したく、望目特性で解析しています。また、SNの計算方法として、理解しやすい10log(Sm/Se)を採用しました。

ここで、StatWorksを使って望目特性で解析したところ、SN最大化した最適条件の推定利得が38dbとあまりにも高く出てきました。また、SN比に対する効果の最も大きい因子が約15db(±7.5db)となっていました。

ここまで大きな利得になるのはおかしいと思い、計算過程を確認したところ、ある実験条件において、誤差因子を振っているにも関わらず特性値の値がほとんど変わっておらず(N1:460.1、N2:460.9)、結果としてSeが過小になり、SNとして高い値(この番号では61db、他実験は20〜40dB)を示しているようでした。

今得られているデータで、誤差因子変動と繰り返しばらつきを減らすパラメータをどのように選定したらいいでしょうか?ジャストアイデアですが、今回のデータセットでは平均値のばらつきが大きくない(CVとして10%程度)ので、SN比ではなく、単純にsigma^2をSN比率の変わりに使おうかと考えていますが、よりよい方法があればご教示いただけたら幸いです。

望大特性も選択肢かと思いましたが、SNと平均効果に分離ができず、今回はSNを上げる要因にフォーカスしたいと思っているので(村島先生が記載されているように、望大だと平均効果に重みが置かれることもあり)、選択肢にすべきではないのでは、と考えています。



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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

村島技術士事務所の村島です。望大特性に関する注意点を覚えておいていただきありがとうございます。ご質問のような場合には、σの二乗で解析されても構わないと思いますが、同様のことが懸念されます。ある実験条件のところが極端にばらつきが小さく、σが二けたも三桁も小さくなれば、望目特性の時と同じようなことがおこるはずです。生データを見ていないので、何とも言えませんが、そういうことが起こらなければ、その方法で構いません。なお、σの二乗の常用対数をとってマイナス10倍すれば、ゼロ望目特性のSN比と言われるものになります。特性値が、正負にまたがっている場合には、よく利用します。正負にまたがっているなら、本来望目特性は使えないからです。この点は大丈夫かと思いますが、ご注意ください。(常用対数をとるのは加法性確保のためであり、σの二乗をとる点では同じ事だからです。)
 それで、うまくいけばいいのですが、同様の問題が起こったらとして、解説します。
 非常にいい条件が見つかったのだから、その実験Noの条件を最適とすればよいのではないかということもありです。ただ、たまたまなのか、どの因子が効いているのかが分かりません。やはり、分散分析したいわけです。
 このため、当該の実験NoのSN比を欠測処理するときのやり方に変えるのが一つの方法です。
 要は、当該実験Noのところに、当該実験Noを外して、全体のSN比の平均と、σを出し、平均+2σ を代用します。つまり、たまたま起こったのだから、(たとえば、サンプリングがかたよっていたとか)、起こりうる値の上限に近いところを実現値として、分散分析するという方法です。
 この方法で、有意もしくは寄与率の高いもの、あるいは、半因子推定法とかで再度利得を計算してみてください。再現したらば、その方法でよしとし、最適条件とします。
 今まで、たいていこの方法でうまくいっていますので、一度お試しください。