中国工場人材の動機付け 中国企業の壁(その54)

 
  
 
 中国工場で中国人をマネジメントする目的は、こちらの期待通りに働いてもらうこと、そして定着してもらうことです。今回は、作業者の定着について考えてみます。
 
 作業者定着のための主眼は動機付けです。この会社、この工場で働く動機(モチベーション)を持たせることです。ちょっと前まで作業者たちの働く動機は間違いなくお金(給料)だった訳ですが、最近はお金だけではありません。仕事に対するやりがいを持たせてあげることが必要ですし、とても重要です。ではどのようにしたら良いのでしょうか?
 
 それは、自分のやっている仕事の重要性を認識させることです。
 自分がやっている作業や検査はどうでもよいことではなく、製品の品質に大きな影響があることを徹底的に理解させるのことです。
 その一つのやり方として、作業者や検査員に次の質問を投げ掛けてみます。
 
 質問:あなた方がやっている作業や検査をいい加減にやったり、あなたがルールを守らなかったらどんなことが起きると思いますか?

 はじめは何も回答がないかもしれませんが、じっと待っていると少しずつ「不良を作ってしまうかもしれない」とか「不良品を流してしまう、お客さんに渡してしまうかも」などの回答が出てきます。
 返事や回答が出てき始めたら「不良を出さないためには、あなた方一つひとつの作業や検査のどれもが重要な...
仕事で、一つとしていい加減にやっていいものはないですよ」と丁寧に話をしてみましょう。そこで全員に理解が得られなくても理解してくれる人が何人かでもいればこの会社、この工場で働く動機(モチベーション)を持たせることに成功したことになります。

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