サプライチェーンの同期化とは:後工程合わせの仕事で効率化(その3)

 

◆ サプライチェーンの同期化

 サプライチェーン上で後工程合わせの仕事をするうえで重要になってくることの一つに納期管理があります。各工程には計画時間が提示されていなければなりませんし、それを守って仕事をする必要があります。まったくもって当たり前の話ですが。

 しかしこの当たり前のことができていますでしょうか。出荷に関してはおそらく時刻が定められていると思われます。

 トラックが何時に出発するのか、これが決まっていないとお客様に対する納期を守れないことになりかねません。

 ではその前工程はいかがでしょうか。前工程を出荷準備工程、すなわち荷揃え工程だとすると何時何分から何時何分までにその仕事を行わなければならないのかが不明確だということになっていませんでしょうか。

 

 よく出荷トラックが18時に来るからすべての仕事はそれに合わせてやって欲しいといった曖昧な指示をする会社がありますがこれは望ましくありません。すべての工程は一日の終わりの時刻だけが決まっているだけのようなので、8時間分の仕事であろうと4時間分の仕事であろうと実際には8時間かけてやるようになります。

 そうなると常にゆとりを持って仕事を行うことになります。仕事にある程度のゆとりはあってもよいかもしれませんが、アウトプットにつながらないゆとりはロスに他なりません。

 ですから後工程を基準に前工程は何時何分までに後工程に渡すということを決める必要があります。これをすべての工程で行うことで納期について後工程に対する保証ができるようになるのです。

 サプライチェーンの理想形は最終工程を起点にすべての工程が一本のコンベアでつながっているイメージです。これがサプライチェーンの同期化です。サプライチェーンのいずれかで問題が発生するとすべての工程...

が止まってしまうことになります。これくらいの危機感を持って仕事をすべきであり、実際にそのようにならないように体質を改善していかなければなりません。

 最低限後工程に対して迷惑をかけないこと、プロとしてこれを実現することが最優先課題ではないでしょうか。ぜひ皆さんの会社でも後工程と同期化し、少ない在庫で運営できるように努力をしていきましょう。

 

 

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