新規事業を考える時、イノベーションとの関係性を問う

【目次】

    1. 経営者の考える失敗しない新規事業

    経営者は、できるだけ短期間に、少ない投資で、大きな利益を得るような新規テーマを期待しています。

     

    実際の所、そのようなテーマはなかなかありません。未来や市場の予測が完全ではないこと、誰もがやっていない技術開発は予測不能な項目も含まれ必ず成功するとは限りません。そのため、経営者が期待しているように一発で成功するような新規事業開発はなかなか難しいのです。

     

    これまでの自身の経験や、たくさんの新規事業開発を見てきた感じでは、小さくスタートさせて、失敗しながらも修正し、その失敗から知見を得ながら成功へ進む場合が多いと思います。すなわち、成功 or 失敗 のゼロイチではなく、失敗から学び、その失敗の延長線上に成功があるようなイメージです。これを図にすると次のようなイメージとなります。

     

    ◆関連解説記事:新規事業創出とは、新規事業を考える視点 、自社の強みとは

    新規事業を企画する部門は経営者から厳しいプレッシャーを受けて、必ず成功しかつ大きな新規事業を企画しようとしています。しかし、そうではなく小さくスタートさせて、修正しながら(ときには失敗しながら)、育てていくような新規事業の方が成功の確率が高いと思います。

     

    経営者を上手く説得して小さく早く進めるような企画を立案することをおすすめします。経営者にそのような進め方の理解がなく、困っているという相談もたまにあります。そのような時は、うまく事例を説明して説得することがいいかなと思います。外部のコンサルを上手く利用して説得していくのも一つの手だと思いますが、いかがでしょうか。

     

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    2. イノベーションで新事業を作るシンプルなやり方

    イノベーションという言葉を様々な場面で聞きます。多くの人がイノベーションについて語っていますが、この言葉の定義としては、シュンペーター氏が最初に提唱した「経済活動の中で、生産手段や資源、労働力などを、それまでとは異なる方法で新たな形態に結合すること」があります。

     

    簡単に言うと、イノベーションとは「新しい結合」のことであり、既存の資源や技術を組み合わせて新しい製品やサービスを生み出すことです。この手法は、新規事業の創出に有効であり、既存のものを組み合わせることで新...

    たな価値を生み出すことができます。

    イノベーション ≒ 新結合

    具体的な例を挙げると、消しゴム付き鉛筆(消しゴムと鉛筆の組み合わせ)、インターネットと音楽(ストリーミングによる音楽配信)、回転寿司(お寿司とコンベアによる利便性)、ナビゲーション(地図とコンピューター・GPS)などが挙げられます。スマホは、複数の機能が組み合わさった非常に便利なものであると言えます。

     

    また、新規事業においても、富士フイルムの例のように、銀塩写真技術を利用して化粧品ビジネスに進出するなど、既存の技術を異なるビジネス分野に適応することも新しい結合の一つであります。このような新しい結合の考え方は、新規事業の創出において有用であると考えられます。

     

    コンサルティングの現場では、強みと伸びる市場を組み合わせて新しいビジネスを考えることが一般的です。ぜひ、新しい結合を意識して、新規事業を考えてみてください。

     

     

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