5Sの進め方-日系工場の事例(その2) 中国企業の壁(その45)

 
  
 
 前回ある日系中国工場の中国人幹部が5Sを仕切り直して再スタートさせた事例を書きました。目指すのは5Sを習慣化させることです。そのための1つの方法が、自分たちでよくなかったところに気が付き、それを改善することです。
 
 そしてそれを報告させ、それを点数化して表彰します。ここでのポイントは、5Sが出来ていなかったことを決して責めないようにしたことです。
 
 通常5Sというと推進メンバーなどが定期的にパトロールして状況をチェックし、乱れたところがあれば指摘をして担当部門に改善を促すという仕組みです。このような仕組みを取り入れている会社も多いと思います。
 
 定期的なチェックはもちろん有効な活動で、5S定着に役立つことは間違いありません。
 
 もし問題点があるとすれば、定期チェックのときにだけ指摘されないようにすることが出来る点でしょうか。
 
 今回紹介している工場では、推進メンバーによる定期チェックはもちろん実施しています。それに加えて、定期チェックでないときでも5Sが出来ていないことを見つけたら指摘します。
 
 その指摘は、すぐに担当部門に通知されるとともに毎月の報告会でも写真付きで発表します。要するに、5Sが出来ていないと定期チェックのときだけでなく、いつでも指摘されるという仕組みにしたのです。
 
 もうひとつの施策は、5Sカードを配布し名札の裏に入れていることです。これは特に目新しいことでなく、実施している工場も多いと思います。ちょっと違うのは、5Sとは何かを書いたカードではなく、5Sを...
やることによるメリットを書いていることです。
 
 これも何でもないことのようですが、工場の中では「5Sってやってどうなるんだ」と思っている人が大多数ではないでしょうか。やる意味を明確に伝えることが狙いです。前回、今回と中国工場での5S推進の事例でしたが、日本国内でもこのやり方は有効ではないかと思います。試しにやってみてはいかがでしょうか。
 

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