クリーンルーム付属のシャワーについて

1. クリーンルーム内シャワーの必要性

 清浄度の高い低いに関係なく、薬液を扱うクリーンルームには、シャワー室が設置されていると思います。作業中の人やその付近にいた人が薬液を浴びたり、飛散した薬液が防塵衣に付着した場合、シャワーを浴びてその影響を少なくしようという考えです。薬液によっては、防塵衣に付着すると、防塵衣の生地が溶け穴が開く場合があります。防塵衣の下には、Tシャツ、或いは防塵衣と同じポリエステルの繊維で作られたミドラー(中間衣)を着用しているところが多いようです。大体は半袖ですから、直接皮膚に付着、火傷することが考えられます。薬液交換、補充作業では、耐薬品性の高い前掛けなどが使われますが、製品加工作業では使われない場合もあるでしょう。
 
 また飛散した液が目に入ることもあると思います。その防止のため、保護眼鏡をして作業するよう標準化されていると思います。ゴーグル型なら良いのですが、一般の眼鏡のようなタイプでは、その隙間から入ったという事例もあります。
 

2. クリーンルーム内緊急時のシャワー利用

 緊急時は、いちいち更衣室で防塵衣を脱いで、医務室に駆け込むというのは時間のロスですから、直ぐにクリーンルームに付属のシャワーを浴びることが必要になります。また目を洗う設備も付いているので、目に入った場合はそこで良く洗います。
 

3. 定期的なシャワー管理の必要性

 緊急時の対応は、滅多にないことなので、日常的に管理されていないかもしれません。不具合事例としては、目に入ったような気がして安全を考え、とりあえず目を洗ったのですが、日常的に管理されていなかったので、配管の中が錆びていて、それでかえって目を傷めたという例です。
 
 また、シャワーの中が物置になっていたという事例もありました。緊急時に使えないのです。水がきれいに見えても、流れていなか...
った場合は、バクテリアが発生していることも考慮し、定期的にかけ流すことや、目を洗う時も少し流してから使うようにしましょう。
 
 このような点検や対応方法は、安全確保の観点ですが、クリーン化とも関係があります。見落としやすい項目ですが、管理監督者だけでなく、クリーン化担当も含め標準に盛り込み定期的なチェックを実施することが大切です。労働災害になりますので、やりすぎはありません。周知徹底が必要です。  

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