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QUESTION 質問No.420

シックスシグマの記事について

生産品質マネジメント |投稿日時:
リーンシックスシグマ(その1)に記載されている下記について教えてください。
「つまり短期採取のデータの変動が仮に4.5σであっても、長期変動を考えると6.0σ程度の工程能力になると考えているのです。よって6シグマなのに、4.5シグマ相当の欠陥数3.4以内を目指すよう提唱しているのです。」
リーンシックスシグマ(その8)には
「経験則として長期性能のシグマレベルは「短期シグマレベル-1.5」です。長期のシグマレベルが4.5未満(短期シグマレベル6未満)の場合はプロジェクト完了後も改善を継続し、工程安定化を目指します。」と記載されています。
これによれば
「つまり短期採取のデータの変動を6σにしなくては、長期変動を考えると4.5σ程度の工程能力が達成できないと考えているのです。よって短期で6シグマを実現して、長期変動は4.5シグマ相当の欠陥数3.4以内を目指すよう提唱しているのです。」が正しいようにおもいます。
一方で、相当な大量生産でなければ対象を短期で6シグマを計測するのは困難です。
シックスシグマは品質改善の手法の名称であって、目標とするばらつきは各自で設定すればよく、
DMAICを組織的に取り組む手法をが重要と理解しました。
(”6”シグマや長期変動が+1.5σであることは対象により変わるためさほど重要ではない)
勉強不足で大変申し訳ないのですが、
もし理解が間違っていればご教授いただければ幸いです。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

シックスシグマの記事の著者ではありませんが、回答させていただきます。
《最初のご質問について》
シックスシグマでは、良品を作り出す力を工程能力で表現し、その単位としては、“シグマ”(レベル)を用いています。一方、ばらつきを表す統計量の標準偏差は、“σ”で表現します。
シックスシグマの研修や実践では、この2つ言葉の混乱が頻繁に発生しますので、小職は
・工程能力は、カタカナで“シグマ”(レベル)
・ばらつきを表す統計量の標準偏差は、ギリシャ文字で“σ”又は“s”
と表現しています。
また、長期的に考えると、平均値がシフトしたり、ばらつきが大きくなったりしますので、経験則でシグマレベルが1.5程度小さく(悪く)なるとしています。平均値のシフト量や、ばらつきの増加度合いについては言及しません。
以下の例では、長期的には、ばらつきのみが大きくなるという仮定で読んでいただければと思います。分かり易くするために、本事例の単位:cm、規格値:±27cm とし、()内の言葉を補って読んでいただけると分かり易くなると思います。
「つまり短期採取のデータの変動が仮に4.5σ(標準偏差:4.5cm、工程能力:6シグマレベル)であっても、長期変動を考えると6.0σ(標準偏差:6.0cm)程度(までばらつきが大きくなり)の工程能力(は、4.5シグマレベルまで低下する)になると考えているのです。よって(短期データでは)6シグマ(レベル)なのに、(長期的には)4.5シグマ相当(まで低下しても)の欠陥数3.4以内を目指す(確保する)よう提唱しているのです。」

《後半のご質問について》
属性データ(良品・不良品)で百万分の3.4の不良率(3.4ppm)を計測し保証することは、相当な大量生産でも難しいと思います。しかし、実務では6シグマレベルの品質が要求されることはしばしばあります。航空機の着陸成功率の工程能力は、6シグマレベル以上要求されて当然だと思います。
現状より改善されれば良し、とする目標設定は問題だと思います。
では、6シグマレベルを保証する計測方法はどの様にするかですが、変数データ(連続的に変化する特性値:長さ、重さ、圧力、流量、・・・等)の代用特性に置き換えて計測すれば、数十個のデータ採集で6シグマレベルを保証できます。
シックスシグマの問題解決において、基本公式:Y=f(X)のSmall yを見つけることが成否を決定すると言われています。代用特性(Small y)の選定には、技術的・統計的な検証が必要になります。ご参考になれば幸いです。

高畑技術士事務所:高畑 明敏
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