異種金属接触腐食とは:金属材料基礎講座(その65)

 

◆ 金属の相性で異なる腐食反応

 金属材料はそれぞれ固有の標準電極電位があります。そのため、異なる金属同士を接触させると電位差が発生して腐食反応を起こします。これを異種金属接触腐食または、ガルバニック腐食と呼びます。その様子を図1に示します。

図1.異種金属接触腐食

 

 この時流れる電流をガルバニック電流と呼びます。

 異種金属接触腐食は標準電極電位の小さい卑な金属が腐食されます。この時の腐食速度は異種金属の電位差が大きいほど速くなります。

 例えば、鉄と銅の組合せでは鉄が腐食されます。しかし、鉄とアルミニウムの組合せではアルミニウムが腐食されます。身近な例として水道配管などがあります。水道配管の全体が鉄配管であれば異種金属接触腐食は起こりませんが、例えば鉄配管と銅配管が接触する時は異種金属接触腐食が起こります。

 対策としては、配管の内側を塗装やコーティングするのが望ましいのです。内側...

全体をコーティングするのが難しい時は、異種金属が接触している場所だけでも、水と接触させないように保護することが有効です。

 

 次回に続きます。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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