付帯設備の診断-7 クリーン化について(その77)

 

 

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今回は、設備の排気管の劣化について解説します。

 

付帯設備については、観察ポイントを説明しました。これらをもとに、水平展開、応用をしていろいろなものに着眼しましょう。これも予防保全として活用して下さい。主には、乱流方式のクリーンルーム内で起きやすい例です。

 

 

この写真は、設備内の汚れた雰囲気をダクトによって室外に排気する部分です。左の写真は、設備とダクトが長い距離で接触しています。この下には金属粉や設備から剝れた塗装粉が落下していました。設備はわずかに振動しています。またダクトは天井側の振動が伝わってきています。

 

この場合、相互に擦れていて、それがずっと続く、継続発塵の例です。人が入りにくいところなので、人の目での発見は難しいでしょう。落下した金属粉、塗装粉も様々な気流で飛散します。

 

右の写真は排気ダクトが設備の角に接触しています。左の例と同様、設備もダクトも振動していて、相互に擦れています。こちらの場合は、設備の角に接触している部分が極度に劣化します。この場合、ダクトに穴が開きます。穴が開くと、設備内の嫌な雰囲気を外に出そうとして、せっかくダクトに集めたのに、汚れた雰囲気がこの個所から室内に放出されてしまいます。

 

室内の清浄度が低下するだけでなく、内容によっては、人的被害も考えられます。何のためのダクトかということになってしまいます。

 

写真右ダクトはステンレス製ですが、もっと弱いタイプもあります。蛇腹のホースのような感じです。その場合は穴あきよりも、破れが発生します。

 

どちらもそのままにしておくと劣化が進み、何らかの事故が起きる可能性があります。これらは、ダクトの引き回し方を考えることと、最初は良かったが、徐々に変化していく、つまり状態は変化するということを考え、設備点検、定期点検などの項目も含めておきましょう。そうしないと、いつから始まったのかわからなくなってしまいます。

 

例えば、右の写真は、点検表が設備に貼ってあります。この記入のために人が狭いところを通るのかも知れません。最初は良かったが、通行する人がダクトと接触し、徐々に変化したのかも知れません。最初の良い状態が持続されるのかはわからないのです...

 

設備と排気ダクトの擦れの不具合事例を紹介しましたが、これはダクト以外のガスや薬品、純水などの配管、電気の配線など、設備周囲にはいろいろなものあるので、それらの引き回しも同じような視点で確認しましょう。問題が起きてから対応する事後保全ではなく、予防保全の考え方が重要です。

 

次回に続きます。

 

 

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