決定分析(DA表)とは 意思決定のためのKT法(その4)

【目次】

 1、KT法とは

 2、状況分析

 3、問題分析

 4、決定分析 ← 今回の解説

 5、潜在的問題(リスク)分析

◆DA表とは

 KT法における決定分析(DA)は、どんな条件で目標を達成しようとしているかを明確化させることが重要です。条件をMUSTとWANT条件で区別し、さらに目標値の重み付けを行い、競争に勝てる案を選択する必要があります。「なるほど」と膝を打てる案を選択できなくてはならないのです。その案が決定したら、さらに実行案のリスクを評価する必要があります。そのためには、潜在的問題分析(PPA)も必要になる場合が多いようです。その際は、予防対策や緊急時対策も必要に応じて設定しておくと良いと思います。

 ここでは、事例として意識的にやや古い機種に限定して、インクジェットプリンター購入時における評価を表1に取り上げてみました。最近の比較は、みなさんが購入されるときに実施してください。

表1 決定分析(DA)の事例

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 まず、画質と価格をMUST項目に設定し、次に評価項目として詳細比較のためもう一度画質を優先順位NO.1に、実売価格をNO.2に設定しました。次に速度やサービス性まで含めて10項目程度比較項目を、各比較項目にはウェイトを設定し各々のスコアを掛けます。それらを合計するとスコア合計となります。この事例ではB社製のプリンタを選択し購入すればよいことがわかります。その2年後に買い替えを計画し、やはり決定分析(DA)を行いました。今度は、改良されたA社製を選択した経緯があります。その時々で最適なものを選択できたと思っています。

 コンシューマー商品でも住宅や車などの高額品を選ぶ時は、みなさん慎重に判断されていると思いますが特に、...

この決定分析(DA)が有効であると考えられます。さらに高額なものほど前に述べたリスク対策を考慮する必要があります。

 表2に決定分析のプロセスフローとチェックポイントを整理しました。

 表2 決定分析のプロセスフローとチェックポイント

 

参考文献

粕谷茂:プロエンジニア(コンピテンシー構築の極意)、株式会社テクノ

◆関連解説『品質マネジメントとは』

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