コモディティでない物流商品とは 提案型物流営業の基本(その3)

 

◆ お願い営業とストーリー営業

 荷主が真に求めているのは付加価値の高い物流商品です。コモディティではない物流商品をどのように開発していったら良いのでしょうか。

 「自社に輸送業務を発注して下さい」とか「自社の物流倉庫を使って下さい」というお願い営業は余程特色があるか付加価値が高いかでない限り「価格競争」になります。なぜならこのような物流商品はどこでも買える「コモディティ」だからです。

 

 先日ある物流会社を訪問してきました。この会社は「ワインの配送業務」に特化しています。特に大手ホテルやレストラン向けに輸入高級ワインを届ける業務を実施しているのです。

 ワインは一定の温度管理を行うことで品質が保たれます。その基準が摂氏15度なのですが、サプライチェーン全体でそれを保つように設計されています。見た目では品質の劣化が分かりにくいため、お客様はこの物流会社に物流管理を委託することで、品質担保を図っているとのことでした。ワインの絵が描かれたこの会社のトラックを店舗に横付けすることが一つのステータスにまでなっているそうです。

 ここまでお客様に信頼されれば、評判が口コミで伝わります。あえて「お願い営業」をしなくても顧客が広がっていくのです。物流に限りませんが、このような状態をつくることが理想だと思います。

 この会社はレストランでお客様が高品質ワインを楽しまれるといった「非日常」をつくることを支援しているのです。いわゆる「夢」を提供しているといえるでしょう。「物流」ではなく「夢」を売っているのです。素晴らしいことだと思いま...

せんか?これは決して飛躍したことを言っているのではありません。いかに「楽に営業できるか」を言っているのです。

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 私たちは一般的に「営業は辛いもの」だという発想を持っています。しかし考え方を変え、お客様に喜んでいただけるストーリーを組み立て、その過程で物流業務を行ってみてはいかがかと思います。

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