ワンウエイとリターナブル:荷姿改善の重要性(その2)

 

◆ワンウエイ荷姿とリターナブル荷姿

荷姿は物流のためにあり、ユーザーにとっては無用のものです。そこでできるだけ荷姿はシンプルなものである必要があります。

 

荷姿には1回限りのものと何度も繰り返し使えるものとがあります。前者をワンウエイ荷姿と呼び、後者をリターナブル荷姿と呼びます。環境のことを考慮するとワンウエイはできるだけ避けたいところです。しかし現実的なことを考えるとすべてをリターナブル荷姿とすることは困難です。

 

当たり前のことですが、リターナブル荷姿では空になった容器を返却する必要があります。そのために輸送コストが必要になります。また、輸送途上の容器は使えませんのでその分は余分に保有する必要があります。一方でワンウエイ荷姿は1回限りでしか使用できませんから、使い終わった後はゴミになるだけです。私たちが日常生活で目にしているものはほとんどがワンウエイです。家電の梱包に代表される段ボール箱はその典型です。一方でリターナブル荷姿の代表はビール瓶です。ビール瓶は回収して再利用されます。ちなみに缶ビールの缶はワンウエイです。

 

さて私たちが企業間でモノのやり取りをするときにはどのような荷姿にしていったらよいでしょうか。移動の距離や容器等の荷姿関連機器の管理などを考慮する必要があります。この管理、けっこう煩わしいものです。リターナブル容器を使用したとしたら、容器という資産を「今、どこに、いくつあるのか」を把握する必要があるからです。たとえばプラスチックボックスを段ボールの代わりに使用したとします。自社の得意先10社に対してそのプラスチックボックスを使って製品を納入したとしたら・・・。

 

製品の出荷数は売上として認識されますから、確実に把握されます。ではプラスチックボックスはどうでしょうか。得意先...

に納入された後も、得意先の中に滞留します。製品在庫として保管されたり、空箱となっても滞留したりします。自社がその空箱を回収しない限り、再利用は不可能です。これが結構悩ましいところです。管理が十分にできていないために出荷のための容器が不足することがあるからです。

 

次回に続きます。

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