ロケーション管理:倉庫改善に取り組もう(その3)

 

◆ ロケーション管理:誤出荷の発生を防ぐ~管理手法と注意点

 物流倉庫内を改善する場合、ロケーション管理について注意するとよいと思います。このエリア管理をしっかりしていないと、誤出荷につながる可能性があるためです。

 ロケーション管理には「固定ロケーション」と「フリーロケーション」があります。前者は物の置き場所を固定する管理方法です。列車でいえば「指定席」です。一方後者は置き場所を特定せず、その都度空いている場所に保管する方法でこちらは「自由席」ということになります。

1.固定ロケーション

 固定ロケーションは、場所が常に固定されているため置き場所が分かりやすく、新人作業者でもすぐに仕事をすることが可能です。ただ、商品の出方が変わったり廃止になった際は、置き場所のメンテナンスが必要になります。若干の煩(わずら)わしさがありますが、間違いを防ぐためには効果的な管理方法といえます。 

 固定ロケーションの場合には、棚番号を「何丁目、何番地、何号」といった数字とアルファベットを組み合わせるなど、分かりやすい表示にしましょう。

 例えばAゾーンの5番通路の左棚の17間口であれば「A―5-L17」といったコードを付けることになります。

2. フリーロケーション

 フリーロケーションは、商品の出方が変わっても置き場所のメンテナンスは不要で、管理上は容易な方法といえます。しかし都度置き場所が変わると倉庫内作業者の迷いが発生します。迷いによるロス時間、つまり探し回る時間がもったいないので、これをいかに防ぐか工夫が必要です。愚直な改善方法になりますが、2Sを徹底するとともに大きな看板をつけるとか倉庫内マップを掲示するなど、泥臭(くさ)い手を打っていくことが効率化につながるでしょう。

◆ ピッキング作業指示の出し方を考える

 倉庫内のロケーションが定まったら、ピッキング作業の指示の出し方にも改善余地がありますので検討していきましょう。

 【ピッキング作業者にさせてはならない行為】

 このような行為を発生させないように、ピッキング場と作業指示の与え方を考えることが必要で...

す。また棚の高さやロケーションの設置位置についても工夫が必要です。

 よく保管在庫なのか、ピッキング用在庫なのか分からなくなっているケースを見掛けます。保管在庫は納入業者から納入された在庫をすべてピッキング場に払い出すと、間口が増え歩行を増やす要因となります。もちろん小ロットで納入されていれば問題はありませんが、概して調達ロットとピッキングによる出荷ロットの大きさは異なります。そこで在庫保管場所の改善も必要になってくるわけです。

 

 次回に続きます。

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