人的資源マネジメント:実行力の鍛え方 (その2)

 やろうと思っていることがいくつもあるのになかなか手をつけることができない。そんなときの対応方法について、前回のStep0からStep3までの段階を踏むことで、「やろうと思っているけどできないリスト」は、今の自分にとって本当に必要な、大切な項目だけに絞られたと思います。本当に必要なものだけになった「やろうと思っているけどできないリスト」ですが、リストの中には、まだやる気になっていない項目があるかもしれません。今回のテーマは、このようなやる気になっていない項目の対処方法です。
 

4.「快」と「苦」の気持ちの整理

 
 まず最初にやることは、やる気になっていない心理的抵抗の中身を洗い出すことです。具体的には次の4つの状態について気持ちや行動を書き出します。
 
 
図20. 心理的抵抗の洗い出し
 
 私の場合、リストの中にあってやる気になっていない項目に「ホームページの見直し」がありますので、この項目で実際にやってみたいと思います。まず最初はやりたいけど今できない理由(今の苦)です。行動できないわけですから、やることが「苦」となっている理由があるはずです。その理由や気持ちを書き出します。
 
今の苦
・ホームページ作りのソフトを勉強するのが面倒
・思い通りのものができなくて時間のムダになるかも
・まとまった時間を作るのが大変
・作り直しのための作業が膨大な気がする
 
 次は今やらない理由です。やりたいけどできないのは、さっきとは逆で、やらない方が気分が良かったり幸せに感じることがあるからです。その理由や気持ちを書き出します。
 
今の快
・他のことに時間を使うことができる
・これ以上忙しくならない
・ホームページ作りのソフトを買ったのでいつでもできる
・できなくて困っている自分を想像しなくてすむ
 
 こうやって書き出してみると、まだやってないにもかかわらず、時間がかかったり、面倒だったりすることを嫌がっていることがわかりますね。先がわからないから気が重いわけです。次に、やらないままでずっと過ごすとどうなるのかを想像します。このままやらないでいると、どんな困ったことや苦しいことが待っているのかを書きます。
 
未来の苦
・新しい仕事が来なくなる
・ホームページを見たお客さんからの印象が悪くなる
・営業の時に自信がなくなる
・いつも気にかかって落ち着かない
 
 まだ来ていない未来を、今目の前にあるかのように想像することが大切です。次のような感じです。「1年も2年もホームページは今のままです。ホームページを見るたびに気になることが増えます。頻繁にホームページを更新している知り合いの会社がうらやましい。」というような感じで、どんどんイメージを膨らませることが大切です。だんだん苦しい気持ちになってきますね。そして最後は、やろうとしたことをやったときにどうなるのかを書きます。実際に行動することで、1年後や2年後に手に入ることやそのときの気持ちを書き出します。
 
未来の快
・気になっていたことが解消できて気分がいい
・積極的に宣伝したり、自慢したりできる
・次々とやりたいと思っていたことができる
・ワクワクして新しいことをやりたくなる
 
 これも、自分が今そこにいるような感じで、ありありと想像することが大切です。私の場合は、考えついたことをワクワクしながらすぐにホームページに反映させているイメージです。「思いついたことが形になるって楽しい!」という感じで、さっきの気分とは全然違います。大切なのは、「未来の苦」と「未来の快」を具体的に、そして、今目の前にあるようにありありとイメージすることです。「未来の快」で...
ワクワクしてやる気が出てくる人もいれば、「未来の苦」がプレッシャーとなって今やらないといけないというやる気の人もいるでしょう。やる気のもとは人それぞれです。どちらであってもやる気になればいいのです。大切なのは、「未来の快」が「今の快」よりも強いか、「未来の苦」が「今の苦」よりも強いことを実感することです。ただ、ここまでやってみて、「未来の快」より「今の快」の方が強かったり、「未来の苦」より「今の苦」の方が強かったりする場合もあります。こんな時は、やろうとしていることはきっぱりとやめた方がいいでしょう。やった先の未来が魅力的ではないのですから。
 
 次回も、実行力の鍛え方 (その3)で解説を続けます。
 
  
◆関連解説『人的資源マネジメントとは』

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