理由教育とは(その1) 中国企業の壁(その45)

 
  
 
 以前訪問した日系中国工場では、工程で定期的にチェックしなければならない項目のチェックが出来ていないという問題がありました。
 
 具体的には、半田付け作業で必須のコテ先温度のチェックが出来ていませんでした。その工場でもコテ先温度は1日の作業の中で何回かチェックすることになっていますし、温度を記録するチェックシートもありました。
 
 作業者がコテ先温度を確認してチェックシートに記録しなければなりません。また、それをその工程の管理者が確認することになっています。仕組みはきちんとあるのです。
 
 ところが、記録からコテ先温度をチェックしていない作業者がいることがわかりました。そして管理者も作業者がチェックしていないことを把握していませんでした。つまり、管理者が作業者のやるべきことの確認していなかったのです。
 
 さらにその上の管理者は、現場の管理者に任せているので「ちゃんとやっているはず」とのスタンスでいるので確認などしていません。他の工程でも、工程で使う設備の始業点検が実施されずに生産が開始されていました。これも作業者が始業点検を行い、工程の管理者がその実施有無をチェックすることになっています。
 
 ここでも管理者は始業点検の実施有無を確認することを怠っていました。自分たちの役割を理解していないのです。半田コテ先温度の場合とまったく同じことが別の工程の設備点...
検で起きていたのです。
 
 これは中国で工場を立ち上げてから10年近く経っている日系工場で起きていたのです。10年間このような管理で生産をしていたのでしょうか。管理の見直しが必要な訳ですが、それに加えて理由教育をすることが必要、かつ有効だと考えています。
 
 次回は、理由教育について解説します。
 

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