異物混入:鳥の羽の混入

 以前、製品のパッケージがネズミにかじられて使いものにならなくなったと記事を読んだことがありました。その記事は、このようなものでした。サプライヤーの一社の倉庫に置いてあったパッケージが、ネズミにかじられてしまい、使い物にならなくなりました。かじられた箱の他に、糞尿にまみれた箱やネズミの死骸もあったらしく、パッケージを保管している倉庫は悪臭が漂い、発見した社員は大騒ぎだったようです。
 
 この記事を読んで、以前細い電線に鳥の羽が巻き込まれているのを思い出しました。現場から電線に鳥の羽が混入しているという報告があった時、どういうことなのかまったく理解できませんでした。
 
 これも言ってみれば異物混入不良になりますが、鳥の羽と言うのはもちろん初めての経験でした。いったいどうしてだろうと、いろいろ想像をめぐらせました。
 
 ・鳥を飼っている?これはあり得ない。
 
 ・鳥が窓から入ってきて、工場内を飛び回っているうちに羽が落ちてそれが製品に巻き込まれた。
 
 あり得ない話ではないが、羽の大きさから考えると大きな鳥だ。そんなのが工場内に入ってきたら大騒ぎになるはずだ。製品に悪さをすることも考えられるから、製品のチェックも行うはずです。先方からの報告書で原因はわかったのですが、まったく予想もしていなかったものでした。
 
 工場内を清掃するときに毛ばたきを使った。そう以前は自動車の掃除などでよく見かけたあの毛ばたきです。そこから羽が取れて製品に付着(巻き込まれた)したとのこと。これを読んで開いた口が塞がりませんでした。毛ばたきを使うこと自体もそうですが、毛ばたきの目的は埃を落とすことだ。製品に羽が巻き込まれていたと言うことは、稼働中に掃除をしていたということで、たとえ羽が取れなくても埃が製品に付着する...
ことになります。
 
 このあたりのことを考えずに掃除をしていることが、品質意識の欠如を端的に示しています。実はこのメーカーは、台湾のメーカーです。中国にも進出しているのですが、当時事情により台湾工場と中国工場とから並行して購入していました。その台湾工場での出来事です。電線はボビンに巻き取り、外観は梱包の時に全数チェックしているはずです。どうしたら見逃すのか、これも疑問でした。
 

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