リスク管理の第一歩とは  物流のリスク認識を高める(その1)

◆ 人材リスクを考える

 最近ドライバー不足でものが運べない状況が続いています。こういったリスクが顕在化している実態がある一方で、それに備えた活動がどこまで準備できていたでしょうか。物流は経済の血管ですので、血流が鈍ると経済はたちまち弱ってしまいます。それだけ物流は大切であると誰しもが分かっていると思います。

 しかし実際、物流におけるリスクを洗い出し、それに対策を打っているかというと疑問が残ります。そこで物流に携わる人はリスクに対する意識を高め、サプライチェーンの寸断防止に寄与していく必要があると思います。

 人材不足は物流業界に限った話ではありません。しかし残念ながら物流業では若者が好んで参画したいと思わない業種であることは事実のようです。それだけに人材についてより真剣に考えなければなりません。業界を魅力あるものに育てていく、会社であれば入社後、先々の人生にプラスとなるような魅力を訴えることも必要ではないでしょうか。

 さて物流にかかわるリスクというと何を真っ先に思い浮かべますでしょうか。リスクは財務リスク、事業リスク、コンプライアンスリスク、オペレーショナルリスク、人材リスクなど様々です。

 先に示したリスクは人材リスクに該当すると思います。ドライバーが充足されていないため仕事が回らなくなる事例です。やはり皆さんも人材リスクが頭に浮かぶようです。その典型がある仕事に関して特定の人しかできない、という事例です。受注業務はAさんしかできない、配車業務はBさんしかできないというような状態になっていませんか。

 実際のところ、特定の社員が辞めた途端、仕事に支障が出て...

しまったという話をよく聞きます。従ってこの人材リスクについて洗い出しを行うことが優先業務ではないでしょうか。

 社内の各業務について人材に関するリスクを抽出してみましょう。そしてその対策を考えていきましょう。つまり上記の事例で行けば多能工化を図り、他者でも仕事ができるような体制を構築することがリスク管理としての第一歩だといえそうです。

 次回に続きます。

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